無頓着な彼は。

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「、、、要、一緒に寝るからってきょうちゃんに何もしないでよね！」

「そーだそーだ！！」

葵と光が要を睨みながらそう言った。
いつもの4人で就寝するために2階に上がったところだ。

「あ？恭が俺に何かするのはいいのか？」

「なっ！するわけないだろ！」
慌てて要に言い返す。

「きょうちゃんも、変に近づいて誘惑しちゃダメだからね！
あーもうほんとに、隣で2人が寝てるのかと思うとどうにかなりそうだよ。」

「誘惑なんてしないよ。」

「恭はしたつもりなくても、って事があるかもしれないだろ。
とにかく近づくなよ！」

「近づくなって言ったって一緒に寝るんだから、少しは仕方ないだろ。」
そう俺が言うと、

「そうゆうことだ。もう寝るぞ。」
俺の肩を抱き歩みを進め、ドアを開けて俺の部屋に2人で入る。

「「あー！ちょっと！！」」
後ろから2人の声がするが、2人の目の前で要がドアを閉めてしまった。


2人が渋々部屋に入るのをドアの前で聞き、要に肩を押されそのままベッド向かう。



「ど、どっちがいい？壁側かこっち側」バサッ

俺の話している途中でもうベッドへ入ってしまった要。


肘を着いてこちら側に体を向けながら、タオルケットを上へ持ち上げる。


「お前も早く入れよ。」


なんだか自分から要の隣に行くのは恥ずかしい。

「し、失礼します。」
少しドキドキしながらタオルケットを持ち上げてくれている要の腕の下へ入る。

体が全てベッドに収まった瞬間、

がばっ

持ち上がっていた腕が俺の肩を通り背中へ回り、ぎゅっと抱きしめられた。

「うわっ」

「すぅ、、はぁ。お前の匂い安心するわ。」

「な、なにそれ。
それにみんなで洗濯してるから匂いはみんな一緒だよ。」

「いや。お前からは他のやつとは違う、
甘い匂いがする。」

そう言ってもう一度吸って吐く。
首筋でそれをされるので、息を吐いたとき少しこそばゆい。

「んっちょっと、やめてよ。」

「何？感じてんの？」

「なっ！！違う！！
もう、変なことするなら離れて！」

「ごめんって。
ただ、お前の匂いで安心して安眠できそうだから、しばらくこのままでいさせてくれ。」

「、、、もう。でもいつも起きるの最後じゃん。
1人でもちゃんと寝れてるでしょ。」

「、、寝つきが悪いんだよ。ずっとこうしたかった、、」

すぅ、、すぅ、、


安心できるのはどうやら本当だったみたいだ。
規則正しい寝息が聞こえてくる。

なんだか子どもみたいで可愛い。


「ふふっおやすみ、要。」
俺も要の規則正しい寝息と、ドクドク聞こえる要の心臓の音を聞いていると眠たくなってきた。

身を任せるように、そっと目を閉じた。