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第34話 忍術使いニンニン
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黒羽黒斗 45PT
水面川ローザ 40PT
君内風華 35PT
御船美琴 35PT
*******
*******
*******
ごんぞう 27PT
金魚 4PT
フーン 2PT
壁に視線を向けると目線を感知して順位が表示される。
今のところ俺が一位、みんなも順調に上がっていた。
「竜よ、全ての力を解放せよおおおおおおおおおお」
渡り廊下では、ローザが小さな竜剣を巨大化させて戦っている。
……うらやましすぎる。
彼女の能力【想像で創造】は、脳内のイメージを魔力を通じて具現化するものだ。
もちろん限界はある。
普段から中二病っぽく話しているのは、能力の最大化の為でもあるだろう。
ただ何となくあのキャラをしてるわけじゃない。と、思う。
”お土産竜剣強すぎて草www”
”ブラックがいなくとも、ローザだけでこの強さ”
”いやいや他も負けてない”
”僕の推しはごんぞうくんです。頑張って!”
反対の廊下では、ごんぞうくんが大きな盾で疑似魔物を押し込んでいた。
大きな体躯から繰り出される力強い防御。
その合間から、金魚くんとフーンくんが攻撃と魔法を放つ。
攻守のバランスの取れたチームで、見ていて気持ちがいい。
だが――負けてられない。
「――第二チャクラ解放」
呪術は、陰陽術、忍術と親和性がある。
俺は――そのすべてを使える。
「千里眼」
”この子、前の一位の子だ”
”忍術を使えるのか”
”目が赤い!?”
すべてを見通すまでとは言わないが、ある程度の距離なら見ることができる。
以前、ブラックの状態でも使っていたが、呪術と相性が悪く消費が悪いので使わなかった。
だが今は違う。
俺は今、忍術使い――黒羽黒斗ニンニンだ。
「見つけたでニン」
”なんか変なキャラが爆誕してるww”
”サービス精神のいい男の子だ”
”おもしろいw”
そのまま俺は手裏剣に見立てた魔法を駆使しながら、見事一位を飾った。
――――
――
―
「黒羽黒斗、84PTで一位だ」
体育館、全員が息切れしている中、俺はいつも通りだった。
走り回るのはダンジョンで慣れている。
普通ならこんな授業はありえないだろう。
だが世の中はダンジョン全盛期、この試験や訓練は、後々自分の為にもなる。
俺と同じくダンジョンによく行く同級生たちも落ち着いていた。
「すげえ、やっぱ偶然じゃなかったのか」
「あいつ、ニンニン言ってたぜ」
「そうか、忍者だったのか。だから影薄かったんだ……」
後ろでは、陽キャ軍団が俺について話していた。
解釈一致しているみたいだ。
……ある意味良かったかもしれない。
そして二位は――。
「ごんぞう、60PT 前に」
「よっしゃああああああああああ!」
呼ばれたのは、まさかのごんぞうくんだった。
ローザたちも奮闘していたが、最後にデカいボスが現れて、ごんぞうくんが倒した。
「――黒斗、お前すげえな」
「ありがとう。でも、ごんぞうくんも」
「そんなことないぜ。俺は、ブラックさんに教えてもらったんだ。――強い漢のカッコよさを」
嬉しかった。
ごんぞうくんが、俺の事を話してくれているのか。
彼にはいつか話してもいいかもしれない。
登下校、ローザ、美琴、風華さんが褒めてくれた。
「流石だね、黒斗」
「ありがとう、でもみんなも凄かったよ」
「我の竜剣があああああああああ」
「やっぱりそれ、壊れるよね……」
ローザは、ボロボロになった竜剣を見ながら涙を流していた。
すると、風華さんがスマホを片手に声をかけてきた。
「お疲れ様。配信も盛り上がってたし、MVPはさすがだね。それにこれ、みてみて」
「ん? これって……俺?」
「ふふふ、これおもしろいでしょ」
見せてくれたのは掲示板だった。
のぞき込むと、凄くスレが盛り上がっている。
【令和の忍者黒羽黒斗ニンニンvs】どちらが勝つ? 01【最凶の呪術使いブラック】
……だ、大丈夫かなあ?
