お伽話 

六笠 嵩也

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第三章

3-15

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言いたいことを口の中でもごもごとすり潰しながら鈴虫は二人に背中を向けると、パッと着物を広げて肩に羽織った。その赤い衣の下でゴソゴソと肌を見せぬように気を付けて着替える。

「現身様ぁ~!なぁんで、背を向けておるんだ。ほれほれ、襟を合わせて差し上げよう。」

「…ん、もう、できた。これでいいのか?」

鈴虫は項結いの髪をスルッ…と襟から引き抜きながら振り向いた。

「…ハァ…ぁぁぁ…なんと愛らしいんだ!なんという眼福!夢が一つ叶いました…」

「……ゆめ?」

「左様、初めて現身様をお見掛けした時からその白雪の如く美しい肌には真っ赤な御衣裳が映えると思っておりました。あぁ…なんて、なんて…愛らしいんだ。」

「おらに赤いの着せるのが、えらい人の……ゆめ?」

鈴虫は不思議そうな顔をして更に聞き返した。

「そう、現身様は花の精のような愛らしさを持っていらっしゃいます。赤い衣をまとった姿は…そう、白い雪に紅梅の花びらを散らしたようです。きっと藤色を纏えば藤の花、純白ならば百合の花となるのでしょう。現身様が美しく装って傍に居て下されば、まさにその場が浄土!色とりどりの御衣裳を着て見せていただければ、その一枚一枚で身共の夢が一つ一つと叶ってゆくようなもの。そう、身共の願いは現身様を手元に置いて贅の限りを尽くした暮らしをさせる事です。」

「あぁ…ナンカイフダラクジョウドってやつか?おらに贅沢させるのがえらい人の夢なのは分かった。でも、贅沢すんのがおらの幸せかって言われると…わかんねぇ。でも…コウバイ?それがゆめなら……ひとつ、叶って良かったな。」

鈴虫が皮肉のつもりの言葉を投げかけると嘉平が余計な事を言うなという顔をして睨んだ。鈴虫にはその態度もまた気に食わない。それ以上の言葉を封じる代わりに鈴虫はツンと口を尖らせて嘉平を睨み返した。

「じゃ、もういいか?おら、痩せ過ぎだから食って寝て太らなきゃダメなんだって。横になりたいからあっち行ってよ!」

「そんな素っ気ない事を言わないで下され。せっかくですからもう一枚着替えては下さいませんか。その山吹色の腰紐に合いそうな藤色の御衣裳も差し上げたんですよ。ご覧になられたかな?きっとお似合いになられますよ。」

「……うぅん、お父様ぁ…おら…」

嫌だな…という言葉に代えて嘉平の目を上目遣いに見詰めている。嘉平にも鈴虫が嫌がっているのは分かっている。しかし、客間に山ほど届けられた色とりどりの美しい着物が手付かずのまま放置されている。その事に少々後ろめたさを感じていないわけでもないし、珍しく色の付いた衣装を纏った鈴虫が思った以上に可愛らしい。せっかくだから「えらい人」の権威を借りて、もう一枚くらいなら嘉平も着せてみたいような気がしてきた。

「藤色のですね?本当にもう一枚だけですよ。母屋に取りに行ってまいりますので外でお待ち下さい。戸を開けてはいけませんからね!」

「チッ、閉めなくても良かろう!わかっておる、勝手はせん。」

そうは言っても、嘉平はこの場を離れる事に躊躇した。嘉平がこの場を離れると鈴虫が一人で残されることになってしまうからだ。本来ならば南京錠を掛けなければならないのだが、母屋にしまってあるので嘉平の手元には無い。
辺りを見渡すと馬を繋いだ傍に大八車があり、その近くに従者が二人控えて居る。堂までは少し距離があるとはいえ、鈴虫一人に対して三人の大人では敵う訳がないので心配だ。
嘉平が視線で三人を行ったり来たりと控え目に牽制していると、従者の二人が察しを付けて嘉平に頷いて見せた。その半ば呆れた表情からして、主が暴走した場合は冷静に止めに入ってくれると言う意味なのだろうか。
決して信用したわけではないが、従者二人掛で見張っていてくれる。それに、ペロペロの旦那は噛付き男とは違っていきなり危害を加えるような事はした事は無いという実績はある。
色々と迷った挙句に嘉平は三人にもう一度念を押してから鍵を掛けることなくその場を離れた。

