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25.私たちがいる世界について-1

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「テオ、私たちがこれから生きていくこの世界について教えて欲しいわ」
「俺が分かることなら」

「この村には何人くらい住んでいるのかしら」
「200人くらいだと思う」
「この村で一番えらいのは?」
「ジュールさんのお父さん」

「ジュールさんのお父さんよりえらい人知ってる?」
「隣町には子爵様がいて、その隣町には伯爵様がいて、あとは王都には王族様がいるってことくらい」

「ママ!きたよ!異世界っぽいよ!王国だよ~」
「ジュールさんのお父さんは?貴族様?」
「そう、男爵様」

「伯爵様って、辺境伯かな?」
「辺境伯様はウチの村の森の向こうにいるよ」
「きました!辺境伯!先代王弟の息子かな!」
「もしくは、王弟(下の弟)かもね~」
「「異世界って感じ~」」


「楽しそうだね。二人とも」
「「楽しい!」」

「テオ、この世界には魔法はある?魔力とか」
「ないと思う」
「貴族だけ、とか、王族だけとかでもいいけど」
「聞いたことないよ」

「じゃあ、魔石とか魔術師とか魔導師とか」
「知らないな」

「じゃあじゃあ、ゴブリンとかドワーフとかエルフとかそういう生き物はいる?」
「森の中に精霊がいるってことぐらいしか聞いたことない」


「当然魔物は…」
「いないよ」
「獣人なんかは」
「いない」

「「普通の世界なんだね」」

「…ママ、残念だったね、魔物討伐部隊のいない世界で」
「…国境警備隊ならいるかもだし」
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