【リベンジ】騙したアイツを許さない~裏切り男を社会的に抹殺します~

松原朱里

文字の大きさ
上 下
28 / 56

アオイの面接

しおりを挟む
「そういえば、アオイくん、イヤーカフしかつけてないみたいだったけど、潜入後の映像って見れたりするの?さっきは普通に、スマホで中継してたけど」

スムージーをおいしくいただきながら、ハヤミに疑問をぶつける。

「この前は、ニシジマがお前を襲おうとするかもしれなかったから、正面から鮮明な動画が撮れるようにヘアピンも仕込んだけど、イヤーカフにもカメラ機能あるから大丈夫だ」

「へぇえ…イヤーカフにも撮影機能が…」

と納得しかけて、

「ちょっと!そんなこと、聞いてない!」

レナは、思わず真っ赤になって立ち上がる。

そんなレナを冷めた目で見つめながら、

「おい、何か勘違いしてないか?別に俺たちは、お前の私生活に興味があるわけじゃないんだからさ、普通にオフにしてるよ」

そうザッと説明してから、

「お前が家に帰るときには、ちゃんとイヤーカフの機能はオフにしてあるから」

丁寧に説明し、「お前のほうでも電源はオフにできるから」と、イヤーカフの裏側に小さな突起があることを教えた。

そのとき、ハヤミの手が耳たぶや頬に触れてドキっとした。

…しかも…顔が…近い…

ぶわっと、顔中に全身の血が集結していくのがわかる。

嫌だ、どうしよう…

これ、絶対に顔、真っ赤だ…ヤバイ…

思いっきり目を閉じていると、

「おい、聞いてんのか?」

不機嫌そうなハヤミの声が聞こえて、ひとまず「あ、ありがとう」と誤魔化した。

やばい…

もう、心臓が爆発しちゃうよ。

レナは、ゆっくりと大きな深呼吸をして呼吸を整えた。

「お、アオイ、順調じゃん?」

ハヤミの声にモニターを見ると、ニシジマ、それから橋本、それから、面接官らしい男の3人が見える。

肝心のアオイの姿は、イヤーカフの死角になっているため映っていないが、3人は楽しそうな表情を浮かべていい雰囲気だ。

「それにしても、この映像、すごく鮮明だよね」

「当たり前だろ。うちで使ってる機械系の商品、全部、天才が作ってんだから」

「天才…?」

レナは聞き返したが、ハヤミはモニターを真剣な眼差しでみつめたまま、回答はなかった。

しばらくして、

「即採用だってー!」

と、ニシジマの会社から飛び出すように走り出てきたアオイが、スマホを片手に大はしゃぎ。

「お疲れ」

ハヤミがニヤリと笑い、

「今回の面接で、いろいろとわかったな」

そう言った。

「え、え?ええっ?何?何がわかったっていうの?」

レナが思わず立ち上がってがっつきながら尋ねると、

「うぜぇ、とにかく座れ」

本当にウザイという様子でレナを睨み、羊や牛を扱うような様子でイスに座らせた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ハメられ婚〜最低な元彼とでき婚しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
久しぶりに会った元彼のアイツと一夜の過ちで赤ちゃんができてしまった。どうしよう……。

真実の愛は、誰のもの?

ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」  妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。  だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。  ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。 「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」 「……ロマンチック、ですか……?」 「そう。二人ともに、想い出に残るような」  それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

処理中です...