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隣人
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気がつけば五〇〇ミリの缶ビールが空いていた。畠山も同じだった。
優子は全てを打ち明けた。修一の浮気のこと。キスマークをつけて帰ったこともあること。
いつの間にか溢れた涙が頬を滑っていた。
「ご……ごめんなさい、私ばかり……話してた……」
「あの、…………」と、畠山が言ったあと、彼の顔が近づいた。
「あ……」冷たい唇が涙が滑る優子の頬に触れた。子宮がキュンと鳴いた。畠山の唇はすぐに離れた。
「ああ、僕、ぼく……つい……ああ、ごめんなさい、ごめんなさい」
息苦しいくらいに、優子の心臓が強く打っていた。身体が震えていた。
小さなグラスの奥の畠山の目を見た。色素の薄い彼の瞳の中に優子が映っている。彼の顔を引き寄せた。冷たい唇に優子の唇を重ねる。舌先で、彼の舌を探った。彼の舌先が優子の舌に絡みつく。泡立つ唾液を交換し合う。
:
「畠山さん、また会っていただけませんか。今度は……」
「はい、ぜひ……」
畠山が玄関を開けた。
「ちょっと……」
畠山の首すじに唇を寄せた。
ちゅぱっ……。
「うっ……」
畠山の声が歪んだ。
「ありがとう……」
優子は畠山の首すじについた〈桜の花びら〉を指先で撫でた。
優子は全てを打ち明けた。修一の浮気のこと。キスマークをつけて帰ったこともあること。
いつの間にか溢れた涙が頬を滑っていた。
「ご……ごめんなさい、私ばかり……話してた……」
「あの、…………」と、畠山が言ったあと、彼の顔が近づいた。
「あ……」冷たい唇が涙が滑る優子の頬に触れた。子宮がキュンと鳴いた。畠山の唇はすぐに離れた。
「ああ、僕、ぼく……つい……ああ、ごめんなさい、ごめんなさい」
息苦しいくらいに、優子の心臓が強く打っていた。身体が震えていた。
小さなグラスの奥の畠山の目を見た。色素の薄い彼の瞳の中に優子が映っている。彼の顔を引き寄せた。冷たい唇に優子の唇を重ねる。舌先で、彼の舌を探った。彼の舌先が優子の舌に絡みつく。泡立つ唾液を交換し合う。
:
「畠山さん、また会っていただけませんか。今度は……」
「はい、ぜひ……」
畠山が玄関を開けた。
「ちょっと……」
畠山の首すじに唇を寄せた。
ちゅぱっ……。
「うっ……」
畠山の声が歪んだ。
「ありがとう……」
優子は畠山の首すじについた〈桜の花びら〉を指先で撫でた。
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