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食堂2

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うるさーい!と結はあからさまに耳を塞いでいる。

確かにうるさい。

ゆっくりごはん食べたかったのに、、

しかも騒ぎがどんどん大きくなっている気がする。


「あ!いたいたー!!」

一際通る声がしたと思ったら、

「もう探したよー!教室に迎えに行ったのにいないんだもん。」

雫の肩に手を置いて話し出すベージュの髪色の人。
耳にはいくつかのピアス、首元ははだけさせてネックレスを付けている。

誰だろうこの人、、、何だかチャラそう。

雫の友達?



顔はよく見るとくっきり二重のタレ目で目の横に泣きぼくろがある。
ふっくらした唇も相まってなんだか色気が凄い。


そこまで見て、観察しすぎた事に気づき慌てて目を逸らし唐揚げを頬張った。


「約束なんてしてないはずです。」
ベージュの人に向かってきっぱりと言い切る雫。

「えーしたよー!
、、、あれ、言ってなかったっけ?
まぁいいや、俺達生徒会室で食べるから一緒にいこーよ。」

「今食べ始めたばかりなんですけど。」

「さば味噌定食ね!
生徒会室に用意してもらうよう伝えとくー!」

「そういうことじゃなくて。」

「OK!連絡した!よし、行こ!」

なんか雫の言葉も無視してどんどん進んでる気がするけど大丈夫かな。
雫を見ると助けて欲しそうな雰囲気を醸し出している。


「あの、雫が言いたかったのは食べ始めたからそちらには行かない。て事だと思います。」

「え?急にな、、、え!!!

佐田陽じゃん!!」

「、、、?」

「うっわ、実物まじやば、、え、それ地毛ってほんと?」

「、、、ほんとですけど。」

何なんだこの人。
急によく分からない事を聞いてきた。


「すご、、うわっ!さらっさらじゃん。」

いつの間に横にきたのか気づけば横にいたベージュの人に髪を触られていた。

ぺしっ

「気安くその汚い手で触らないでください。」

そう俺の髪を触るベージュの人の手を払い除けたのは結だ。

「うわ、やっぱりいたか藍島結。」

「ずっとここにいましたけど。
てかもう帰ってもらえます?この人連れて行っていいんで。」

そう言いながら雫を指さす結。
可愛い顔が眉毛がよって恐い顔になっている。

「えっ!」

「いや、よくないよ。
1人で帰ってください。」

雫が不安そうにまた助けを求めるのでベージュの人にそう言った。

「綺麗な顔で辛辣、、
じゃあみんなで来ない?俺もっと陽くんと話したいなー。」

そう言ってグイッと顔を近づけてくるベージュの人。

「行きません。
唐揚げ余ってるんで。」

「えー。じゃあ余ってなかったらいい?
明日ならいいでしょ!
よし決まり!明日また迎えに行くからー!」

そう言って嬉しそうに笑顔で去っていったベージュの人。


「、、、誰?あの人。」


「えっ知らないの?」

「はる、僕以外の人には興味無いもんねー!
いいよ、知らなくていい人だから。」

「結と雫は知ってんの?」

「知らなーい!」

「あ、僕はその今日教室に行く前に初めて会っただけだから、あんまり詳しくは知らないかな。」

「教室に来る前?」

「ほら!唐揚げ冷めちゃうよー!
食べないなら僕もらっちゃおっかなー!」

「だめ。」


結に取られまいと慌てて食事に集中した。


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