無頓着な彼は。

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花火を見ながらりんご飴を口にする。

久しぶりのこの感覚、甘い飴を噛んでじゅわっと果肉が広がる。

「んーっやっぱりおいしい！」
興奮気味にそう言うと、「よかったな。」と要も嬉しそうに微笑んでくれた。

そのまま花火そっちのけで俺がりんご飴を食べるところを見てくるのでしょうがなく、

「ひとくちいる？」
と聞くと、

こくっと頷く要。

仕草が可愛くて思わずふふっと笑っていると、


ぺろっ

唇を舐められ驚く。


その瞬間りんご飴を持つ手を握られたかと思えば、もう一度舐められ今度は唇をこじ開けるように舌が動く。
驚いていた俺はそのまま要の舌の侵入を許し、口内を蹂躙されてしまう。

くちゅくちゅとみだらな音が聞こえて顔がカッと赤くなる。

「んんっ、、ふぁ、、や、んっ
、、、ふぁ、、」

最後にまた唇を舐められて離れた。


「あま。」
離れた要が開口一番にそう言う。


「そりゃっ、、
てかなんでっ！」

「ひとくちいいって言っただろ。」

「それはっりんご飴の事！」

すりっ

興奮気味の俺の頬に突然手が伸び、親指で唇を優しく触られた。


「こっちの方がうまそうだった。」
ふっと意地悪な顔で笑いながらそう言った。


「んなっ！
もう離れて！」

ぱしっと払い除けて恥ずかしさを紛らわす。


「あ、クライマックス。」

何が？と思ったがすぐに目の前でどんどん繰り出す花火にこれの事か、と見つめる。

やはりクライマックスという事もあり豪華で目が離せない。


「うわ、、すご、、」


思わず声に出しながらフィナーレを見届けた。




「それ食べて帰るか。」
花火が終わり呆然としていると要が声をかけてきた。


「あ、うん。」
慌てて残りのりんご飴を食べ終え、要と立ち上がる。


そのまま要について行くと車の横で優雅に立ってこちらに微笑んでいる松戸さんが見えてきた。

そのまま要の家へ一緒に帰る。

ちなみに実家には友達の家に泊まると連絡しておいたので大丈夫だ。