無頓着な彼は。

はぴたん

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食事を終えると、お父さんや男の人達は一斉に立ち上がり出ていく。


「騒がしくってごめんねぇ。
恭さんはゆっくりしていいからね。」
お茶目な笑顔でそう言ってくれる要のお母さん。

お手伝いさんと一緒に空いたお皿を片付けてくれる。


お言葉に甘えて敦くんと朝ごはんを済ませた後は、「俺の部屋来て!」とぐいぐい引っ張られて敦くんの部屋へ向かった。


敦くんの部屋はしっかり畳だった。
ヒノキの台座にマットレスが乗っていたりと洋と和がいい感じにミックスされていてオシャレだ。

木のテレビ台に大きなテレビが乗っており、その前にある手すりが木でできているソファにこっちこっち!と呼ばれた。

進められるがまま2人でテレビゲームをする。



「くっそ負けたー!」と言いながらうなだれ、寄りかかってくる敦くん。

「もう重いよ、、」

「もうちょっと、、ねぇ、慰めてよ。」
寄りかかりながら上目遣いで見てくる。
甘え上手で可愛い。

「はいはい。」
そう言いながら思わず頭をぽんぽんしてしまう。


「恭は兄貴となんでなかよくなった訳?
あんな目つき悪いやつ、、」

「ふふっ確かに目つき悪いけど、でも優しいでしょ。
それに意外と可愛いとこもあるし。
むしろ俺の方がなかよくなってくれてありがたいって感じだよ。」

「ええ!兄貴が可愛い?
俺はともかく、兄貴に可愛いとこなんてないよ。」

「自覚あるんだ。
意外と」スパンッ

甘えんぼうと言いかけたところで勢いよく襖が開いた。

龍家はみんな勢いよく開けるのか、、と思っていると、


「おい、2人で何やってんだよ。離れろ!」
機嫌が悪そうな要が敦くんを引き剥がす。

「要起きたんだ、おはよ。
一緒にゲームしてたんだよ。」

「、、、なんでそんなになかよくなってんだよ。」

「兄貴が起きるの遅いからでしょー。」

「チッ」
明らかに機嫌が悪そうだが、寝起きのまま来たのか寝癖がついてて可愛い。

ふふっ思わず笑ってしまった。

「むっはにゃしてっ」
笑った事に怒ったのか要が俺の頬をむぎゅっと掴んできた。

俺の舌っ足らずな言葉に今度は要にふっと笑われた。
なんかムカつくけど機嫌が治ったみたいでよかった。


「兄貴!朝飯食ってきたら?
恭の事は俺に任せて。」

「あ?部屋で食うから別にいい。
恭、部屋戻るぞ。」
頬から離れた手がぐいっと腕を引っ張る。

「え、あ、ちょっと、
部屋で食べるならここで食べたら?
せっかくだしみんなでもう少し遊ぼうよ。」
引っ張られて立ち上がった瞬間、敦くんのしょぼんとした顔が見えて思わずそう言うと、ぱあ!と明らかに嬉しそうな笑顔になった。

「よっしゃ!
おーい!!あ、田中さん!兄貴の朝飯ここに持ってきて!」
そうと決まれば!と襖を開けて大声で誰かを呼び、朝ごはんを持ってくるように伝える敦くん。


2人で座っていたソファに3人で座り、俺と敦くんはゲーム、要は朝ごはんを食べる。

大きめのソファだが、要も敦くんもガタイがいいので狭い。
常に密着した状態でなんだか気恥しいが仕方ないと諦める。


その後朝ごはんを食べ終えた要も参戦し、3人で遊んだ。




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