関係ないと思っていたのに。

はじまり

俺は佐田陽さだはる。普通の高校1年生だ。

こんな名前だがハーフなのでブロンドの髪、黒に見えるが光に当たるとグレーになる瞳だ。
だがそれ以外は平々凡々、普通の高校1年生だ。

俺が通う学園は中学、高校、大学とエスカレーター式なのでメンバーはそこまで変わらない。
つまり1年生だがそこまで代わり映えはない。

代わり映えがない事をつまらないとは思わない。

これはこれで平和で好きだったりするのでこの日常が変わって欲しくないと思う。



「はるー！！」



「結。」

「もう！！勝手にどっか行かないでよー！
探したんだからっ！」

そう俺の目の前でぷりぷりしているのは藍島結あいしまゆい。
中学の時この学園に一緒に入学したのだが、それより前からの仲だ。
いわゆる幼なじみ。

無愛想な俺に唯一話しかけてくれる友達だ。


「ごめん。」

「いーよー！その代わり今度の休み一緒にあのカフェに行ってね！」


そう言いながら俺の腕に自分の腕を絡ませてくる結。
結はスキンシップが好きでよくこうしてじゃれて来る。

人懐っこい性格で大きな瞳にくるんカールしたまつ毛。
俺と同じブロンドに染めた髪は染めているのに全然傷んでいない。
俺と違って猫っ毛なのでふわふわしていて可愛い。
背も低めなので相まって可愛い。

自分からはスキンシップを取ろうとしない俺でも、許してしまうくらいに可愛い。


「分かった。」


甘いものが大好きな結にはよくこうしてカフェに連れ出される。
甘い物を食べる結は幸せそうで癒されるから別にいいけど。