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夏のキャンプ

第七章

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「じゃあ、杏奈もお兄さんのことを好きになればいいじゃない」

美咲は提案した。

「えっ!?」

杏奈は驚いて言った。

「そうよ。お兄さんは杏奈のことを好きだし、私はもうお兄さんのことを好きじゃないし、杏奈はお兄さんのことを嫌いじゃないでしょ?だったら、二人で幸せになればいいんだよ」

美咲は明るく言った。

「でも……でも……」

杏奈は困惑した。

「でもって何?私は全然気にしないから。むしろ応援するよ。杏奈が幸せになれるなら、私も嬉しいんだから」

美咲は笑って言った。

「本当?」

杏奈は不安そうに言った。

「本当よ。私は杏奈の親友だもん。親友の幸せを願わない親友なんて、親友じゃないでしょ」

美咲は強調した。

「美咲……」

杏奈は感動した。

「だから、杏奈。お兄さんのことを好きになってあげて。私もお兄さんも、それが一番嬉しいんだから」

美咲は懇願した。

「私……私……」

杏奈は迷って言った。

「どうか、答えてください」

美咲は切実に言った。

「私……私……」

杏奈は涙がこぼれそうになった。自分の気持ちがわからなかったし、美咲の気持ちもわからなかった。

「私……私……」

杏奈は押され気味に言った。

その時、花火が大きく爆発した。空に広がる花火の光が二人を照らした。

「私……私……」

杏奈はついに答えた。

「わかりました。お兄さんのことを好きになってみます」

杏奈は決心した。

「本当?やった!ありがとう!」

美咲は喜んで杏奈を抱きしめた。

「えへへ、これで夏休みが楽しみになったね」

美咲は笑顔で言った。

「うん」

杏奈も笑顔で返した。しかし心の中では、不安と期待が入り混じっていた。
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