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夜の街。入り組んだ路地裏が見下ろせる建物の屋上に戯藍は立っていた。激しくしたから吹き上げる風にざんばらに切られた髪がなぶられる。
『回答。ユーザー様、あまり気を抜くと落下しますと忠告。いくらユーザー様が人外じみた身体能力を有しているとはいっても骨折の危険、または死亡リスクは存在します。至急離れてください』
「わかった、わかった。考え事をしてたってのに…」
鬱陶しそうな声を上げて立っていた場所から離れると耳につけた無線機から音が入った。
『ぎーくん、こっちは準備できたよ』
「そうか。こっちも準備はできた」
『本当に一人で大丈夫なの?よっしーも一応待機させてるけど』
「問題ない。むしろあいつが顔を出すと連鎖的にバレる。お前の子飼いってのは知れ渡ってるし、そうなると俺が同室なのもわかるだろ」
『それもそっか。逃げ出す為のルートはシュレディンガーと協力して確保してあるけど油断はしないようにね。怪我のこともあるし、今多分余計にバレやすいよ』
「わかってるよ。一応長袖は着てるけど、それでも薄いしな」
戯藍はこの前の制裁の傷が治っていない。今だ血がにじむほど深い。ガーゼで保護して包帯を巻いている状態だ。手首というのは目に入りやすい。特に傷の手当てをした清水やら生徒会のメンバーやらに見られたら終わりだ。戯藍が伽藍だと見抜かれてしまう。
『回答。時間です、ユーザー様。綴様の情報が作用し始めました。〝ウロボロス〟、〝阿修羅〟同盟は目論見通り移動を開始したようです』
『こっちも確認できたっス。〝阿修羅〟の方は明王、ヤタガラス、迦楼羅の三人。幹部がここまで出張ってくるなんて…大規模抗争でも珍しいっスよ』
『付け加えますと〝ウロボロス〟側は青龍、朱雀、白虎に加え、リーダーである黒龍が双子の陰/陽を従えての参戦です。相当気合い入れてますね』
「マジかよ、やりすぎだろ」
『それだけ切羽詰まってるんじゃないの?今、第三勢力に向けて整えているんだし舐められないようにしてるんだと思うよ。圧倒的に叩き潰して戦意を削ぐ。割と普通のことだと思うけどな』
抗争状態ということか。つまり厳戒態勢の中、色々と暗躍しないといけない。
「これ、マジで本陣行くのやなんだけどお」
『回答。では回りくどくはなりますが簡単なものに設定し直しますか?』
「これが一番手っ取り早いからいいよ。はあ、なんでわざわざ敵の本拠地に行ってパソコン触らねばならんのか」
そう、三人が立てた作戦は「戯藍は仲間内にいるだろう作戦」である。
『回答。ユーザー様、あまり気を抜くと落下しますと忠告。いくらユーザー様が人外じみた身体能力を有しているとはいっても骨折の危険、または死亡リスクは存在します。至急離れてください』
「わかった、わかった。考え事をしてたってのに…」
鬱陶しそうな声を上げて立っていた場所から離れると耳につけた無線機から音が入った。
『ぎーくん、こっちは準備できたよ』
「そうか。こっちも準備はできた」
『本当に一人で大丈夫なの?よっしーも一応待機させてるけど』
「問題ない。むしろあいつが顔を出すと連鎖的にバレる。お前の子飼いってのは知れ渡ってるし、そうなると俺が同室なのもわかるだろ」
『それもそっか。逃げ出す為のルートはシュレディンガーと協力して確保してあるけど油断はしないようにね。怪我のこともあるし、今多分余計にバレやすいよ』
「わかってるよ。一応長袖は着てるけど、それでも薄いしな」
戯藍はこの前の制裁の傷が治っていない。今だ血がにじむほど深い。ガーゼで保護して包帯を巻いている状態だ。手首というのは目に入りやすい。特に傷の手当てをした清水やら生徒会のメンバーやらに見られたら終わりだ。戯藍が伽藍だと見抜かれてしまう。
『回答。時間です、ユーザー様。綴様の情報が作用し始めました。〝ウロボロス〟、〝阿修羅〟同盟は目論見通り移動を開始したようです』
『こっちも確認できたっス。〝阿修羅〟の方は明王、ヤタガラス、迦楼羅の三人。幹部がここまで出張ってくるなんて…大規模抗争でも珍しいっスよ』
『付け加えますと〝ウロボロス〟側は青龍、朱雀、白虎に加え、リーダーである黒龍が双子の陰/陽を従えての参戦です。相当気合い入れてますね』
「マジかよ、やりすぎだろ」
『それだけ切羽詰まってるんじゃないの?今、第三勢力に向けて整えているんだし舐められないようにしてるんだと思うよ。圧倒的に叩き潰して戦意を削ぐ。割と普通のことだと思うけどな』
抗争状態ということか。つまり厳戒態勢の中、色々と暗躍しないといけない。
「これ、マジで本陣行くのやなんだけどお」
『回答。では回りくどくはなりますが簡単なものに設定し直しますか?』
「これが一番手っ取り早いからいいよ。はあ、なんでわざわざ敵の本拠地に行ってパソコン触らねばならんのか」
そう、三人が立てた作戦は「戯藍は仲間内にいるだろう作戦」である。
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