【R18】転生?した先は、リアルよりもHな世界でした。

N.M.V

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交易都市を後にして?

呆れた事に街中でH?

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気がつくと朝になってた。

命の液臭い小汚い古びたベッドの上で、ワタシはうつ伏せで、それも全裸で転がってた。

その両脇には、ワタシに抱きつき、これまた全裸のマティとケティ、それに服を着たままのサンまでもが眠ってる。

はぁ、ヘトヘトだわ。

ワタシは昨晩、マティとケティにくんずほぐれつ、レイプ気味に3PでHされた。

ワタシが皆を信用せず一人で突っ走ってしまったお仕置きという名目で、ケティに法具で尻責めされた。

やり過ぎ、痔になったらどうしてくれんのよ。

その場にはサンもいたけど、何故か彼女は観察するだけで、結局交わってこなかった。

エルフなのにね?

後で聞いてみたら、「シリにはキョーミない」と意味不明な発言。

???

そんなこんなで

眠る2人をその場で返り討ちにしたろうか?、と考えたけど、そんな体力も気力もない。それはまたの機会に取っておくことにします。

覚えてなさいよ二人とも。

ベッドを出て、服を着ていると、マティとケティも目を覚ました。サンはまだ寝たままだ。

「……おはよう」

ワタシは横目で恨みがましく睨んでみた

「おはようございます」

マティは和かに笑うと、素早く起き上がりベッドを降りると、ささっとメイド服を着始めた。

「……おはようエム姉」

一方のケティは目を擦りながら起き上がるけど、そのまま前に倒れ込んだ。

一卵性の双子なのに対照的。

「先に行ってるわよ?」

ワタシは、2人を待たずに先に外に出た。

……

天気がいい。

まぁそうね、清々しい朝だわ、尻の具合がおかしいけどね

ワタシは広場に向かっていると、マティが直ぐに追いついてきた。

「ケティは?」

「サンを起こしたら来ます」

そう言ってマティがワタシに腕を回してきた。

「マティー?」

「たまにはいいじゃないですか」

あんまり嬉しくない。

「そういうことは愛しのマッキー君にしなさいよ」

そう言うとマティが頬を膨らませた。カワイイ

「ここに今いない人です」

そう言ってワタシに回していた腕をキュッと力を入れてきた。

「…ははぁーん、わかった寂しいのね?」

「全然」

マティがスンとした顔で答えた。

あれー?

「アイツは自分勝手で、自分中心、ガキ大将で、ズルいんです」

「何よ嫌いなの?」

マティは頬を染めた。

「……嫌いじゃないです」

難しいわー

人は外見ではないけれど、なんであんなチンチクリンがいいのか、よくわからん。

「チンPが大きいからとか?」

「……エム姉は、どうしてすぐにそっちに話が行くんですか?」

「ビッチですので」

マティがため息をついた。

フム、普通ならここで馴れ初めとか聞くところなのでしょうけど、ワタシ的にはキモチいい相手かどうかなので、割とどうでもいい。

「で?、どうなのよ?、マッキーのHすごいの?、大っきいの?」

チンPの大きさは、肝っ玉や自信に比例するって言うけどね(自論)

「知りません!!」

「何を今更カマトトぶってるのよ?、男の良さはチンPの具合でしょ?」

マティはワタシから離れると首を横に振って更に深くため息をついた。

「エム姉って、ほんと最低ですね」

昨晩、ワタシを強姦した人が何を言ってやがりますか。

「それは褒め言葉と受け取っておくわ」

……


広場まで来たところで、ケティとサンも合流。

で……

「えーと、どんな状況?」

ワタシが周囲を見回しそう言うと、マティが半分冗談混じりに答えた。

「大量虐殺現場でしょうか?」

広場は、死屍累々。

いやいや、皆生きてますがな。

酒に酔い、皆下半身を晒し、全裸に近い状態で、男女入り乱れ、ほぼ全員寝っ転がっているわ。なんじゃこりゃ?

