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ケイト編
~新章・第二節~
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~8時間後~
暗闇の中、車は走り続ける。
道路も崩れていて、かなりの時間を要した。
途中、小型のドラゴンに襲われることもあったが、いまの彼の敵ではない。
音声案内「目的地まで到達しました。」
この付近は、比較的被害も少ないようだ、変わらない街並み、幼い頃に見た景色が広がる。
車を降り、あたりを見回す。
バベル「病院?」
この辺りに機能している病院はなさそうだが。
彼は、背後に気配を感じとった。
敵かもしれないが、ゆっくりと近づいてくるのが、手に取るように分かる。
彼は、間合いに入るまで、気づかないふりをして待つ。
バッ!
振り返り、瞬時に状況を把握し、一瞬で間合いを詰める。
老婆の手には、見慣れない武器があった。
用心して、腕をつかみ、その場に倒す。
老婆「待ってくれ!やっぱりそうだ!君は、バベルでしょ!」
バベル「俺の知り合いか?」
老婆は不思議そうな顔をする。
老婆「君も、クローンなの?」
バベル「クローン?」
話を聞くために、老婆を起こし、埃を払ってやる。
老婆は、バベルの左腕を念入りに触っている。
老婆「・・・。いや、オリジナルで間違いないはずだが。」
バベル「話が見えない。」
老婆「すまない。私は、個人で研究をしている、シチフクという研究者だ。」
老婆「君の左腕と心臓の移植をやった博士の娘になる。」
バベル「そうとは知らず、すまないことをした。」
彼の左腕は、見た目も触った感覚も、生身の腕と変わらない。彼以外に機械の腕だという事実をしる人間はいない。
しかし、こんな老婆の父だとすれば、移植の話も怪しい。罠にかけようにも、ホープがそんなミスをするわけがないと思わせる、安心させる為の策かもしれない。どちらにせよ、ホープは信用できない。そう思ったバベルは、警戒を解くことはやめない。
老婆「いいんだよ。同じくらいの年だし、父の最高傑作なんだから、胸をはっててよ。」
バベル「いや、それはない・・・。」
老婆「立ち話もなんだから、オリジナルに会っていくといい。」
そういうと、老婆は足早に、一軒家に入っていった。
アスカをこのまま車両に残すのは危険かもしれない。
そう直感した彼は、アスカを車内から降ろす。
そうしているうちに、先ほど老婆が消えていった家から、同じ顔をした女性が何人も出てきた。
年齢はそれぞれに違い、10代後半から、70代までいる。
バベル「どうなってるんだ?」
その女性たちの一番若い女性が一歩前にでる。年は、16~18といったぐらいだ。
女性「確かに、クローンではなさそうね。そこの女の人を治してもらいにきたんでしょ。」
バベル「治せるのか!?」
女性「ちゃんと見てみないと分からないけど、とりあえず研究所に運んでもらおうかしら。」
女性がそういうと、彼女以外の同じ顔が、アスカのメディカルマシーンを丁寧に運び始める。
バベル「君たちはいったい?」
女性「私がオリジナル。シチフク・パオよ。宜しく!」
そう言って手を差し出す。
バベル「私は、オリジナル、バベルだ。宜しく!」
そう返事をし、握手を交わす。
パオは不思議そうな顔をする。
パオ「立ち話もなんだから、中に入って。」
パオの動作が、デジャブする。
バベルの脳裏に一つの考えが浮かんだ。
バベル「パオ、一つ質問していいか。」
パオ「なに?」
バベル「・・・。」
バベルは、パオの顔を、じっと見つめる。
彼の瞳を見つめると、吸い込まれそうなほど、奥が深く輝いて見える。
パオ「な、なによ!」
パオの頬が赤く染まる。
バベル「君と結婚すると、将来は、ああなるんだろ。」
パオ「な!ならないわよ!」
パオは、足音を立てながら玄関に向かう。バベルも遅れないようについていった。
悪い人ではないことが分かった。
玄関をくぐると、普通の家のようだが、エレベーターがついている。
パオ「研究所は地下にあるの。行くわよ。」
そういって、エレベーターに乗り込むが、狭い。
エレベーターにはすでにアスカのメディカルマシーンが立てて乗っている。
バベル「なあ、パオ。アスカを先に運べばいいんじゃないのか?」
パオ「大丈夫よ。研究資材を搬入できるように、積載重量は500Kgだから。全く問題ないよ。」