水面川ローザ 40PT
君内風華 35PT
御船美琴 35PT
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ごんぞう 27PT
金魚 4PT
フーン 2PT
壁に視線を向けると目線を感知して順位が表示される。
今のところ俺が一位、みんなも順調に上がっていた。
「竜よ、全ての力を解放せよおおおおおおおおおお」
渡り廊下では、ローザが小さな竜剣を巨大化させて戦っている。
……うらやましすぎる。
彼女の能力【想像で創造】は、脳内のイメージを魔力を通じて具現化するものだ。
もちろん限界はある。
普段から中二病っぽく話しているのは、能力の最大化の為でもあるだろう。
ただ何となくあのキャラをしてるわけじゃない。と、思う。
”お土産竜剣強すぎて草www”
”ブラックがいなくとも、ローザだけでこの強さ”
”いやいや他も負けてない”
”僕の推しはごんぞうくんです。頑張って!”
反対の廊下では、ごんぞうくんが大きな盾で疑似魔物を押し込んでいた。
大きな体躯から繰り出される力強い防御。
その合間から、金魚くんとフーンくんが攻撃と魔法を放つ。
攻守のバランスの取れたチームで、見ていて気持ちがいい。
だが――負けてられない。
「――第二チャクラ解放」
呪術は、陰陽術、忍術と親和性がある。
俺は――そのすべてを使える。
「千里眼」
”この子、前の一位の子だ”
”忍術を使えるのか”
”目が赤い!?”
すべてを見通すまでとは言わないが、ある程度の距離なら見ることができる。
以前、ブラックの状態でも使っていたが、呪術と相性が悪く消費が悪いので使わなかった。
だが今は違う。
俺は今、忍術使い――黒羽黒斗ニンニンだ。
「見つけたでニン」
”なんか変なキャラが爆誕してるww”
”サービス精神のいい男の子だ”
”おもしろいw”
そのまま俺は手裏剣に見立てた魔法を駆使しながら、見事一位を飾った。
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「黒羽黒斗、84PTで一位だ」
体育館、全員が息切れしている中、俺はいつも通りだった。
走り回るのはダンジョンで慣れている。
普通ならこんな授業はありえないだろう。
だが世の中はダンジョン全盛期、この試験や訓練は、後々自分の為にもなる。
俺と同じくダンジョンによく行く同級生たちも落ち着いていた。
「すげえ、やっぱ偶然じゃなかったのか」
「あいつ、ニンニン言ってたぜ」
「そうか、忍者だったのか。だから影薄かったんだ……」
後ろでは、陽キャ軍団が俺について話していた。
解釈一致しているみたいだ。
……ある意味良かったかもしれない。
そして二位は――。
「ごんぞう、60PT 前に」
「よっしゃああああああああああ!」
呼ばれたのは、まさかのごんぞうくんだった。
ローザたちも奮闘していたが、最後にデカいボスが現れて、ごんぞうくんが倒した。
「――黒斗、お前すげえな」
「ありがとう。でも、ごんぞうくんも」
「そんなことないぜ。俺は、ブラックさんに教えてもらったんだ。――強い漢のカッコよさを」
嬉しかった。
ごんぞうくんが、俺の事を話してくれているのか。
彼にはいつか話してもいいかもしれない。
登下校、ローザ、美琴、風華さんが褒めてくれた。
「流石だね、黒斗」
「ありがとう、でもみんなも凄かったよ」
「我の竜剣があああああああああ」
「やっぱりそれ、壊れるよね……」
ローザは、ボロボロになった竜剣を見ながら涙を流していた。
すると、風華さんがスマホを片手に声をかけてきた。
「お疲れ様。配信も盛り上がってたし、MVPはさすがだね。それにこれ、みてみて」
「ん? これって……俺?」
「ふふふ、これおもしろいでしょ」
見せてくれたのは掲示板だった。
のぞき込むと、凄くスレが盛り上がっている。
【令和の忍者黒羽黒斗ニンニンvs】どちらが勝つ? 01【最凶の呪術使いブラック】
……だ、大丈夫かなあ?
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