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ニャン月ニャン日、はれ
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前回のあらすじ(ΦωΦ)
ぼくは不思議な棒の遊び方が分からず、棒の持ち主だった毛玉を頼ることにした。
毛玉は棒を手で抱きかかえ、足でキックキックしている。
その勢いは徐々に強くなり、毛玉はその場で回転を始めてしまうほどだった...。
毛玉は周囲の視線を感じたのか、ハッと何かに気づいた表情を見せ、我に帰ってキックキックを辞め、サッと起き上がる。
そして、持っていた棒をぼくの方にスーっと差し出すと、カッコいい表情で話し始めた。
「にゃにゃにゃぁ」
(コレが正式な使い方だにゃ。
俺は冷静だったから演技だけど、いまみたいに我を忘れるくらいに楽しむもんだにゃ。)
「え、なにー?
コテツちゃんが、とらに遊び方を教えてあげてたの?
コテツちゃん優しー♪」
「なんだろうね。
ホントに猫どうして会話をしてるっぽいね。」
「にゃにゃにゃぁ」
(俺のお手本通りに遊んでみろにゃ
コツは前足で、しっかりホールド!)
「にゃ?」
(何を言ってるのか、分からないニャン)
完全に我を忘れていたのに、冷静なフリをするほどプライドの高い毛玉。
ぼくなら、そんなこと絶対にないのになー。と、思いながらも言われた通りに、ぼくは手で棒を捕まえて、キックキックする。
思ったより楽しいけど、そこまで夢中になるもんでもなさそうだ。
「とらちゃん、まじ天使!」
「コテツちゃんより回転してるよー♪」
「にゃぁ」
(さすが、魚おもちゃの威力だにゃ)
「...にゃ」
(これ、いらない。)
冷静なぼくは、棒を手放し、パパのソファーで休むことにした。
しばらくゴロゴロと休んでいたら、毛玉はペットの友達のバックへと入れられる。
ぼくは起き上がり、忘れてある棒に気づく。
「にゃにゃーん」
(棒のヤツ、忘れてるよー)
するとカバンの中から、毛玉が叫ぶ。
「にゃー!」
(俺のおもちゃー!)
ぼくは棒を咥えて、毛玉の所まで運んであげた。
「にゃにゃーん」
(忘れ物を持ってきたよー)
「にゃ!」
(俺のおもちゃ!)
「とら、まだ一緒に遊びたかったんだね。
あきちゃん、また一緒に勉強するとき、コテツちゃんも連れてきてねー」
「おっけ。なんだか急接近したよね。」
「ほんとほんとー、いまも、魚の人形を持ってきて、遊ぼうにゃん♪って、言ってるんだよー。きっと♪」
「とらちゃんに気に入ってもらえて、よかった。
じゃあ、また明日ね!」
「にゃー!!!」
(俺のおもちゃー!!!)
バタン!
無情にも縄張りの壁が閉まり、壁の向こうから毛玉の泣き声が聞こえてくる。
なんとも後味が悪い一日になった。
ぼくは毛玉の棒を縄張りの外れに置いたまま、パパのソファーへと歩きだした。
「とらー、魚の人形を忘れてるよー
いじけなくても大丈夫だよー。
またコテツちゃん遊びにくるから、その時に遊んでもらおうね♪
とらも友達ができて、素敵な一日だったねー。」
「にゃにゃにゃ?」
(僕たちの話をちゃんと聞いてる?
何を言ってるのか、分からないニャン)
ぼくは不思議な棒の遊び方が分からず、棒の持ち主だった毛玉を頼ることにした。
毛玉は棒を手で抱きかかえ、足でキックキックしている。
その勢いは徐々に強くなり、毛玉はその場で回転を始めてしまうほどだった...。
毛玉は周囲の視線を感じたのか、ハッと何かに気づいた表情を見せ、我に帰ってキックキックを辞め、サッと起き上がる。
そして、持っていた棒をぼくの方にスーっと差し出すと、カッコいい表情で話し始めた。
「にゃにゃにゃぁ」
(コレが正式な使い方だにゃ。
俺は冷静だったから演技だけど、いまみたいに我を忘れるくらいに楽しむもんだにゃ。)
「え、なにー?
コテツちゃんが、とらに遊び方を教えてあげてたの?
コテツちゃん優しー♪」
「なんだろうね。
ホントに猫どうして会話をしてるっぽいね。」
「にゃにゃにゃぁ」
(俺のお手本通りに遊んでみろにゃ
コツは前足で、しっかりホールド!)
「にゃ?」
(何を言ってるのか、分からないニャン)
完全に我を忘れていたのに、冷静なフリをするほどプライドの高い毛玉。
ぼくなら、そんなこと絶対にないのになー。と、思いながらも言われた通りに、ぼくは手で棒を捕まえて、キックキックする。
思ったより楽しいけど、そこまで夢中になるもんでもなさそうだ。
「とらちゃん、まじ天使!」
「コテツちゃんより回転してるよー♪」
「にゃぁ」
(さすが、魚おもちゃの威力だにゃ)
「...にゃ」
(これ、いらない。)
冷静なぼくは、棒を手放し、パパのソファーで休むことにした。
しばらくゴロゴロと休んでいたら、毛玉はペットの友達のバックへと入れられる。
ぼくは起き上がり、忘れてある棒に気づく。
「にゃにゃーん」
(棒のヤツ、忘れてるよー)
するとカバンの中から、毛玉が叫ぶ。
「にゃー!」
(俺のおもちゃー!)
ぼくは棒を咥えて、毛玉の所まで運んであげた。
「にゃにゃーん」
(忘れ物を持ってきたよー)
「にゃ!」
(俺のおもちゃ!)
「とら、まだ一緒に遊びたかったんだね。
あきちゃん、また一緒に勉強するとき、コテツちゃんも連れてきてねー」
「おっけ。なんだか急接近したよね。」
「ほんとほんとー、いまも、魚の人形を持ってきて、遊ぼうにゃん♪って、言ってるんだよー。きっと♪」
「とらちゃんに気に入ってもらえて、よかった。
じゃあ、また明日ね!」
「にゃー!!!」
(俺のおもちゃー!!!)
バタン!
無情にも縄張りの壁が閉まり、壁の向こうから毛玉の泣き声が聞こえてくる。
なんとも後味が悪い一日になった。
ぼくは毛玉の棒を縄張りの外れに置いたまま、パパのソファーへと歩きだした。
「とらー、魚の人形を忘れてるよー
いじけなくても大丈夫だよー。
またコテツちゃん遊びにくるから、その時に遊んでもらおうね♪
とらも友達ができて、素敵な一日だったねー。」
「にゃにゃにゃ?」
(僕たちの話をちゃんと聞いてる?
何を言ってるのか、分からないニャン)
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