僕の異世界生活

谷 cyan

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2章 異世界へ来た僕の力

いよいよギルドへ

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僕達はその足でギルドに向かった。
また中央セントラルにもどって少し北に進むとギルドがある。
あまり遠くなかったのですぐに着いた。
ギルドの建物は大きく、重厚感のある観音開きの扉中は洋館のような造りになっているで利用者が多いのか開けっ放しにされている。
中に入るとザワザワと騒がしく、勇者や魔法使い、人形使いなど、もちろんサキュバスやマリアのような妖精なども居てかなり異世界を感じさせる。
というかここは異世界なんだから当たり前だけど…

なんというか、自分たちがちっぽけにみえてくる。

そんなことを思っているとシエルさんはスタスタと受付まで行っている。
「ちょっと…シエルさん!待ってくださいよ…」
案外歩くのが早いため僕は小走りをしながらついて行くと、優しく大人しそうな女の人がギルド申請のカウンターに座っている。
シエルさんは何の迷いもなくこう言う
「この少年のギルド登録を願いたいのだが…」
「はい、分かりました。それでは…こちらにサインと……」
とギルド申請担当の女の人が言うとレイヤの目の前に次々とブルーパネルが展開されていく。
「あっ…え…」
僕が混乱していると、女の人は親切に教えてくれた。
最後まで確認して、サインや説明が終わった後
「魔法属性の適性検査はしますか?」
と聞かれ
「大丈夫です。わからない方がドキドキして楽しいじゃないですか!」
僕は必死にやらないと否定した。すると案外普通そうに女の人は答えると
「そうですか。それではこの杖を…」
と差し出してきたのは箸のようにまっすぐな棒。
「これはあなたの成長と、個性杖が変わっていきます。楽しんでみてください。あ、私の名前…ミキって言います。ギルドに来たら声をかけてください。何か困った時はぜひ。」
何故かシエルさんが杖を受け取って、
「ありがとう、頼らさせてもらうよ」
そう言うとシエルさんは軽く礼をして僕の手を引き、その場から立ち去る。
「ちょっと…シエルさん!」
「どうした?」
「なんでそんなに急ぐんですか?」
「バレたら大変だろ!」
そう言うと路地裏に連れ込まれて杖を持たされる。
すると杖は形を変え木だったものが白く着色され、宝石の装飾が施されていく。
「わっ、わ…ちょ…」
「わかっただろ?そういう事だ…」
そう言うとシエルさんは僕のまた手を引いて今度はゆっくり歩き始める。

そういう…ことか、僕の魔力。そんなことを思っていると
「今日は疲れただろ?帰るぞ」
「あの…」
ボソッと話し始めたのは今まで黙っていたマリア。
「どうしたの?」
「いや、後でいいわ」
マリアはそう言うと、手を繋ぐ。
「今から帰るんでしょ、魔法を使うのよね?」
と微笑む。どうやら魔法が好きなようだ。
「あぁ、そうだな。大丈夫そうか?」
そう言うと行きと同じ魔法を呟く
「フェルスト…」
またもや目を閉じて開けた瞬間に店の近くに来ている。僕が不思議そうに思っていると、シエルさんは
「瞬間移動の魔法も近いうちに教えてやるから今日はもう遅いから休んでくれ。」
シエルさんが言った通り、僕が知らないうちに周りは夕焼けが広がっていた。


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