「ああ、コレはアレね、『乱交パーリー』」

あちらこちらの片隅では、まだ青姦してる奴がいる。そんな中に1人の女性を取り囲み、複数人で明らかにレイプしている連中がいる。

「アレ、ルナっちじゃない?」

ケティがそう言ったので、ワタシは目を凝らした。

女性は頭側から両腕を1人の男に押さえつけられ、もう1人に股を割られ、激しくファッキングされてる、更に2人がオナニながら順番待ち

あー、ほんとだ。

いやらしく笑う血走った目の男達に激しく輪姦マワされているのは、ルナリアだった。

「んああっ、んなっ、あっ…」

相当犯られまくられたのか、ルナリアは抵抗するのを失ってしまっていて、されるがままに悶え喘いでる。

朝っぱらから、街中でレイプとか怖いわ、この街はいったいどうなってんの?

甘ったるい酒の匂いに、生臭い命の液の匂い、そしてそれに混ざるように漂い香のは…

「魔香ね」

ワタシは手で口元を隠し、顔を顰めた。

だいぶ薄れてはいるけど、ジワジワと股間が濡れてくるのがわかる。

「ニクの仕業かしら?」

「これはニクさんじゃないですよ」

後ろから声をかけられ振り向くと、銀髪の見目麗しき少女。

「居たのねスノウ」

だけど、彼女からもふわりと命の液臭が漂ってくる。スッキリとしているというか、満足げというか…ジーっと見つめていると…

「なんですか?」

「何人とやったの?」

ワタシの問いにスノウはなぜか首を傾げた。

「好みの冒険者と意気投合したので、宿屋で朝までしっぽりと交わっただけです、相手方は一人ですよ」

しっぽりってアンタ……

「若い子?」

「ワタシの嗜好はご存知かと?」

このショタ喰い魔族め。

「それよりも……」

スノウの視線が、ルナリアのレイプ現場に向いた。

「ルナさんもそういう殿方と、しけ込んだのを見てましたが、どうしてあんな事に?」

それはワタシが聞きたい。

恐らくルナリアは、漂う魔香にやられてしまったのだと思う。

「うっ、あ、ああっ、いっひっ!!」

強めにガン突きされて、身をのけぞらずと、ガクガクと身震いして絶頂に行き果てるルナリア、男もチンPを引き抜きシゴキ、彼女の腹の上に命の液をぶっかけた。そしてまた別の男が、ルナリアをうつ伏せにすると、バックからチンPを挿入し、背中に覆いかぶさり、乳房を揉み上げながらファッキング。

