無頓着な彼は。

はぴたん

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「あ!ずるーい!僕も僕も!」

声がする方を見ると葵が大きく口を開けている。

手にチキン持ってるじゃん、と思いながらもフォークを刺し口元に持っていく。


ぱくっ


「んー!おいしー!
きょうちゃんの愛が詰まってるね!」

「詰まってないよ、俺作ってないし。」

「えー!」


「わ!ずるーい!」「僕達もちょーだい!」

パタパタと双子先輩がやってきてはそう言って口を開ける。


みんなに与えないといけないの?と不思議に思いながらも「はい、どーぞ。」とそれぞれの口元へ持っていく。


「「んー!!おいしー!!」」

柔らかいねー!と2人で盛り上がっていて可愛い。


「きょうちゃん!俺も~!!」

「大智先輩ごめんなさい。
海先輩のが最後でした。」

「ええ~~!!」

「大智が遅いからだー!」「どんまーい!」

2人が大智先輩を煽っている。
可愛い格好をしているので俺だったら許してしまいそうだ。


「もう!いいもん!
、、、きょうちゃん!これあーんして!」

頬を膨らませて何処かへ行ったかと思えば、パスタを持って帰ってきた。


「えっ、自分で食べてくださいよ。」

「え~なんでよ!俺もあーんしてほしい!」


なんでまた、、と思いながらも拗ねそうなのでパスタを受け取りフォークでクルクルして差し出した。


「はい、どーぞ。」

「ふふっあ~ん!、、んんっおいし~!!」

美味しそうに食べてくれる大智先輩。
まあ、この顔を見れたからいっか。


「恭。」

よく通る声が聞こえ振り返ると傑先輩が呼んでいた。


「はい。」

返事をして向かうと、「ほら。」と渡してきたのは大きめのお皿にちょこちょこと色んな料理が乗っている。

いわゆるワンプレートだ。


「え、これ?」

「食えてないだろ。食っとけ。」

「、、、え、傑先輩がよそってくれたんですか?」

こんな事しそうにない、と疑いの目を向けると、


「いらないなら俺が食べる。」

と取られそうになったので、慌てて、

「あ!食べます!!ありがとうございます!
いただきますね!」


近くにあったマカロニグラタンをぱくりっ


「ん!これ美味しいです。」

そう指さしながら傑先輩を見上げると、「良かったな。」と微笑んでいる。


傑先輩が微笑んでいる、、


なんか珍しい事ばかり、と見つめていると、


「あ?何だよ。
、、キスは後でな。」

怒られる?と思ったら俺の耳元に口を寄せて驚くことを言われた。


「なっ!!!」

「ふっほら、食え。」

「もうっ後でなんてないですから。」

「お前が見つめるからだろ。」

ボソッと文句を言っていたが聞いてもなんでそんな事を言ったのかよく分からなかった。


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