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朝シャン
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チッ、チッ、チッ……。壁掛け時計の秒針が進む音で、優子は目を開いた。顔を上げる。ドレッサーの鏡に腫れぼったい自分の顔があった。床には優子の蜂蜜を纏ったロータが転がっている。
――アノあと、寝ちゃったんだ。
午前四時三十七分。カーテンから見える外はまだ暗い。時々、通るバイクの音は新聞配達のバイク。どこかの遠くで救急車のサイレンが聞こえる。
ベッドに目をやる。修一はスヤスヤと眠っている。アラームの時間は六時だ。修一が目を覚ます時間には少し早すぎる。
優子は大判のタオルで身体に纏い、バスルームに入った。
「ふうっ……」
優子がシャワーを終えると、ベッドルームのドアが開いた。
五時四十五分。
まだ、目覚まし時計は鳴っていないはずだ。トイレから出た修一はペタペタとバスルームに入った。
――修一さんが朝からシャワー?
修一は夜に風呂に入ることや、服を脱ぐことさえ面倒な性格だ。スラックスのときはともかく、ジャージ姿のときなどジャージ下、トランクス、靴下と、それはまるで昆虫の脱皮のようだ。
優子はベッドルームを覗いた。いつも枕元に置いてある彼のスマートフォンがなかった。修一はスマートフォンに頓着しないのだが。
――スマホ、出掛けるときによく忘れるのに……。洗面所に?
――アノあと、寝ちゃったんだ。
午前四時三十七分。カーテンから見える外はまだ暗い。時々、通るバイクの音は新聞配達のバイク。どこかの遠くで救急車のサイレンが聞こえる。
ベッドに目をやる。修一はスヤスヤと眠っている。アラームの時間は六時だ。修一が目を覚ます時間には少し早すぎる。
優子は大判のタオルで身体に纏い、バスルームに入った。
「ふうっ……」
優子がシャワーを終えると、ベッドルームのドアが開いた。
五時四十五分。
まだ、目覚まし時計は鳴っていないはずだ。トイレから出た修一はペタペタとバスルームに入った。
――修一さんが朝からシャワー?
修一は夜に風呂に入ることや、服を脱ぐことさえ面倒な性格だ。スラックスのときはともかく、ジャージ姿のときなどジャージ下、トランクス、靴下と、それはまるで昆虫の脱皮のようだ。
優子はベッドルームを覗いた。いつも枕元に置いてある彼のスマートフォンがなかった。修一はスマートフォンに頓着しないのだが。
――スマホ、出掛けるときによく忘れるのに……。洗面所に?
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