再びルナリアは、身悶えする。

本当最低だわ。

「こんな所にいたら、肉便器にされかねないわ。ルナを回収して、こんな街さっさと出ましょう。朝食はその後ね」

「エム姉、水浴びしたーい」

ケティが手を上げそう言った

「ああそうね、そうしましょ」

「まず、をどうにかしてきますね」

笑うマティの額には青筋が立ってる。

「お願い、マティ」

マティとケティが、ルナリアを犯す野郎供を引っぺがすと、奴らのタマQを片っ端から踏み潰し、割れたザクロの様にさせてた。

男達のこの世の終わり的な悲痛な叫び。

さすがに見ているコッチも「ウッ」となった。

神聖術で元に戻せるとは言え、2人とも容赦ない。

まぁ、ワタシも同じ事するけどね。

……

ニクは、調達した荷車をワタシ達の馬車に連結し、既に出発の用意をして待っているくれてた。

「ルナリアさん、どうしたんですか?」

ケティにおぶられたルナリアを見て、ニクが眉根を寄せた。

「昨日の晩、男共を喰い過ぎて腰立たなくなったらしいわ」

と説明してやる。

「え?」

られたのよ!!」

ルナリアが顔を上げて、全力でツッコミ入れてきた。

彼女にしては珍しく、今回はKO。

普段はどんな目にあっても、終わればケロリとしているぐらいのタフさがあるのにね。

「似たようなもんでしょ?」

「ぜんっぜん、意味が違うわよ!」

「はいはい、どっちにしてもHし過ぎってことね」

「うぐっ…」

男知らずのニクが唖然としてる。

「フフフ、ニクもそのうちわかるわよ」

「嫌です、そんなの解りたくないです」

「キモチいいのに、痛いのは最初だけよ?、してあげようか?」

「結構です!」

「エム姉が、どんどんダメな人になってきてる」

ケティに呆れられた。

「え?、そぉ?」

昔からこうだけどなー



そんなこんなでワタシ達は、ある意味逃げるように街を出た。

ますば水浴びと朝食。

街で済ませてもよかったけど、何かと引き止めようとしてくるし、あの街の冒険者が酷すぎるので、とにかく街を離れたかった。

チェレスタには水の匂いを辿って貰い、まず川まで走って貰った。

兎に角水浴びしたいので、街道から外れた川辺を見つけると、そこで休憩兼遅い朝食。ニクが、街で食事を調達して荷物に積んでくれていた。

さすがナンチャッテ商人、出来る子ちゃんだわ

ありがたやー

水浴びをして、命の液と汗を洗い流す。

特にルナリアは念入りにね。

石鹸とか欲しいけど、そこまで贅沢は言わない。

それぞれ水浴びを済ませ、朝食にありつく。

美味しそうなバゲットと、鍋いっぱいの出汁の効いた肉のスープ、そして緑黄色野菜とチーズのサラダ。

標準的だけど、ナニコレ旨そう、ヤバす。

「どうしたのコレ?」

「地竜討伐後に衛士隊が皆の為に用意していた食事です。結果的に冒険者組合主催で祝勝会を始めたので、ので、譲り受けました」

そうかー、本当は衛士隊指揮の元で地竜を討伐し、慰労で振る舞う予定だった食事なのね。衛士隊もちゃんと考えてたのね。

「冒険者組合の祝勝会は、焼け残った地竜の脚が切り分けられて出てましたね、それ以外は酒だけでした」

と、スノウが説明する。

「そもそも衛士隊は祝勝会に参加してなかったわ、バツが悪かったのかしら?……あ、美味しい」

ルナリアはそう言って、温め直したスープを啜る。

「そうかもね」

開戦当初は衛士隊指揮により、いい感じで戦闘が進んでいたけど、最終的に、ここにいるワタシ達だけで討伐してしまった。結果的に冒険者だけで討伐した形になったので、衛士隊にしてみれば手柄を横取りされた感じで腹立たしい事この上なかったのでしょね。

そんな事抜きにして、共闘したことには変わりないのだから、質素だけどこの食事を祝勝会に出しておけば、お互いの意識は変わったと思うけど……

「衛士隊としての自尊心プライドが邪魔するのかしらね」

「でも、地竜を早々見つけたのも、迎撃準備、冒険者に呼びかけしたのも衛士隊じゃない、それがなければ街は消滅してたわよ?」

ルナリアの言う通りではあるんだけど……

スノウとニクがワタシの方をチラッと見てきた。

ワタシは小さく頷いた。

「地竜が意図的に呼び込まれたとしたら、どうする?」

「え?」

ルナリア、マティ、ケティが驚いた。

ワタシがまず説明する。

「衛士隊上級長のエドガー氏の目的は、地竜の持つ『魔石』、彼はソレを欲していた。魔石大好きニクちゃんが調べてくれたわ」

「魔石大好きは余計だよ、……あの街に来る前に、僕がいた商隊に極秘で魔石を入手したいって依頼があったんだ、でも当たり前だけど魔石なんてそんな簡単に手に入るものじゃないし、商人が手にする物は正規品、それ以外は非合法の裏取引になるんだ」

「どっちだったの?」

「詳しくは聞いてないけど、おそらく裏取引」

「ニクが受けたの?」

「違うよ、話しがあったのは商隊へ、それも商隊を抱える商会にではなくて、直接商隊にだよ?」

「それは変な話ね、それが衛士隊の依頼だったと言うこと?」

「依頼は代理人経由で、依頼元はわからなかったんだ、商隊も出所不明な依頼は危険だと受けなかったんだよ、報酬約束も胡散臭かったしね」

「話しが来たってことは、あの商隊はそう言ったことも請け負ってたの?」

「商人なんて皆そうだよ、綺麗事の業界じゃないからね」

人を騙して魔石を手に入れようとしていたニクが、良く言うなーとは思ったけど、そこは口にしない。

「でも、それと地竜とどんな関係があるの?」

ルナリアがそう問うた。

そこからはスノウが説明を始めた。

「地竜、それも『イシユミ竜』は、本来性格は温厚で、魔素溜まりに生息しています。その地を離れることはまずありません、限られた領域が生息域です。だから誘き寄せられた……という線が濃厚です」

「どうやって?」

「その前に、イシユミ竜の生態ですが、『要塞殺し』なんて異名を持ってはいますが、それは人が彼らの生息域を脅かしたからです。消して竜から近づいてくることはありません、それにイシユミ竜は半水生生物で、主食は魚です、人を含め動物を食べたりしません」

その情報に皆驚きを隠せない、ワタシも今知った。見た目は凶悪そうな形をして、攻撃力も半端ないのに、温厚?

