無頓着な彼は。

はぴたん

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クラスのブースに戻ると、葵と光が心配そうに近寄ってきた。


「きょうちゃん!もーどこ行ってたの?
え、てかズボン!!もしかして着替えちゃったのー?」

えー間近で見たかったー!とブーブー言っている葵の頭をぽんぽんしながらなだめる。

「ごめんごめん。
スースーして落ち着かなかったから。」

「結局一瞬しか見れなかったもんなー!
でもその一瞬が今も頭から離れない、、
可愛かったよ、恭!」

そう言いながら抱きついてくる光。

「俺的には早く忘れてほしいけど、、」

「絶対忘れなーい!」と無邪気に笑う光。



「あ!もうすぐ騎馬戦始まるって言ってたよ!
要と光は行かなきゃだよね?」

「もうそんな時間か、行くか。」

「ちぇーせっかく恭が帰ってきたのにー。」

「ふふっ頑張ってきて。応援してるから。」
そう言いながら頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細めて渋々頷いた。

「行ってらっしゃい!頑張ってね!」
にっこり笑顔で葵も送り出す。


「じゃあきょうちゃん一緒に応援頑張ろ!」
「そうだね、1番前行かなきゃ。」


クラスのみんなにここへ!!と誘導され、葵の応援をした1番前の場所へ座った。


騎馬戦に出る生徒が入場する。
やっぱりガタイの良い男たちが多い。

要と光、大智先輩と夕先輩も見つけた。


まずはSクラス対Aクラス
学年は合わせて行い、トーナメント戦のようだ。

敵のハチマキを奪いその数で競う。
ハチマキを奪われたらその時点で騎馬はダメになる。

要は土台、光が上に乗っている。

同じSクラスの大智先輩と夕先輩もいる。
夕先輩が土台、大智先輩が上に乗っている。


ドキドキしながら見守る。

「ピストルの合図で試合開始です。

それでは、、よーい、」


パーン!!


一斉に走り出す騎馬達!
迫力が凄い!!

負けじと葵と応援する。

上手く避けたり、後ろから回り込んで光が素早く奪ったりと要と光達の騎馬は結構残っていた。

夕先輩達の騎馬は足が早く手馴れたように隙間を走り抜け、通りすがりに揉み合っている敵のハチマキを奪ったりとスピード感がある。


パーン!!


「試合終了です!!
残っている騎馬は最初の位置に戻ってください。」

結果、要と光達も大智先輩と夕先輩達も最後まで残っていた。
しかも結構なハチマキを奪っている。

要と光達が3本、
大智先輩と夕先輩達は5本も奪っている。

いつの間に。


結果勝者はSクラス!


すごーい!!とクラスのみんなで盛り上がっていると、要と光が手を振ってくれた。

葵と振り返していると、近くにいた大智先輩と夕先輩気づいたのか手を振ってくれる。

クラスがざわざわしているが、気にせず手を振り返した。


「きょうちゃ~ん!!見てた??勝ったよ!」
ただでさえざわざわしているのに、大智先輩、、

恥ずかしくなりながらも無視する訳にもいかず、
「見てました!かっこよかったです!」

と言うと、聞こえたのかにっこにこで手を振ってくれた。
ざわめきが大きくなった気がする、、


その後も着々とトーナメントを勝ち進み、見事Sクラス優勝で幕を閉じた。

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