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精霊の国
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「あ、おかえりなさい!」
そう言いながらこちらへ走ってきたのは、我が子の様に大事な子、ヴィリネリアである。
「遅かったね。いつもの魔獣では無かったの?」
そう聞いてくるヴィリネリアにどう答えるべきか分からなかった。
「ちょっと...ね。明日話すわね。」
それだけ言うと何かを察したように、いつもより遅いということに、触れなかった。
その代わり今日1日何があったのかを話してくれた。
そして、
「お母様にあげたいものあるの、これ!受け取ってもらえる...?」
そう言って差し出したものは...
「まぁ...綺麗ね、どうやって作ったの?このネックレス」
それは燃えるような赤色をした石のネックレスだった。
「 ふふ、秘密。って言いたいけど、教えてあげるっ。
サラとスノの力を借りたの。サラの力は火でしょう?その力の色と、スノの力によってできた石を合わせたの。」
「どう?綺麗?上手くできたと思ったのだけれど...」
そこでチラッと見上げてこちらを伺う。
「とても綺麗だわ、ありがとう。とっても嬉しい、毎日つけても?」
目をしっかりとみて、そう伝えれば嬉しそうに笑った。
「ええ!もちろん!付けてくれるのが1番嬉しいわ!」
そう言って立ち上がった。
「私片付けしてくるね。お母様、疲れてるようだからゆっくり休んで?」
私が、食器を片すのを察知し、先回りして片付けられていく。
本当はこんなことしなくていい身分なのに...。と、その姿を見ていた。
ボートしているように見えたのか、ヴィリネリアは最終的にシリアーネを部屋まで連れていった。シリアーネは考えた。ヴィリネリアに国王に言われたことをどう伝えるべきか。
考えている時、ふとヴィリネリアの銀髪が目に浮かんだ。
あの銀髪はウォルティア譲りでとても綺麗だなと思った。
次第に瞼が下がってきて、目に映った銀色を懐くしく思っていた時、ヴィリネリアのものでは無い声が聞こえた。
それはとても心地よく、懐かしい声で何故か涙が出てきた。
ウォルティアと初めて出会った時は確か今日みたいに国王に呼び出された時だった。
過去に思いをはせながらシリアーネは眠った。
そう言いながらこちらへ走ってきたのは、我が子の様に大事な子、ヴィリネリアである。
「遅かったね。いつもの魔獣では無かったの?」
そう聞いてくるヴィリネリアにどう答えるべきか分からなかった。
「ちょっと...ね。明日話すわね。」
それだけ言うと何かを察したように、いつもより遅いということに、触れなかった。
その代わり今日1日何があったのかを話してくれた。
そして、
「お母様にあげたいものあるの、これ!受け取ってもらえる...?」
そう言って差し出したものは...
「まぁ...綺麗ね、どうやって作ったの?このネックレス」
それは燃えるような赤色をした石のネックレスだった。
「 ふふ、秘密。って言いたいけど、教えてあげるっ。
サラとスノの力を借りたの。サラの力は火でしょう?その力の色と、スノの力によってできた石を合わせたの。」
「どう?綺麗?上手くできたと思ったのだけれど...」
そこでチラッと見上げてこちらを伺う。
「とても綺麗だわ、ありがとう。とっても嬉しい、毎日つけても?」
目をしっかりとみて、そう伝えれば嬉しそうに笑った。
「ええ!もちろん!付けてくれるのが1番嬉しいわ!」
そう言って立ち上がった。
「私片付けしてくるね。お母様、疲れてるようだからゆっくり休んで?」
私が、食器を片すのを察知し、先回りして片付けられていく。
本当はこんなことしなくていい身分なのに...。と、その姿を見ていた。
ボートしているように見えたのか、ヴィリネリアは最終的にシリアーネを部屋まで連れていった。シリアーネは考えた。ヴィリネリアに国王に言われたことをどう伝えるべきか。
考えている時、ふとヴィリネリアの銀髪が目に浮かんだ。
あの銀髪はウォルティア譲りでとても綺麗だなと思った。
次第に瞼が下がってきて、目に映った銀色を懐くしく思っていた時、ヴィリネリアのものでは無い声が聞こえた。
それはとても心地よく、懐かしい声で何故か涙が出てきた。
ウォルティアと初めて出会った時は確か今日みたいに国王に呼び出された時だった。
過去に思いをはせながらシリアーネは眠った。
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