なんじゃそりゃ

「信じられないかも知れませんが、魔族領には普通に沢山いますよ?」

まぁ濃厚魔素エリアだからねー

「スノウさんは魔族領に行ったことあるのですか!?」

ニクが驚いて身を乗り出してきた。

あ、そっかニクは、スノウが魔族だと知らないんだった。

「ええ、出身地ですから」

スノウがニコリと微笑んだ。

「え?」

おい、バラすなよ。

「ちょ、え?、出身地?、どういうことですか??」

スノウはニクの問いをスルーする

「ですので、地竜は何者かに呼び寄せられたと推測されます。では、誰が何のために、どうやってという話です、はいニクさんどうぞ」

スノウは手をかざし、説明をニクに振った。

ニクは、不満げな顔をしながらも説明する。

「……イシユミ竜は『魔石』によって誘われたと見てます」

「魔石!?」

また魔石かー

「魔石と言っても色々あります。今回使用されたのは恐らく地竜の物、それも同族たるイシユミ竜の魔石じゃないかと」

「!?」

ニクの説明にワタシ達は驚いた。でもそれだと目的は既に達してる、更に狩る理由は何?って話よね。

「イシユミ竜を討伐するために、イシユミ竜を狩ったという事???」

ルナリアがワタシ達の疑問を代弁してくれた。

「それが解であり、半分不正解です」

『はぁ?』

「それはですね……」

「見つけたぞ!、クソアマ共!!」

怒号を浴びせられ、ワタシ達は振り返った。

また出たよ。

熊スケ

憤怒に彩られ、殺気を撒き散らしてる

「こんな所まで追ってきて、そんなにルナリアとHしたいの?」

「用があるのはテメェだ!!」

ワタシが指差さされた。

「なんでよ、ワタシにダメ出ししたらしいじゃん」

「体の事じゃねーっ!!、地竜はな、俺達が討伐する予定だったんだ!、何もかも持っていきやがって!!」

熊スケ、何を言い出す、「予定だった」?

「挙句には、俺の徒党共を廃人にしやがって!!」

「そんな事したのエム?」

「覚えてないのよ、気がついたら皆壊れてたから」

ワタシは肩をすくめた。

熊スケの冒険者パーティーは、魔薬の勢いでワタシを激しくレイプしまくった、余りの事にワタシは意識を失い、次に気がついたら、皆精神が壊れてた。

「またやったのエム…」

またってアンタ……

「挙句の果てに俺は冒険者資格を剥奪された!、お前らのせいで、俺は全てを失った!!」

「はぁ??」

熊スケのやった事は卑劣極まりないけど、この世界は極度な男尊女卑、犯罪者でない限り、女を1人犯しまくった所で何の罪にも問われないというクソ仕様、であるならば……

「……アンタね、イシユミ竜を呼んだのは」

熊スケがニヤリと笑う。

徐に懐から何かを取り出し、ワタシ達の前にかざした。

『魔石』

けして大きくはないけど、手に収まるほどの大きさだわ。

「エムさん、恐らくあの魔石はイシユミ竜ののモノです」

スノウがワタシの側でそう言った。

「そうだ、イシユミ竜の子供を捕まえて狩ったのさ。街に来たのはそいつの親竜だ、街を襲えば、討伐対象になる、俺は地竜討伐の称号を、衛士隊は魔石を手にし、あの上級長は王都から功績が認められ、、俺達は栄光を手にできるはずだったんだよ!」

「タネ明かしありがとさん」

やっぱり衛士隊までグルだとは、最低すぎる。

手を出さなければ脅威ではない地竜、その子供を殺し魔石を奪い、親竜をブチ切れさせ、街を襲わせた。

それも全て、地竜討伐と言う称号と、親竜のの持つ極上『魔石』を手に入れんが為に。

なんて浅はかで、なんと身勝手な連中か。

こんな輩のために、街の住民は危険に晒され、ワタシはしなくてもいい殺生をせざるを得なかったとは。

消し飛ばす必要はなかった?、残念ながら、あの時点でイシユミ竜を追い返すことも、捕獲して止める選択肢もなかった。

コイツらの目論見は、イシユミ竜を怒らせた時点で既に破綻していた事になる。何故ならば、イシユミ竜は『自爆』寸前だったから。

魔素を蓄え、爆轟の炎を体内で燃焼させる。
その威力は街一つを消し飛ばす威力になったはずと、スノウ談

だからワタシは核となる魔石ごとイシユミ竜を葬った。

全ての元凶を作ったのが、熊スケ。

許すまじ。

「エム、アイツどうする?、冒険者でなくなったのなら、もはや山賊よ?」

「でも等級はAAよね?」

「その割には弱くない?」

「そうなのよね……」

熊スケは私達の前で何度も瀕死の目にあってきた。その度に復活しては、今のように姿を見せるタフさだけはAA

ん?

