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ハヤミの彼女?

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店に戻ると、見知らぬキレイ系美人なお姉さんがカウンターのなかにいて、思わず息を飲んだ。

ハッキリとした目鼻立ちに、上品そうで、ちょっとキツそうな大人の女。

薄く茶色に染まったゆるふわな髪が、動きに合わせて静かに揺れる。

完璧なぐらいの、美人…

…え?

ハヤミさんの彼女?

お姉さんは、レナのほうをチラリと見ると、

「何?雇ったって、その子?」

食器を拭いていた手を止めた。

「…あ…レナです。よろしくお願いします…」

言いながら、つい、ハヤミのほうを見てしまう。

そして、

彼女いるなんて言ってなかったじゃん!

と、つい、つっこんでしまう。

ハヤミさんの彼女じゃないんだから、そんなこと、いちいち言われても逆にびっくりするけどさ。

でもさ、何かこう、いろいろあるじゃん?

心の準備みたいな?

そりゃあまあ、ハヤミさんはイケメンだし、この人は美人だし、付き合ったら美男美女なわけだけど…

ウダウダ考えていると、

「私はカナデ。よろしくね」

そう言ってレナに微笑みかけ、

「じゃ、私はこれで帰るわ」

そう言って、ハヤミとレナの隣を通過した。

ふわっと、甘くて重厚な匂いがした。

「あ、そう言えば…」

カナデが立ち止まって、ハヤミのほうを振り返る。

「今日も留守番中、誰もお客さん来てないから」

そう言って苦笑いし、

「こんなカフェ、閉めればいいのに」

そう続け、

「別に、そんな気にしなくても」

と、意味深なことを言う。

ハヤミは何も言わずにカウンターのなかに歩いて行くと、いつものように手を洗う。

何の反応も示さないハヤミを横目で見ながら、

「ごめんね、カタブツでしょ?」

カナデがレナに耳打ちした。

…ぅわっ…これは、彼女が言うやつだ…

「じゃ、頑張って」

カナデのそんな言葉と、ドアベルの音が混じり合って奏でたのは、不協和音だった。

なんだろう、このショックな感じ。

そりゃあ、顔はイケメンだけど、愛想悪いし鬼みたいなこと言うし、ハラスメントだし…

そんな別に、好きとかではないんだけど、好きとかでは…

1人ショックを受けているレナにはお構いなしに、

「何モタモタしてる?モニターつけろ」

ハヤミはカウンターでコーヒーを点てながら、レナに指図した。
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