無頓着な彼は。

112

4日目の朝。


、、、ほっ

今日は起きて重みを感じる事も、目を開けて誰かが目の前にいる事もなかった。
一安心してゆっくり起き上がる。


「、、うわっ！
え、そういうパターン、、、」

「おはようございます。
パターン？、、どうゆうパターンがあったんですか？」
1人がけのソファに座り優雅な動作で本から顔を上げ、俺を見つめた透先輩がそう話す。


「あ、おはようございます。
パターンの事は、、忘れて下さい。」

「むしろ余計に気になります。
教えてください。」
パタンッと読んでいた本を閉じ、そばのテーブルへ置いた。

「、、、朝を迎える度に人が増えているのですが、その、俺が朝起きる度にこの部屋にいて、、」

「いて？」
濁そうとしたがもっと詳しく。と言いたげな目をした透先輩に詰め寄られる。

「はい。その、起きたら添い寝されてて重たかったり、、」

「あぁ、俺が添い寝していなかったから気づくのに時間がかかったと。
でもソファにいたからそういうパターン、、？」

「そうです！まさかソファに座っているとは思わず、、」

「ふーん、、」

そう言いながら近づいてきた透先輩がベッドにまだ座ったままの状態の俺の隣に座り、


どさっ


そのままお腹に回った手に押されてベッドに寝かされる。

「うわっ」

「こうゆうこと？」

「えっ、そ、そうです。」

「ふふっそれを聞いて我慢できるほどの男じゃないですよ？」
そう言って肩肘をついて俺を見つめながら俺の前髪を優しく触り横に流す透先輩。

「で？」

「え？」

「他に何もされてないですか？おはようのキスとか。」

「されてません！！」
強く否定する。

「ふふっそっか。じゃあ、、」


ちゅっ

急に近づいてきた透先輩に触れるだけのキスをされた。


「これは俺だけ、ね？」


あ、あますぎる！！
優しい透先輩の目もものすごくあまい、、と、とけそう、、

真っ赤になりぷしゅーっと音が出てしまいそうだ。


「ふふっ真っ赤ですよ、可愛い。」
そう言いながら俺の頬を撫でる透先輩。

先輩のせいです、、と思いながらも何も言えずただただされるがまま撫でられる。



「そろそろ起きましょうか。
ここにいたら朝ごはんの前に別のものを食べてしまいそうです。」
そう言いながら、ゆっくりと起き上がる透先輩。

どうゆう事？と考えている間にすっと腰に腕が入り込み起き上がらされる。

「うわっあ、ありがとうございます、、」

「ふふっいいえ。
一緒に1階に行きましょう。」


促されるがまま、透先輩と1階へ下りた。