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Case04.
10.悪役令嬢を捨てた男の末路は
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「トーマス!」
マイケル様が言った。
「そのとおりだな。ステラが苦しい時に、側で助けたのはお前だ。俺は何もしなかった。ステラが断罪されて、社交界から姿を消した後に、必死に探せば良かった。ステラを探し出して、守ってやれば良かったんだ」
「マイケル」
パトリックさんがマイケル様を見た。
「ステラを頼む。俺の大事な、幼馴染みなんだ……」
マイケル様がパトリックさんに頭を下げた。
「マイケル」
パトリックさんは、主任の手を包みこんでから離すと、マイケル様に近づき、マイケル様に右手を差し出した。
「俺じゃ、力不足だけれど、彼女を泣かせないように、頑張るよ」
「ステラのために、職を探し歩いてくれたんだろう?ステラがトーマスを信頼しているのが分かるよ。これからも、ステラのこと宜しく頼む」
「あぁ。お前に頼まれたよ。約束する」
そう言って、パトリックさんとマイケル様は握手をした。
何?これ?
甘すぎない?
今まで読んだ悪役令嬢ものの中でも、すっごい甘いんですけど!!
身分の差を乗り越える愛!
そして友情!
売れる!売れるわっ!
マーガレット様に相談しないと……
「ジェシカ嬢。お嬢様に相談するのは……遠慮して欲しい……」
へっ??
マイケル様の声で私は我に返る。
今日の私、心の声、出し過ぎじゃない?
「は、はい。分かりました……」
残念!絶対売れると思ったのに!
「マイケル。私にとっても、あなたは大事な幼馴染みだわ」
主任はマイケル様の前に立って言った。
「私の事を、気にかけてくれてありがとう。嬉しいわ。私はこれからも食堂部の主任として頑張るから、あなたも頑張ってね」
「あぁ。頑張るよ」
「ウチのジェシカ・セシルはマーガレット様に迷惑かけてないかしら?」
えっ?なぜ?ここで私?
「ジェシカ嬢に会ってからのお嬢様は楽しそうでな。アレクサンダー殿下と仲良くなれたのも、ジェシカ嬢のおかげだと思っている。悪役令嬢の小説の話も、一緒にしたいのだそうだよ」
「そう。悪役令嬢ね」
そう言ってから、主任は笑った。
「ねぇ、知ってる?マイケル」
「何をだ?」
「巷に数多くの悪役令嬢の小説あれど、悪役令嬢が不幸のままに終わる小説は少ないのよ?」
「そうなのか?」
「そうよね?ジェシカ・セシル?」
だから、なんでここで私なんですか?主任!!
「は、はい。悪役令嬢は、ヒロインのせいで、婚約を破棄され断罪されるのが王道ですが、大抵は元の婚約者より良い男性が現れて、幸せになる話が多いです。また、大抵は、元の婚約者は後悔したり、不幸な目にあうのもお決まりです」
「ですって」
主任は楽しそうに笑った。
「マイケル。あなた、ジョージがその後、どうなったのか知ってる?」
「なんとなく。噂だけは聞いた」
「奥さんが産んだ、明らかに違う男の子どもを育てているらしいわね。それに、奥さんが散財した借金も抱えているそうよ」
そういうと、主任はマイケル様に手を差し出した。
「ずっとずっと、私の良き幼馴染みでいてくれたら、嬉しいわ。贅沢な願いかしら?」
「いや。俺の思い出の多くにステラがいる。これからも大事にしたいと、そう思うよ」
そう言って、マイケル様は、主任と握手をした。
これにて、一件落着。
のはず。
マイケル様が言った。
「そのとおりだな。ステラが苦しい時に、側で助けたのはお前だ。俺は何もしなかった。ステラが断罪されて、社交界から姿を消した後に、必死に探せば良かった。ステラを探し出して、守ってやれば良かったんだ」
「マイケル」
パトリックさんがマイケル様を見た。
「ステラを頼む。俺の大事な、幼馴染みなんだ……」
マイケル様がパトリックさんに頭を下げた。
「マイケル」
パトリックさんは、主任の手を包みこんでから離すと、マイケル様に近づき、マイケル様に右手を差し出した。
「俺じゃ、力不足だけれど、彼女を泣かせないように、頑張るよ」
「ステラのために、職を探し歩いてくれたんだろう?ステラがトーマスを信頼しているのが分かるよ。これからも、ステラのこと宜しく頼む」
「あぁ。お前に頼まれたよ。約束する」
そう言って、パトリックさんとマイケル様は握手をした。
何?これ?
甘すぎない?
今まで読んだ悪役令嬢ものの中でも、すっごい甘いんですけど!!
身分の差を乗り越える愛!
そして友情!
売れる!売れるわっ!
マーガレット様に相談しないと……
「ジェシカ嬢。お嬢様に相談するのは……遠慮して欲しい……」
へっ??
マイケル様の声で私は我に返る。
今日の私、心の声、出し過ぎじゃない?
「は、はい。分かりました……」
残念!絶対売れると思ったのに!
「マイケル。私にとっても、あなたは大事な幼馴染みだわ」
主任はマイケル様の前に立って言った。
「私の事を、気にかけてくれてありがとう。嬉しいわ。私はこれからも食堂部の主任として頑張るから、あなたも頑張ってね」
「あぁ。頑張るよ」
「ウチのジェシカ・セシルはマーガレット様に迷惑かけてないかしら?」
えっ?なぜ?ここで私?
「ジェシカ嬢に会ってからのお嬢様は楽しそうでな。アレクサンダー殿下と仲良くなれたのも、ジェシカ嬢のおかげだと思っている。悪役令嬢の小説の話も、一緒にしたいのだそうだよ」
「そう。悪役令嬢ね」
そう言ってから、主任は笑った。
「ねぇ、知ってる?マイケル」
「何をだ?」
「巷に数多くの悪役令嬢の小説あれど、悪役令嬢が不幸のままに終わる小説は少ないのよ?」
「そうなのか?」
「そうよね?ジェシカ・セシル?」
だから、なんでここで私なんですか?主任!!
「は、はい。悪役令嬢は、ヒロインのせいで、婚約を破棄され断罪されるのが王道ですが、大抵は元の婚約者より良い男性が現れて、幸せになる話が多いです。また、大抵は、元の婚約者は後悔したり、不幸な目にあうのもお決まりです」
「ですって」
主任は楽しそうに笑った。
「マイケル。あなた、ジョージがその後、どうなったのか知ってる?」
「なんとなく。噂だけは聞いた」
「奥さんが産んだ、明らかに違う男の子どもを育てているらしいわね。それに、奥さんが散財した借金も抱えているそうよ」
そういうと、主任はマイケル様に手を差し出した。
「ずっとずっと、私の良き幼馴染みでいてくれたら、嬉しいわ。贅沢な願いかしら?」
「いや。俺の思い出の多くにステラがいる。これからも大事にしたいと、そう思うよ」
そう言って、マイケル様は、主任と握手をした。
これにて、一件落着。
のはず。
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