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Case3.義妹が生贄に

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使者が我が家にやって来て言った。

「おめでとうございます。今回の花嫁に選ばれました」


継母は気を失い、父は唇を噛みしめた。

「花嫁に選ばれるのは……名誉なことである」
父は声をふりしぼるように言った。
大きな声で、自分に言い聞かせるように。

その声を聞きつけた義妹が、自分が花嫁に選ばれたことを知り、錯乱状態になって、家を飛び出した。


義妹は、私の婚約者のところに逃げ込んでいた。

「なんで、お前じゃなくて義妹なんだ!」
婚約者は私に言った。

「俺はお前との婚約を解消する。俺は義妹彼女を愛している。離れることはできない!」


数年に一度、花嫁と称して、生贄を捧げる。
そして、この国を守ってもらうのだ。
森の主神様に。


「あなたは、義妹と離れたくないのですか?」
「そうだ!」
「そのためなら、なんでもできますか?」
義妹彼女といられるなら、なんでもする!愛しているんだ」



その日、離してくれと泣き叫ぶ彼を、妹とふたりまとめてグルグル巻きにして森に運んだ。

離れたくないのだから仕方ない。
義妹は花嫁に選ばれたのだから仕方ない。
なんでもすると約束したのだから、仕方ない。
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