AA

「なんだ、どうした?、誰から俺に股を開くか相談か?」

ブチっ

「もう良いわ、ワタシが相手をするわ」

『え?』

「えっ?て何よ」

「また、アイツと交わる気なの?」

「そっちじゃないわよ!」

ワタシはウェポンコンテナから、ブロードソードを出した。

「テメェ、俺とやり合おうってーのか?」

「…ここまでワタシ達を追って来たって事は、アンタも覚悟を決めたんでしょ?」

「何の覚悟だ、テメェらは、これから俺が全員この場で犯して、そして殺してやるんだ、覚悟を決めるのはお前らだ」

まずは犯すんかい。

皆が武器を構えた。

「待って、ここはワタシ1人にやらせて」

「何を言ってるのエム!、あいつはAAよ!?」

「いいから黙って見ててルナ、皆も手出し無用」

「仰せのままに」

胸に手を当てお辞儀するマティ

「がんばれーエム姉」

親指を立てるケティ

「ダメだと思ったら、私が入ります」

物騒なスノウ

「あのヒトゾク、サオまずそう、いらない」

ワタシだって要らないわ、サン

「……エム、無茶しないでよ?」

不安げな顔をするルナリア、そしてニク。

ワタシは、ルナリアに微笑んだ。

「おアアアアアっ!!」

熊スケが吠える、戦士系特有のスキル、身体強化に、更に魔石を使って防御力を底上げしたわ。

「テメェは要らねぇ、全力で叩き潰してやる!」

「ワタシだって、短小チンPなんて要らないわ」

「俺のサオにヨガっていた奴が!」

はぁ?、ヨガってねーわ。

熊スケの戦闘スタイルは徒手空拳、拳闘士のようね。

「行くぞオラぁ!!」

ドンっと地面を蹴り、ワタシに肉薄して来た、一気に間合いを詰め、振り上げられた拳が唸りを上げてワタシの頭上から落ちて来た。

速っ……い?

ワタシはひらりと避けた、拳は地面を打ち据え、地面が陥没し亀裂が入る、そこから熊スケの怒涛の攻め、拳や蹴りが流れるようにワタシに襲い掛かる。

拳圧は凄い、凄いんだけどねぇ…

ワタシはそれをかわしまくった。

「ほお、俺の連撃を全部かわすかよ!」

熊スケは飛び退き、再び距離を取った。

「……えーと」

なんだろ、戦ってみたら熊スケの雑魚感が半端ない。

ナーブ砦の馬ゾウや、山岳回路のゴリ男の時のような、「戦って負けるかも」的な怖さがまるでない。

「俺はお前を侮っていたようだな、いいだろう、俺の奥義を見せてやる」

「奥義?」

ワタシは身構えた。

「この技を認識した瞬間、お前は死ぬ」

熊スケが股を開き、しゃがむ

え?、それって…

そして一度立ち上がると、両膝に手を置き『四股』を踏んだ。

スモウじゃん!?!?

『蹲踞』、『四股』、そして『仕切り』

じゃあ次に来るのは…

「うおおおおおおおおおっ」

そこで熊スケが吠えた、覇気が上がる、空気がビリビリと震えた。

「ふーんっ!」

頬を膨らませ、全身に力を入れると、ばっ!!と、熊スケの装備、服が一瞬で弾け飛び、全裸になった。

はぁっ?

熊スケがワタシをターゲットし、睨む。

その股間にぶら下がる短くて残念なチンPがムクムクと勃起するのが見えた。

どこからツッコミ入れていいのかわからん。

熊スケがゆっくりと右手拳を地面についた。

ニヤリと笑う熊スケ。

「エム気をつけて!」

と、ルナリアの意味のないアドバイス。何を気をつけろと?

