24 / 26
エピローグ
1
しおりを挟む
午前三時十六分。俺たちはホテルを出た。腕を組んで……。
ほとんど、人通りのない商店街を腕を組んで歩く。カツカツと夏芽のハイヒールの音が響いている。
「お兄ちゃん……私さあ……」
「ん……?」
「幼稚園の頃、お兄ちゃんのお嫁さんになりたかったんだよ?」
「俺もだよ」と言いたかったけど、声が出なかった。
「で、私の結婚が決まったとき、一番喜んでくれたのはお兄ちゃんだったよね? ああ、お兄ちゃんと本当の兄妹じゃなかったらなあ……って、ずっと思ってた」
夏芽が星空を仰いで言った。
「……えっ?」
「嬉しかったよ。私……お兄ちゃんが私のお兄ちゃんで……」
「なあ、ゴメンな……」
ふうっと息を吐きだして、俺は小さな声で詫びた。妹の婚約者にヤキモチを焼いていたことも……。
夏芽の顔が左右に動いた。
ほとんど、人通りのない商店街を腕を組んで歩く。カツカツと夏芽のハイヒールの音が響いている。
「お兄ちゃん……私さあ……」
「ん……?」
「幼稚園の頃、お兄ちゃんのお嫁さんになりたかったんだよ?」
「俺もだよ」と言いたかったけど、声が出なかった。
「で、私の結婚が決まったとき、一番喜んでくれたのはお兄ちゃんだったよね? ああ、お兄ちゃんと本当の兄妹じゃなかったらなあ……って、ずっと思ってた」
夏芽が星空を仰いで言った。
「……えっ?」
「嬉しかったよ。私……お兄ちゃんが私のお兄ちゃんで……」
「なあ、ゴメンな……」
ふうっと息を吐きだして、俺は小さな声で詫びた。妹の婚約者にヤキモチを焼いていたことも……。
夏芽の顔が左右に動いた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる