上 下
131 / 176

134.ボーヴォ名物爆誕?

しおりを挟む
10時になり、寺子屋にはテオと宗長、ジャンとイザックがやって来た。

「おはようございます。アリシアさん、昨日はちゃんと寝られた?」
ジャンはアリシアに声をかけた。

「おはようございます。おかげさまで、しっかりと眠ることができましたわ」
「それは良かった」
ジャンはアリシアの返事を聞いて、安心した。

森から連れてきたはいいけれど、これからどうするべきかを悩んでいたのだ。


「みんな、おはよう!教室に入って」
ロナは皆に声をかけた。


「昨日、リヴァージュの湖へ同行してくれた皆さん、お疲れ様でした。今日は、昨日見て来たことをまとめてね、『リヴァージュ観光地化計画』の草案を作成して、マルタンさんに押し付けて、あとはマルタン商会にお任せしたいと思っていますので、ジャンは頑張って下さい」
「え~俺が?っていうか、昨日何を決めて来たんだ?親父も『忙しくなるからな』って言ってたけど」
ジャンはロナに言った。

「まぁまぁ。実現出来るかどうかなどは別にしてね、やりたいこと、希望要望をね、まずは出していきたいな~と思ってるから」
ロナは笑って言ったが、ジャンは苦笑いしている。


「あとは、アリシアさんね。昨日はゆっくり眠れたかしら?」
「はい。ありがとうございました」
「『リヴァージュ観光地化計画』では、貴族を対象に考えているから、貴族についての意見などをイザックさんと一緒に聞かせてくれたらいいなぁと思っているので、宜しくお願いします」

「は、はい。私で分かることなら……」
アリシアは戸惑いながら答えた。

「では、話し合いの前に、10時のお茶タイムです!今日は朝市に行って来たので、芋餅を作りました♪」
「えっ!芋餅!」
リナは立ち上がった。

「そうよ~生乳も手に入ったから、バターも作っちゃったわよ~」
「マジで!?ママ!神!母神様!」
急に大喜びするリナに、一同は困惑した。

「母さん、芋餅って何?」
「芋で、餅を作るのよ。とにかく、テオも手伝って~」

ロナとリナ、テオが厨房に消えて行く。
いつもの光景に、ジャンと宗長は馴れたようすだが、イザックとアリシアはどうしたものかという顔をしている。


「芋餅も、東の国の食べ物?」
ジャンは宗長に訊いた。

「芋を焼いて食べることはあるが、バターとやらは存ぜぬ」
「俺はバターは食べたことある。あれを作ったのか?ロナさんは何でもやるな」
ジャンは呆れ気味に笑った。


「お待たせ~芋餅をバター醤油で焼いたものだよ~緑茶と食べてみてね」
リナは芋餅を、テオはお茶を運んで来た。

「もし好評だったら、湖で売るわ!『ボーヴォ名物!バター醤油芋餅』の誕生よっ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

自由気ままな生活に憧れまったりライフを満喫します

りまり
ファンタジー
がんじがらめの貴族の生活はおさらばして心機一転まったりライフを満喫します。 もちろん生活のためには働きますよ。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!

モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。 突然の事故で命を落とした主人公。 すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。  それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。 「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。  転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。 しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。 そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。 ※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

貴方の隣で私は異世界を謳歌する

紅子
ファンタジー
あれ?わたし、こんなに小さかった?ここどこ?わたしは誰? あああああ、どうやらわたしはトラックに跳ねられて異世界に来てしまったみたい。なんて、テンプレ。なんで森の中なのよ。せめて、街の近くに送ってよ!こんな幼女じゃ、すぐ死んじゃうよ。言わんこっちゃない。 わたし、どうなるの? 不定期更新 00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

眠り姫な私は王女の地位を剥奪されました。実は眠りながらこの国を護っていたのですけれどね

たつき
ファンタジー
「おまえは王族に相応しくない!今日限りで追放する!」 「お父様!何故ですの!」 「分かり切ってるだろ!おまえがいつも寝ているからだ!」 「お兄様!それは!」 「もういい!今すぐ出て行け!王族の権威を傷つけるな!」 こうして私は王女の身分を剥奪されました。 眠りの世界でこの国を魔物とかから護っていただけですのに。

死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと

Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。

処理中です...