戸の向こう側では鈴虫が気怠そうに立ち尽くしていた。つい今さっきお妙に溜息を吐くなとたしなめられたばかりなのに深い溜息が出る。鈴虫としては着せ替え人形を演じるよりも、この時間を護符を仕上げるのに使いたかった。それなのに押し切られるような形で相手の要求を飲まなければならない。やはり力の無い者は結局は言いなりになるしかないのだろうか。そんな不満が胸の辺りで渦巻いている。

程無くして嘉平が藤色の着物を携えて戻ってきた。童心に還ったかのように目を輝かせて堂の戸の前で待ち構えている中年男とは裏腹に、戸を開けると堂の中には不貞腐れた鈴虫が立っていた。

「……これ、か?これ、フジイロって言うのか…フジってどんな花だろう…」

「現身様は藤の花を見た事がござらんか。それはそれは美しい花ですぞ。たくさんの小さな花が集まって房のように垂れ下がっているのです。良い香りもいたします。花咲く時期が来ましたら一枝献上いたしましょう。さ、お願いいたします。」

「…う、うん。わかった。フジ、見てみたい。…約束してね。」

鈴虫は、塀の外の世界には色々な花があるんだろうな…なんて、ぼんやりと考えながら着物を受け取った。いくら言葉て説明されても垂れ下がる房のような花の枝なんて想像もつかない。芙蓉の花と菊の花、そして一度だけ見た月見草。もう一度見たいと心から願う花さえ好きなように見に行く自由も無いのに、花の精の様だなんて言われても本当は嬉しくもない。新しく知った藤の花への興味はあるが、面倒臭いなぁ…これが本音だ。

その心が行動に現れてか、鈴虫は無造作に腰紐を解いて着ていた赤い着物を脱いだ。

「はぁぁぁぁぁぁっ!う、う、う、う、う、現身様ぁ!!!」

「……?」

「お、おい、コラッ!!!すず…じゃない、現身や!駄目じゃないか!早く肌を隠しなさい!」

「……あ?…そか、うっかりした。もぅ…めんどくさいなぁ。」

鈴虫は小さな声で文句を垂れながら背中を向ける。

白い肌に一筆、墨で描いたかのように黒髪が影を落とす。そして、しなやかな腰、その下には小振りな尻朶、そして真っ直ぐな細い脚。鈴虫本人は全く意識をしていないが、その艶めかしさは天賦のものである。その気の無い者であっても思わず劣情を掻き立てられてしまう程の美しさなのに、一度その味を知ってしまっている男が反応しない訳が無いだろう。

ただ熱狂的にその愛らしさに歓喜していた男の目の色に僅かな変化が生まれた。

「いやいや、そのままもっとこっちへ!近くで御体を見せて下され!あぁ!身共が贈った下帯を使って下さっていたとは有り難き幸せ!はぁぁぁっ、ちょ、ちょっとで良いので前袋の具合を見せて下され!あぁぁぁぁ~ッ!もう、その可愛いお臍をペロペロさせて下されぇ~!!!」

「だ、旦那様、おへそ?…おへそッ!?ですか!」

「かみなり様か?…おら、食いもんじゃねぇし。あ、でも、この下帯の花の模様は綺麗だから気に入ってるよ。ありがとね。」

鼻息荒く興奮した旦那をよそに、鈴虫はさっさと藤色の着物を着こんで振り向いた。これで機嫌よく笑顔を見せてくれれば文句無しなのだが、そう易々と機嫌が直るわけも無く、ツンとして目も合わせない。

「はぁぁぁぁぁぁっ!美しい!なんて美しいのじゃ!思った通りじゃ!現身様はまさに花の精である。ほれ、お前たちにも見せてやろう。見るだけ!見るだけだぞ!」

自分の見立てがいかに良いかを誇示せんがためか、あるじに遠慮して繋いだ馬のもとから離れず遠目に覗き見ようとしていた従者二人を手招きして呼び寄せた。

「誠でございますな、旦那様!あんまり興奮すると鼻血が出ますよ。あぁ、でも、こんなに愛らしいとは!」
「そこらの百姓女よりも遥かに美しい。何でございましょう、淡い紫が映えるような白い肌が神々しい…」
「そうであろう!高貴な生まれの女子でもこのような神々しさを持つものはなかなか居らん。この目に狂いは無い。見よ!我が目に狂いは無いのじゃ!」

大八車を牽いてきた二人の従者と雁首並べて止めどなく囃し立ててくるが、鈴虫はどう反応してよいのやらわからす眉間に皺を寄せて突っ立っている。確かに上等な生地で作られた着物の肌触りは心地良い。しかし、自分がどのような姿なのかなんてわからないし、ちっとも面白くない。段々と険しくなってゆく鈴虫の顔色を見て、嘉平もそろそろ限界を感じていた。

