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42.水色についての情報操作
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私は知っているのだ。
悪役令嬢は公爵家での夜会で、破落戸たちに監禁されキズモノにされそうになるということを。
公爵家令嬢が破落戸たちに『夜会で水色のドレスを着ているのは婚約者だけだ』と伝えていたのだった。それで、水色のドレスを着ていた悪役令嬢を監禁するのだ。
『水色のドレス』は第二王子殿下の色。だから、婚約者である悪役令嬢だけが着れる色なのだ。
「今度の公爵家の夜会だけれども、公爵家令嬢に水色のドレスを着てもらうことはできないかしら……」
「「「水色のドレスですか?でも、侯爵家令嬢だけが着れる色ですよ?」」」
「ちょっとね、しなければならないことがあるのよ……」
「『水色のドレスを着ても良くなった』としてはどうですか?」
とモ3-3令嬢が言った。
「と、いいますと?」
「公爵家令嬢は、殿下と結婚することを諦めていない様子です。殿下の色である水色を着ても良いとなると、喜んで着るのではないでしょうか?」
今回の夜会。殿下が悪役令嬢に贈るドレスは黒らしい。
(宝飾店に大ぶりのアクアマリンのアクセサリーの注文があって、その時に合わせるドレスの色として聞いたのだ)
「なるほど……では、『水色を他の令嬢が着ても良くなったようだ』という噂と、『でも、やっぱり畏れ多いなから水色は遠慮しておきましょう』のふたつの噂を流してくれるかしら?」
「「「分かりました!」」」
そして学園では、『水色のドレスを着てもいい』という噂が広がり、令嬢たちが歓声をあげていたが、後から『やはり畏れ多いから、ドレスの水色は遠慮して、アクセサリーに水色を使うのはどうだろうか?』という噂がコッソリと広がった。
王都の各宝飾店では、水色のアクセサリーが飛ぶように売れているらしい。
-ツヅク-
悪役令嬢は公爵家での夜会で、破落戸たちに監禁されキズモノにされそうになるということを。
公爵家令嬢が破落戸たちに『夜会で水色のドレスを着ているのは婚約者だけだ』と伝えていたのだった。それで、水色のドレスを着ていた悪役令嬢を監禁するのだ。
『水色のドレス』は第二王子殿下の色。だから、婚約者である悪役令嬢だけが着れる色なのだ。
「今度の公爵家の夜会だけれども、公爵家令嬢に水色のドレスを着てもらうことはできないかしら……」
「「「水色のドレスですか?でも、侯爵家令嬢だけが着れる色ですよ?」」」
「ちょっとね、しなければならないことがあるのよ……」
「『水色のドレスを着ても良くなった』としてはどうですか?」
とモ3-3令嬢が言った。
「と、いいますと?」
「公爵家令嬢は、殿下と結婚することを諦めていない様子です。殿下の色である水色を着ても良いとなると、喜んで着るのではないでしょうか?」
今回の夜会。殿下が悪役令嬢に贈るドレスは黒らしい。
(宝飾店に大ぶりのアクアマリンのアクセサリーの注文があって、その時に合わせるドレスの色として聞いたのだ)
「なるほど……では、『水色を他の令嬢が着ても良くなったようだ』という噂と、『でも、やっぱり畏れ多いなから水色は遠慮しておきましょう』のふたつの噂を流してくれるかしら?」
「「「分かりました!」」」
そして学園では、『水色のドレスを着てもいい』という噂が広がり、令嬢たちが歓声をあげていたが、後から『やはり畏れ多いから、ドレスの水色は遠慮して、アクセサリーに水色を使うのはどうだろうか?』という噂がコッソリと広がった。
王都の各宝飾店では、水色のアクセサリーが飛ぶように売れているらしい。
-ツヅク-
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