パオ「それに、地下研究所には、クローンは入れないようにしてあるから、私たちで運ぶ必要があるの。急いで!」
バベル「いや、そういう問題ではなく・・・。」
パオ「君は行かないの?早くしてほしいんですけど。」
パオが不機嫌そうだ。仕方なさそうにバベルも狭いエレベーターに詰めて乗り込む。
エレベーターが動き出す。
パオ「あのー、君の顔、・・・近いんですけど。それに左肘が、おっぱいに当たってるんだけど・・・。」
ほら、思った通り。バベルはそう思った。
しかし、左腕は、残念なことに感覚がない。
だが、アスカの件もあるし、怒らせてはまずいだろう。バベルは謝ることにした。
バベル「すまない。気が付かなかった。」
パオが顔を真っ赤にする。
パオ「どういう意味よ!たしかに小さいけど、君よりは大きいはずだよ!」
そういって、バベルの胸を揉む・・・。
戦闘で鍛えられた胸板は、この数日で一回りも二回りも肥大していた。
これも、いつの間にか移植されていた、D細胞の効果なのか・・・。
パオ「お、お、男のくせに、なかなかやるじゃない!」
どうやらパオに勝利したようだ。
それ以上、パオは胸の件に触れないようにしていた。
エレベーターのドアが開く。バベルを突き飛ばすように、パオが出ようとするが、逆に弾き飛ばされる。
バベルは、パオが倒れそうになると、とっさにパオの腰に手を回し、体を支えた。
バベル「大丈夫だった?」
パオ「あの、・・・ありがと。」
お礼をすると、足早に奥に向かう。
バベルも、アスカをエレベーターから降ろし、後を追う。
~地下研究所~
思ったより狭い研究所だ。
バベルの知っている研究所といえば、自身の拠点である、バベル研究所、近くにあるソロモン研究所跡地といった大規模な施設を想像していた。
バベル「クローンとかも、ここで作ってるの?」
パオ「まさか、こんな所でできないよ。」
パオ「近くの病院が使われてなかったから、そこでやってるよ。」
パオ「今回は実験ではないし、病院は他の研究員や、D細胞を移植された兵士も、たくさんいるからね。」
バベル「そうなんだ。」
バベル「・・・D細胞?」
パオ「ん?どうした?」
バベル「いま、D細胞を移植された兵士って言わなかった?」
パオ「言ったけど、それがどうしたの?」
バベルは、パオに笑顔で抱き着く。
パオ「な、なに!?いったいどうしたの?」
バベル「病院に行けば、今の問題がすべて解決できる。」
パオ「問題?」
パオが首をかしげる。
バベル「そう、問題!パオがアスカを治療する。俺は、病院に行き人類を襲うドラゴンを駆逐するための同士を募る。これで問題はすべて解決。」
パオがあきれている。
パオ「あのね。バベルは、まだドラゴンに対峙したことがないから、分からないのかもしれないけど、D細胞を移植された部隊があっても、小型のドラゴンならまだしも、中型のドラゴンになると、歯が立たないんだよ。ましてや、大型のドラゴンなんて、日本中から生き残った兵士を集めたとしても、勝てるわけないじゃん。人類の数だって減ってるんだし。」
バベル「兵士の数をクローンで増やせたら?」
パオ「それは・・・、できるかも。」
パオがバベルの言葉でひらめく。
パオ「クローン兵なら、寿命は1週間程度になるけど、食事をとる必要もなくせるし、痛みを取り除くことだってできる!彼らを培養すれば、ドラゴンを殲滅できるし、ドラゴンを殲滅し終えれば、彼らも土に帰るし、一石二鳥だね!」
バベルの顔から笑顔が消える。
パオ「どうしたの?」
真顔になったバベルが答える。
バベル「やっぱり、やめよう。」
パオ「なぜ!いい案じゃない!」
バベル「パオ、たとえクローンだとしても、意思をもった一人の人間だ。敵であるドラゴンにだって意思はある。
それに、死を待つだけの短い命なんて、かわいそうだよ。いまいる兵士に声をかけて、有志を募ろう。」
パオの機嫌が悪そうだ。
バベル「それに、パオの読み違いもある。」
パオ「いったいなによ。」
バベル「俺は一人で、大型のドラゴンを駆逐できる。もちろん、無傷ではいられないけど。」
そういって、笑顔をみせる。
パオも、つられて笑顔になる。
パオ「それ、ほんと?まあ、先に彼女の様子をみてからにしよっか。」
パオは、冗談だと思っているようだ。
バベル「ああ、アスカを頼む。」
そういうと、バベルは、メディカルマシーンの蓋を開けた。
パオ「あっ!」
ガシャーン!
