無頓着な彼は。

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「か、かわいいーーー！！！」

「うわっやば、、、」

「、、、似合ってる。」
葵、光、要が着替え終えた俺の姿を見てそれぞれ声を発する。

「うぅ、そんなに見ないで。
何これ、こんなの聞いてない。」


朝、葵と教室へ行くと更衣室と化した教室に連れてこられて、カーテンで仕切られた試着室にそれぞれ入れられた。
着替える服はもうすでに置いてあるから。といつぞやの事を思い出しながら確かに置いてあった紙袋の中を取り出す。



、、、なにこれ、ほんとに着るの、、？



悩んだがこれしかないので仕方なく着替えた。


そう、喫茶店と言っていたが喫茶は喫茶でもメイド喫茶だったみたいだ。

白と紺のよくあるメイド服だが、これでもかとフリルがあしらわれている。
しかもスカートが膝上で心もとない。
白い靴下とご丁寧に黒のローファーまで入っていた。

ヘアセットをまだしていないので、顔はそのまま服だけメイドになりものすごく恥ずかしい。


試着室を出ると先に着替え終えていた葵に、光と要までいた。
朝起きた時はまだ寝ていたのに、要がこんなに朝早く起きているなんて珍しい。


それにしても葵のメイドが似合いすぎてて可愛い。
恥ずかしくて気づくのが遅くなってしまった。

「葵、可愛い。
似合いすぎだよ。」

「えーほんとー？ふふっ
ありがとー！」
嬉しそうにその場でくるりと回る葵。
ふわっと膨らむスカートにパンツが見えないか心配になる。


「、、、はっ！
春白くん、広瀬くん！ヘアメイクをしますのでこちらへ！」
1人のクラスメイトがおずおずと近づいてきた。

「あ、ごめん。わかった。」

「わぁー楽しみだねっ！」
俺の腕に掴まりながらそういう葵。
葵は楽しんでて凄いなぁ、、

それにしてもやっぱり可愛い。
葵はこのままでもいい気がする。



「で、ではこちらにどうぞ。」
即席にしてはちゃんと大きな鏡に向き合うようにいくつか椅子が置いてある。
隣同士に葵と座ると、待ってました！とそこからは怒涛にされるがままだった。


「ふぅ、お疲れ様でした。
ありがとうございます。最高です。」
そう聞こえ閉じていた目を開けると、付けられていた黒髪ロングのかつらが高い位置でツインテールされ緩くウェーブがかかっている。
頭にはメイド特有のカチューシャもはめられている。

顔もメイクされ、華やかだ。

「これ、、、俺？」
声を発する度、鏡に写るどう見ても女の子なその子も口が動く。

「ふふっそうですよ。本当に素晴らしいです。
元が良すぎて想像以上でした。
ずっと春白くんの事、思うがままにしてみたかったんです。」

「え？思うがまま、、？」

「はい！本当にありがとうございます！」
そう言って元気に離れて行ってしまった。


「きょうちゃん！なんか大丈夫だった？
さっきの人凄く興奮してたみたいだけど、、」
隣の葵から話しかけられた。

「あ、うん。大丈夫だよ、なんか、、え！葵、だよね？かわいい。」
話の途中だったが葵の変貌に思わず興奮してしまった。


葵は茶髪のゆるふわな髪の毛がそのままロングになっており、サイドに三つ編みがある。
ぱっちり目がメイクによりもっとぱっちりに。

もはや女の子にしか見えない。


「ふふっきょうちゃんもかわいいよっ
僕たち女の子にしか見えないねっ！
ね！一緒に写真撮ろうよー！」
写真に残るのは嫌だけど、葵の写真は欲しい。ので一緒に写真を撮ってしまった。