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4章

4章39話 サリナの説得1 ♡マットプレイ

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「も、もう一度クラブに……? ど、どうして」
「どうしてって、あそこは普通に楽しい場所なんだから遊びに行きましょ。今晩のデートってことで」
「……」

 ついさっき沙月さんに、二度とあのクラブには立ち入るなと言われたばかりにこんな提案をされるとは思わなかった。

「すみません、今日はちょっと……」
「そう? じゃあ明日は?」
「明日、も……」
「今週末は?」
「……」

 もうあのクラブには行きません。
 そうサリナさんに言おうと思ってこの家に来たのに、こうなると切り出し方が分からなくなってしまう。

「何か行きたくない理由でもあるの?」
「それは……」
「バームホールでの一件で怖くなっちゃった? なら安心して、あそこは特殊な施設だから。普通に楽しむ分ならあのクラブは怖いことなんて何もないんだから」
「……」

 サリナさんの言うことも理解できる。
 バームホールは特別な有料のサービスを受けるためのクラブポイントを得るための施設だ。逆にポイントが必要なサービスさえ受けなければ入る必要はない。
 多分、サリナさんの言う通り本当に楽しい一夜になると思う。

“――いいか清太、もう奴らとは関わるな。これ以上は本当に取返しがつかなくなる。わかるな?”

「……」
 でも沙月さんの言葉が脳裏に蘇る。
 楽しいとか、そういう話じゃないんだ。もうあのクラブに立ち入ること自体が危険なことなんだ。

 ……もっと言うと、サリナさんとこれ以上一緒に暮らすことだって、沙月さんに言わせれば危険なことなんだ。

 今日はそのことについて話し合うつもりだった。
 でも、何か……サリナさんの方もかなり強くクラブへの来訪を推してくる。
 まるでサリナさんにも何か事情があるかのよう。

「……くんくん」
「サリナさん?」

 不意にサリナさんが僕の身体に鼻を近づけて匂いを嗅ぎだした。

「――エッチな匂い。もしかして誰かとセックスしてきた?」
「うぇ!? あ、あの……」
「もしかして、サキュバスに襲われちゃった?」
「……は、はい」

 サリナさんは深くため息を吐くと小さく頭を抱えた。

「……これは急いだほうがよさそうね」

 サリナさんは小さくそう呟いたあと、

「怖かったわね清太。よしよし」

 そっと僕を抱きしめてくれた。
 大きなおっぱいに顔をうずめる僕の頭を、優しくなでるサリナさん。

「酷いことされた?」
「酷い……というか」
「気持ちいいこと?」
「うぅ……」

 あれは逆レイプではあったけど、なんだかんだ僕も気持ちよく射精してしまったのは事実なんだよなあ……。

「お風呂入りましょっか。いろいろ流したいでしょ?」
「は、はい……」
「ふふ、一緒に入りましょ。私が綺麗にしてあげる」




「うっ♡ ふぅ……♡ うぅっ♡」
 サリナさんに連れられて浴室に入った僕は、今朝の続きとばかりにまたサリナさんにマットプレイをしてもらっている。
 今回はローションじゃなくてボディソープで身体の汚れを洗ってくれている。

 サリナさんの柔らかな肌がヌルヌルと僕の身体を滑る度に、全身にいやらしくも幸せな感触が広がっていく。

「君、これ好きよねー」
「気持ちいい、です……♡ うぅ……♡」
「乳首もいい感じに開発されてきてるし、お尻なんて初めから素質あったもんね。ほら♡」
「あうううう!♡」

 サリナさんの指や舌が僕の敏感な部分を順番に刺激していく。
 あぁ……無理だぁ。こんな快感を捨てるなんて無理。
 サリナさんから離れて、サリナさんにもうこんなことしてもらえなくなる生活なんて……嫌だ。絶対嫌だ。

 沙月さん、ごめんなさい。
 せっかく助けてくれたのに。忠告してくれたのに、僕はもうサリナさんから逃げられない。
 でもせめてクラブに行くのだけはなんとか我慢して……!

「クラブなら、何人でも同時にマットプレイできるわよ」

 まるで心の隙間に潜り込むようなサリナさんの誘惑に、ドキッと肩を震わせる。

「私だけだと複数個所を同時にっていうのは無理だけど、クラブでならやり放題よ」
「そ、それは……」
「クラブにはいろんな施設があってね。ここよりずっと大きなお風呂もあるのよ。そこに二十人くらいキャストを呼んで、代わる代わる奉仕させたりしたら楽しそうじゃない?」

 そんな現実味のない話も……僕にはハッキリと想像できる。
 バームホールで何十人ものサキュバスに群がられた経験があるから……。

「いろんなおもちゃもあるのよ。私はあまりそういうのを使うのは好みじゃないから使ってなかったけど、あれはあれでいいみたいよ」
「サ、サリナさん、そこ……ッ♡」
「全身の性感帯を同時に別の人に舐めさせるのはどう? 私だけじゃ絶対できないエグイプレイ、楽しめちゃうわよ」
「ま、待って、サリナさん、僕、もう……!」

 おちんちんにグニグニと押し付けられたいろんなお肉の感触で射精しそうになったとき……サリナさんはピタリと動きを止めた。

「出したい?」
「だ、出したいですぅ♡」


「クラブなら最高に気持ちいい射精できるわよ」


「サ、サリナさん……?」

 今まで僕のお願いはなんでも聞いてくれたサリナさんが、初めて僕を焦らすような目でニヤリと笑った。

「それまで、射精はお預けにしよっか♡」

“――だが実際のところ、やつらに魅了された男は女からの要求を拒めない。行為中の昂った状態にでも話を持ち掛けられたら、まず無理だ。実質的に物事の主導権は全て奴らにある”

 そのとき、そんな沙月さんの言葉が脳裏をよぎった。

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