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隣人
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凛華が帰宅してから、夕飯の支度が始まる。その日はカレーライスだった。凛華も料理を手伝った。
「ママ、風邪よくなった?」
凛華の小さな手のひらが優子の額に触れる。
「うん、ママは凛華のお陰で治ったわ。ありがとう」と優子が言ったあと「凛華、人参、洗って……」と優子は人参を数本、凛華に渡した。
「うん、洗って、人参の皮を向けばいいのね?」
凛華は人参を洗ってから、ピーラーで丁寧にその皮を削ぎ始めた。
:
「凛華、お隣りの畠山のお兄ちゃんも呼んで来ようか?」
優子は出来上がったカレーを少し小皿に取り、味見をしながら凛華に言った。
「じゃあ、私、呼んでくるねっ……」
:
:
「ごちそう様でした」
畠山は手を合わせたあと、「ああ、美味しかったlと白い歯を見せ、喉を鳴らして水を飲み干した。
「お兄ちゃん、カレー……凜華も手伝ったのよ。ね、ママ?」
ダイニングテーブルのカレーライスと野菜サラダは、綺麗になくなっていた。
「畠山さん、毎日、きちんと食べてる? バランスも考えて食べなきゃダメよ」
ピンポン……。インターホンの呼び出し音が鳴った。
「パパだ!」
凜華が玄関に駆けて行った。すぐに、凜華は修一と手をつないでダイニングに入る。
「凛華、そろそろ寝ましょうね」と優子が言ったあと、「あなた、お隣りの畠山さんと、一緒にご飯を……」
「うん、ああ、家内と娘がお世話になっています。また、一杯……」と修一が缶ビールのプルトップを引く仕草をしたあと、「今日は少し疲れてるので、風呂に入ってから寝るよ」と言って部屋を出た。
――今日も……。
「ふう……」
優子が小さなため息をついた。
「畠山さん、お時間あります? もし、よろしかったら一杯お付き合いしていただけません?」
優子は冷蔵庫から缶ビールを二本取り出した。
「ママ、風邪よくなった?」
凛華の小さな手のひらが優子の額に触れる。
「うん、ママは凛華のお陰で治ったわ。ありがとう」と優子が言ったあと「凛華、人参、洗って……」と優子は人参を数本、凛華に渡した。
「うん、洗って、人参の皮を向けばいいのね?」
凛華は人参を洗ってから、ピーラーで丁寧にその皮を削ぎ始めた。
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「凛華、お隣りの畠山のお兄ちゃんも呼んで来ようか?」
優子は出来上がったカレーを少し小皿に取り、味見をしながら凛華に言った。
「じゃあ、私、呼んでくるねっ……」
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「ごちそう様でした」
畠山は手を合わせたあと、「ああ、美味しかったlと白い歯を見せ、喉を鳴らして水を飲み干した。
「お兄ちゃん、カレー……凜華も手伝ったのよ。ね、ママ?」
ダイニングテーブルのカレーライスと野菜サラダは、綺麗になくなっていた。
「畠山さん、毎日、きちんと食べてる? バランスも考えて食べなきゃダメよ」
ピンポン……。インターホンの呼び出し音が鳴った。
「パパだ!」
凜華が玄関に駆けて行った。すぐに、凜華は修一と手をつないでダイニングに入る。
「凛華、そろそろ寝ましょうね」と優子が言ったあと、「あなた、お隣りの畠山さんと、一緒にご飯を……」
「うん、ああ、家内と娘がお世話になっています。また、一杯……」と修一が缶ビールのプルトップを引く仕草をしたあと、「今日は少し疲れてるので、風呂に入ってから寝るよ」と言って部屋を出た。
――今日も……。
「ふう……」
優子が小さなため息をついた。
「畠山さん、お時間あります? もし、よろしかったら一杯お付き合いしていただけません?」
優子は冷蔵庫から缶ビールを二本取り出した。
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