無頓着な彼は。

はぴたん

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朝ごはんを食べ終わり、スマホを確認するとすでに葵から起きたことといつ行ってもいいのか教えてほしいと連絡が来ていた。

葵に返信しながら、身支度を済ませる。


「お母さん今からさおりさんとランチ行ってくるわね!
そのままお買い物に行ってくるから、帰りは夕方になるかも、、出かけるなら戸締りよろしくね。」
母さんはよくママ友?とランチに行く。
フラダンス教室にも通っているから友達も多いみたいだ。

割と早めのランチだがランチという名のおしゃべりをしに行くのだろう。

「行ってらっしゃい、気をつけてね。」

「ありがとう。行ってきます!」
るんるんで出かける母さん。

母さんを見送って少しすると、葵がやって来た。


せっかく春兄と達兄がいるので宿題をしつつ、分からない所は教えてもらう。
頭が良い2人は教え方も上手で、先生より分かりやすいかもしれない。

少ししたところで、

「やっぱり夏休み入ってすぐ宿題なんておかしいよ!!
きょうちゃん!甘いもの食べ行こーよー!!」
葵が発狂しだした。

お昼は母さんの作り置きを皆で食べた。
確かにそろそろ甘いもの食べたい、と思い、

「そうだね、なんか食べに行こっか。」
と賛成した。

「それなら達也に車出してもらお!」
春兄がそう言う。
それはとってもありがたい、と達兄を見つめると、

「あぁもう、分かったよ。
ほら、行くぞ!」

「やったー!達兄大好き!
ありがとー!」
男前な達兄の腕に抱きつきながらそう言った。

「お、おう。」
嬉しそうに微笑みそのまま歩き出す達兄。

「恭、達也が歩きにくそうだから離してあげな。」
春兄に促され確かに。とそっと離した。

「チッ別に歩きにくくなかったけどな。」
少し不貞腐れながら達兄が先導して歩いていく。

気を使って言ってくれたのかな?と思いながら後に続く。



達兄の車でよく行くスイーツが食べられるカフェに来た。

古民家のようなカフェで少し入り組んだ所にあるため、知る人ぞ知ると言ったカフェだ。
春兄が教えてくれた所で、家からは少し遠いためいつも2人が来た時に達兄の車で連れて行ってもらう。


「いらっしゃい、あら!お久しぶりね!」
ふくよかで優しそうな女性がここの店主の奥さんである。
優しく迎えられて席に座った。

「どれにしよっかなー!」
葵が隣で悩んでいるが、俺はいつもここに来たらあれしか頼まない。

「ふふっ恭はどうせ店主のおまかせパフェでしょ?」
春兄がメニューを見ていない俺に向かって笑いながらそう言った。

「うん。
だっていつも最高に美味しいんだもん。」

「そっかそっか、可愛いね。」
どこに可愛さを見出したかは分からないが、そう言って向かいに座っていた春兄が手を伸ばして頭を撫でてくれた。

「春也さんはもう決めたの??」
葵がそんな春兄に話しかけた。

「ん?もう決めたよ。
俺もここに来たらこれってのがあるから。
恭と一緒だね。」
そう言ってまたにっこり笑い、撫でてくれる。

「俺も決めた。
葵も決まったか?それなら注文するぞ。」
達兄がそう言って奥さんを呼んでくれる。


それぞれが注文し、少しして運ばれてきた。


俺と達兄が店主のおまかせパフェ。
達兄も実は俺と同じくらい甘党だ。

葵はクラシックプリン。

春兄はベイクドチーズケーキだ。


「うわぁ、今回はマスカットだぁ。」
これでもか!と今が旬のマスカットが綺麗に並んでいる。
下にもぎっしり詰まっていそうだ。
早く食べたい、、

まずは上のマスカット。

「ん~!!幸せっ!!」
ここは隣に八百屋さんがあり、新鮮なフルーツを取り入れているのでフルーツ自体もとっても美味しい。

噛み締めながらもスプーンを動かす手は止まらない、、

中に入っていたクリームもマスカットを引き立てるように甘さ控えめでとっても美味しい。


「もーきょうちゃん、クリーム付いてるよ!」
美味しすぎて夢中で食べていると突然隣から葵に話しかけられて、口元を触られた。

驚いてみると、クリームの付いた指をぺろっと舐める葵。

そこでやっと葵が俺の口元に着いたクリームを取ってそれを舐めたことに気づき、途端に恥ずかしくなる。


「あまっでも美味しかった!」
にっこり笑う葵。

「言ってくれたら自分で取るのに、、」
と恥ずかしさを紛らわせながらまたパフェを食べ始める。

まだ隣からにこにこと見つめられている気がするが、無視して食べ進めた。


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