パオ「何してんのよ!」
またパオが不機嫌になる。
開けた蓋が、部屋の機材にぶつかり、怒られたのは言うまでもない。
~ to be continued
暗闇の中、車は走り続ける。
道路も崩れていて、かなりの時間を要した。
途中、小型のドラゴンに襲われることもあったが、いまの彼の敵ではない。
音声案内「目的地まで到達しました。」
この付近は、比較的被害も少ないようだ、変わらない街並み、幼い頃に見た景色が広がる。
車を降り、あたりを見回す。
バベル「病院?」
この辺りに機能している病院はなさそうだが。
彼は、背後に気配を感じとった。
敵かもしれないが、ゆっくりと近づいてくるのが、手に取るように分かる。
彼は、間合いに入るまで、気づかないふりをして待つ。
バッ!
振り返り、瞬時に状況を把握し、一瞬で間合いを詰める。
老婆の手には、見慣れない武器があった。
用心して、腕をつかみ、その場に倒す。
老婆「待ってくれ!やっぱりそうだ!君は、バベルでしょ!」
バベル「俺の知り合いか?」
老婆は不思議そうな顔をする。
老婆「君も、クローンなの?」
バベル「クローン?」
話を聞くために、老婆を起こし、埃を払ってやる。
老婆は、バベルの左腕を念入りに触っている。
老婆「・・・。いや、オリジナルで間違いないはずだが。」
バベル「話が見えない。」
老婆「すまない。私は、個人で研究をしている、シチフクという研究者だ。」
老婆「君の左腕と心臓の移植をやった博士の娘になる。」
バベル「そうとは知らず、すまないことをした。」
彼の左腕は、見た目も触った感覚も、生身の腕と変わらない。彼以外に機械の腕だという事実をしる人間はいない。
しかし、こんな老婆の父だとすれば、移植の話も怪しい。罠にかけようにも、ホープがそんなミスをするわけがないと思わせる、安心させる為の策かもしれない。どちらにせよ、ホープは信用できない。そう思ったバベルは、警戒を解くことはやめない。
老婆「いいんだよ。同じくらいの年だし、父の最高傑作なんだから、胸をはっててよ。」
バベル「いや、それはない・・・。」
老婆「立ち話もなんだから、オリジナルに会っていくといい。」
そういうと、老婆は足早に、一軒家に入っていった。
アスカをこのまま車両に残すのは危険かもしれない。
そう直感した彼は、アスカを車内から降ろす。
そうしているうちに、先ほど老婆が消えていった家から、同じ顔をした女性が何人も出てきた。
年齢はそれぞれに違い、10代後半から、70代までいる。
バベル「どうなってるんだ?」
その女性たちの一番若い女性が一歩前にでる。年は、16~18といったぐらいだ。
女性「確かに、クローンではなさそうね。そこの女の人を治してもらいにきたんでしょ。」
バベル「治せるのか!?」
女性「ちゃんと見てみないと分からないけど、とりあえず研究所に運んでもらおうかしら。」
女性がそういうと、彼女以外の同じ顔が、アスカのメディカルマシーンを丁寧に運び始める。
バベル「君たちはいったい?」
女性「私がオリジナル。シチフク・パオよ。宜しく!」
そう言って手を差し出す。
バベル「私は、オリジナル、バベルだ。宜しく!」
そう返事をし、握手を交わす。
パオは不思議そうな顔をする。
パオ「立ち話もなんだから、中に入って。」
パオの動作が、デジャブする。
バベルの脳裏に一つの考えが浮かんだ。
バベル「パオ、一つ質問していいか。」
パオ「なに?」
バベル「・・・。」
バベルは、パオの顔を、じっと見つめる。
彼の瞳を見つめると、吸い込まれそうなほど、奥が深く輝いて見える。
パオ「な、なによ!」
パオの頬が赤く染まる。
バベル「君と結婚すると、将来は、ああなるんだろ。」
パオ「な!ならないわよ!」
パオは、足音を立てながら玄関に向かう。バベルも遅れないようについていった。
悪い人ではないことが分かった。
玄関をくぐると、普通の家のようだが、エレベーターがついている。
パオ「研究所は地下にあるの。行くわよ。」
そういって、エレベーターに乗り込むが、狭い。
エレベーターにはすでにアスカのメディカルマシーンが立てて乗っている。
バベル「なあ、パオ。アスカを先に運べばいいんじゃないのか?」
パオ「大丈夫よ。研究資材を搬入できるように、積載重量は500Kgだから。全く問題ないよ。」
パオ「それに、地下研究所には、クローンは入れないようにしてあるから、私たちで運ぶ必要があるの。急いで!」
バベル「いや、そういう問題ではなく・・・。」