「も、もうそろそろご勘弁を。現身も困っておいでですよ。」

「いや、嘉平殿、待たれよ。現身様、最後のお願いで御座います。どうか、あと三枚、身共が差し上げた御衣裳を着てみては下さいませんか。現身様がいつも着ている生成色ではなく白百合の如き純白と、初夏を思わせる若草色、そして…そうですねぇ…橙色も愛らしいでしょう。はぁぁぁ…想像するだけでよだれが出そうです。」

「でも、現身も疲れてきた様子ですし…あまり体の丈夫な子ではないのはご承知でしょう。無理をさせて寝込まれても困るのでご勘弁ください。」

「嘉平よ、そう申すな。身共が何度此方へ通い詰めたと思っておる?何度も通ってようやく願いが叶ったのだぞ。頼む!これで今日は最後にするから。着て下さると言うまで絶対に諦めん!絶対に帰らん!いいか、絶対に帰らんからな!」

鈴虫が呆れ果てて大人たちの顔を見渡す。ギラギラと目を輝かせて迫る「えらい人」を立場の弱い嘉平が追い返せる勝算は少ない。このままではいくら理由を付けて断っても執着心の強いペロペロの旦那様は引き下がらないだろう。確約をとって早く終わらせた方が解放への近道かも知れない。そんな気がしてきた。

「…いいよ、お父様。…早く終わらせよう。」

「本当に、本当に、これが最後で御座いますよ。もう追加は駄目ですからね。絶対ですからね。」

「あぁ、分かっている。あと三枚で今日のところはおいとま致す。そのようにお約束いたそう。」

嘉平もまさか再度着替えを要求されるとは思っていなかったので南京錠を持って来なかった。三枚も探し出すとなると先程よりも手間がかかる。しかし、まあ、無理強いされるような事があれば鈴虫も声を上げて助けを求めるだろう。
嘉平は先程と同じように三人に決して戸を開けないように確約をとって母屋へと着物を取りに行った。

嘉平が母屋へと戻る背中を見送ると直ぐにペロペロの旦那様が戸越しに鈴虫に話しかけて来た。年齢の割に純粋な恋心を打ち明けようというのか、面倒臭さに負けて警戒心が弱まった鈴虫に対して良からぬ下心があるのか、その両方であるのかはよく分からない。邪魔者が居ない間に少しでも鈴虫に取り入ろうとしているのは明らかだ。

「現身様、今日は本当に嬉しゅうございました。顔色からしてあまり喜んでは下さっていないのは感じ取りました。しかし、本当に美しい現身様の姿を見る事が出来て幸せでした。あ、あのぉ…現身様?宜しければ…もう一度、その藤色の着物を召した姿をお見せ願えませんでしょうか。」

「…えぇッ…だぁめ。お父様が開けちゃダメって言ってたでしょう?」

「まぁ、左様ですが…藤の花の精のようなお姿をもう一度目に焼き付てたいのです。嘉平殿が戻られるまでの僅かな間で御座います。せめて、袖から覗く愛らしい指をもう一度だけ見せて下され。」

「…えぇ?指が見たいの?……手、だけだよ。中に入っちゃダメだからね。」

「あぁ、絶対に中には入らん。現身様がご厚意で我が夢を叶えて下さろうと言うのに嘘など吐かぬ。」

「うそついたら…もう……」

「もう?」

「もう…うぅんとねぇ…お父様に言い付けちゃう!」

「左様か、宜しい!身共が嘘を吐いたならば嘉平殿へ言い付けて構いませんぞ。」

「…ん、じゃ、ほんとに袖口までだよ…」

戸越しに言葉を交わしているうちに、佐吉と話した夢語りが鈴虫の頭を過る。佐吉の夢はまだまだ形を成さない程に遠いけれど、この「えらい人」の夢ならば鈴虫の少しの我慢で叶えられるのかも知れない。
鈴虫も完全にこの男を信用したわけではない。しかし、自分自身でもよく分からない夢と言う漠然としたものがどのようにして叶うのか、夢が叶うと人はどんな風に感じるのだろうか、誰かの夢が叶うのを見てみたい、そんな気持ちが鈴虫には少しだけあった。

それは単なる好奇心だったかも知れない。
堂の戸を静かに開き鈴虫が手を差し伸べた。

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