無頓着な彼は。

はぴたん

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「ごはんできたわよ~!
運ぶの手伝って~!」

春兄、達兄、葵とリビングのソファに座り学園の事などを話していると母さんから手伝いをお願いされた。
料理は全く出来ないので、出来上がってからいつも手伝いをお願いされる。

3人には手伝わなくていいと伝えたが、どうせ座ってても、、と拒否された。

運ぶだけなのですぐに終わる。
ダイニングテーブルに並べ終えたと同時に「ただいま。」と父さんの声が聞こえる。
ベストタイミングすぎる。

母さんがリビングのドアを開けると同時に父さんが現れた。

「おう、恭。
久しぶりだな。」

「ただいま父さん。」
今帰ってきたのは父さんなのに思わずただいまと言ってしまった。

「ふっおかえり。」
形のいい口を崩しながら笑顔でおかえりを返してくれた。


それぞれ席に座り、みんなで夕飯を食べた。

春兄と父さんはお酒も入り楽しそうだ。

食後ものんびりしながらみんなでおしゃべりをしていたが、
「葵くんは時間大丈夫なのか?」
と時計をみた父さんがそう言ったので時計をみるともう22時手前だ。

「もうこんな時間!ごめん葵、全然気づかなかった。」

「僕も楽しくて全然時間見てなかった!
そろそろ帰ろうかな、
ごはん美味しかったです!ありがとうございました!」

「俺送ってく。」

「お前だけで大丈夫か?」
過保護な達兄が立ち上がろうとしたが、隣だから、とさすがに止めた。



「きょうちゃん、また明日も来るから!」

「うん。
宿題も持っておいでね。」

「ええー、宿題かぁ。」

「ほら、分からないことあれば春兄と達兄に聞けるしさ。」

「うん、まあそうだね、、
じゃあおやすみ!
きょうちゃんが玄関の所行くまで僕ここで見てるね!」

「ありがと、おやすみ。」
いつも葵を玄関まで送ると、俺が家の玄関に行くまで見守ってくれる。

そして同時に玄関に入るまでがいつものやり取りだ。



「おかえり!大丈夫だったか??」

「大丈夫も何も隣だよ?」
相変わらず大袈裟な達兄に玄関に入るや否や詰め寄られた。

「葵にも何もされてないだろうな?」

「されるわけないでしょ、、」
と言った後にそう言えば前にキスされたな、、とふと思い出してしまった。

「なんか顔赤くないか!?」

「赤くない!大丈夫だから!
先にお風呂入るね!!」

そう言って達兄を通り過ぎて風呂場へと向かった。

まだリビングでは話し声が聞こえるので先に入っても大丈夫だろう。

後ろでは諦めたようにリビングへ戻る達兄の足音が聞こえた。

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