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トニックシャンプーの匂い
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「ほら、こんな所でしゃがむなよ。おいっ」
中年男の声が吐くように言った。
コロ、コロン……。
白杖の音が遠ざかった。
「ああ、すみません。すみません……」
夕子は何度も頭を下げた。視力が弱い者にとって白杖はその者の目だ。
目の前が真っ暗になった。
「すみません、すみません……」
と言う声と共に、あのトニックシャンプーの匂いが近づく。
「あの……」と、肩を軽く叩かれた。
「僕に掴まって……」
聞き覚えのある声だ。すうっと身体が浮き上がる。確かにこの駅で助けてもらった男性だ。
夕子は男性に引かれた。
すっと歩が進む。
中年男の声が吐くように言った。
コロ、コロン……。
白杖の音が遠ざかった。
「ああ、すみません。すみません……」
夕子は何度も頭を下げた。視力が弱い者にとって白杖はその者の目だ。
目の前が真っ暗になった。
「すみません、すみません……」
と言う声と共に、あのトニックシャンプーの匂いが近づく。
「あの……」と、肩を軽く叩かれた。
「僕に掴まって……」
聞き覚えのある声だ。すうっと身体が浮き上がる。確かにこの駅で助けてもらった男性だ。
夕子は男性に引かれた。
すっと歩が進む。
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