パオ「君は行かないの?早くしてほしいんですけど。」
パオが不機嫌そうだ。仕方なさそうにバベルも狭いエレベーターに詰めて乗り込む。
エレベーターが動き出す。
パオ「あのー、君の顔、・・・近いんですけど。それに左肘が、おっぱいに当たってるんだけど・・・。」
ほら、思った通り。バベルはそう思った。
しかし、左腕は、残念なことに感覚がない。
だが、アスカの件もあるし、怒らせてはまずいだろう。バベルは謝ることにした。
バベル「すまない。気が付かなかった。」
パオが顔を真っ赤にする。
パオ「どういう意味よ!たしかに小さいけど、君よりは大きいはずだよ!」
そういって、バベルの胸を揉む・・・。
戦闘で鍛えられた胸板は、この数日で一回りも二回りも肥大していた。
これも、いつの間にか移植されていた、D細胞の効果なのか・・・。
パオ「お、お、男のくせに、なかなかやるじゃない!」
どうやらパオに勝利したようだ。
それ以上、パオは胸の件に触れないようにしていた。
エレベーターのドアが開く。バベルを突き飛ばすように、パオが出ようとするが、逆に弾き飛ばされる。
バベルは、パオが倒れそうになると、とっさにパオの腰に手を回し、体を支えた。
バベル「大丈夫だった?」
パオ「あの、・・・ありがと。」
お礼をすると、足早に奥に向かう。
バベルも、アスカをエレベーターから降ろし、後を追う。
~地下研究所~
思ったより狭い研究所だ。
バベルの知っている研究所といえば、自身の拠点である、バベル研究所、近くにあるソロモン研究所跡地といった大規模な施設を想像していた。
バベル「クローンとかも、ここで作ってるの?」
パオ「まさか、こんな所でできないよ。」
パオ「近くの病院が使われてなかったから、そこでやってるよ。」
パオ「今回は実験ではないし、病院は他の研究員や、D細胞を移植された兵士も、たくさんいるからね。」
バベル「そうなんだ。」
バベル「・・・D細胞?」
パオ「ん?どうした?」
バベル「いま、D細胞を移植された兵士って言わなかった?」
パオ「言ったけど、それがどうしたの?」
バベルは、パオに笑顔で抱き着く。
パオ「な、なに!?いったいどうしたの?」
バベル「病院に行けば、今の問題がすべて解決できる。」
パオ「問題?」
パオが首をかしげる。
バベル「そう、問題!パオがアスカを治療する。俺は、病院に行き人類を襲うドラゴンを駆逐するための同士を募る。これで問題はすべて解決。」
パオがあきれている。
パオ「あのね。バベルは、まだドラゴンに対峙したことがないから、分からないのかもしれないけど、D細胞を移植された部隊があっても、小型のドラゴンならまだしも、中型のドラゴンになると、歯が立たないんだよ。ましてや、大型のドラゴンなんて、日本中から生き残った兵士を集めたとしても、勝てるわけないじゃん。人類の数だって減ってるんだし。」
バベル「兵士の数をクローンで増やせたら?」
パオ「それは・・・、できるかも。」
パオがバベルの言葉でひらめく。
パオ「クローン兵なら、寿命は1週間程度になるけど、食事をとる必要もなくせるし、痛みを取り除くことだってできる!彼らを培養すれば、ドラゴンを殲滅できるし、ドラゴンを殲滅し終えれば、彼らも土に帰るし、一石二鳥だね!」
バベルの顔から笑顔が消える。
パオ「どうしたの?」
真顔になったバベルが答える。
バベル「やっぱり、やめよう。」
パオ「なぜ!いい案じゃない!」
バベル「パオ、たとえクローンだとしても、意思をもった一人の人間だ。敵であるドラゴンにだって意思はある。
それに、死を待つだけの短い命なんて、かわいそうだよ。いまいる兵士に声をかけて、有志を募ろう。」
パオの機嫌が悪そうだ。
バベル「それに、パオの読み違いもある。」
パオ「いったいなによ。」
バベル「俺は一人で、大型のドラゴンを駆逐できる。もちろん、無傷ではいられないけど。」
そういって、笑顔をみせる。
パオも、つられて笑顔になる。
パオ「それ、ほんと?まあ、先に彼女の様子をみてからにしよっか。」
パオは、冗談だと思っているようだ。
バベル「ああ、アスカを頼む。」
そういうと、バベルは、メディカルマシーンの蓋を開けた。
パオ「あっ!」
ガシャーン!
パオ「何してんのよ!」
またパオが不機嫌になる。
開けた蓋が、部屋の機材にぶつかり、怒られたのは言うまでもない。
~ to be continued
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