熊スケが左手拳を地に着けた瞬間、奴の足元が爆発し、熊スケの右張り手が伸びてきた。

『立ち会い』

全てがスモウという、格闘技の一連の所作であり、ハッケヨイ、ノコッタ、である。

熊スケ必殺の『張手』の威力は十分、恐らくイシユミ竜さえも粉砕・吹き飛ばせるだけの破壊力を秘めて

でも、速度3倍増しの赤い人の格言を用いると…

「当たらなければどうという事はない」

って誰よ?

ワタシは身体を回転させ、張り手をかわしてすれ違った。

熊スケの体が宙を舞う、だけが…

ワタシの手に握られているのは、『禁断の大剣』

熊スケの体は、地面に激突し、転げ、内臓や地肉を撒き散らした。

仰向けに止まる、血走った目がこちらを見ていた。

「な、あ、な、んだ、なに、をした……」

スゲーまだ生きてる。ワタシは熊スケに歩み寄った。

「両断したのよ、流石にそこから復活はできないでしょ?」

ワタシは血塗られた大剣を振って、血糊を吹き飛ばした。

「ぐぶっ、お、れは、ふじみ、の、ベアデ……」

そこで熊スケはことキレた。

不死身のベアで?

「エム!!」

ルナリアがいち早く走り寄ってきた。

そして涙目でワタシに抱きついた。

「ちょ、何よルナ」

「馬鹿っ!、やられたと思ったじゃない!、一体どうやったのよ!?」

「はぁ?」

「確かにこの男の最後の一撃は、私達には見えませんでした。あの刹那にその剣を出して両断するとか信じられません」

と、スノウまでそんな事を言う

「え?」

まあ、確かに目で捉えられる速度ではなかったわね。でも何してくるのかわかれば……

……ああ、そうか、ワタシは熊スケの技を最初から見切っていたから対処できたのか。

「日頃の鍛錬の賜物ね」

とドヤ顔でうそぶいてやった

すると、何故か皆の目が冷たかった。

おいっ

……

熊スケの遺体をゾンビ化しないように弔い、街道脇に埋めてやったわ。

上下分離してるので、ゾンビ化しても脅威じゃないでしょうけどね。

冒険者資格は剥奪されたと言っていたけど、まだ持っていた証のタグを、埋葬した場所に突き刺した木の碑にぶら下げておいた。

「そういえばコイツ、死ぬ間際に『俺は不死身のベア…』なんとかって言ってたけど、ルナ知ってる?」

「『不死身のベアデアール』彼の通り名よ、冒険者等級AA、奴の徒党名は『モーリーノ』」

ちょっと待て、またそんなふざけた名前か。

「どうしたのエム?」

「なんでもないわルナ……」

ワタシはそこでふと気がついた。

「アイツを強者認定して、Hさせたワタシって……」

「ヤラレ損ですね」

スノウのツッコミ

オゥ、ノー!!

ワタシは頭を抱えた。

皆が笑いを堪えてる、ルナリアだけは呆れていた。

……

過ぎた事はしょうがない。

「そんな事よりよりも熊スケ…もといベアデアールの持ってたこの魔石ね」

「それちょっと貸して」

ニクがそう言って手を差し出してきた。

ワタシを含め、皆が無言でニクを見つめた。それに気づいてハッとするニク。

「……持ち逃げしたりしないよ!」

「ふふ、冗談よ、ハイ」

ニクは不満げな顔をするも、受け取った魔石を日の光の方向に向けてかざす。

「……この魔石は未登録品だ…やっぱり地竜の紋……ああ、粗雑で中途半端な防御の印が書き込まれてる……こんな凄い魔石を…もったいない」

「それって価値なしって事?」

「キズ物、砕いて使い捨てにしかできない」

「錬金術士って、そんな事までわかるのね」

「誰でもってわけじゃないよ、魔石に関しては勉強したから」

「偉い偉い」

ワタシはニクの頭を撫でた。

「馬鹿にしてる?」

「そんなわけないじゃん、専門知識を習得する事は大変なことよ?、第一人者になろうと思ったら、それこそ並々ならぬ努力が必要だわ」

そう言ってやると、ニクは満面の笑みで微笑んだ。一方で…

「エムがまともな事言ってる」

「エム姉らしくない」

「エムさん、何か悪いものでも拾って食べました?」

うるさいよ。

……
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