無頓着な彼は。

はぴたん

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海先輩と空先輩に連れられ空き教室に入る。

既に他のメンバーは揃っていた。

皆と離れる前にここと言っていた場所では無いが、
「こっちに急遽変わったんだよ。」
「あそこは外で注目浴びちゃうからね!」
との事だ。

「昼休憩ですしね、人が押し寄せそうでしたので。
それにしても、、」
透先輩が言いながら近づいてくる。
「可愛いですね、似合ってますよ。」

ツインテールの片方を掬いながらそう微笑む。

そう言えば俺女装のままだった、と思い出し恥ずかしくなって赤くなる。

「もうやめてください、おふたりの方が可愛いですし。」

「まぁ可愛いですけど。好きな子はもっ「ほんと可愛い~写真撮っていい?」
透先輩を押し切って大智先輩がそういいながらパシャパシャ撮っている。

「もう撮ってるじゃないですか、やめてください。
恥ずかしいので、、」

「おい大智。

後でそれ送れよ。」

止めてくれるのかと思ったらまさかの言葉に思わず傑先輩を見つめた。

「なんだよ恭、誘ってんのか?」

「なっ!?」

もうここに来てから恥ずかしいことこの上ない。

「もう夕先輩、助けてください。」
1番助けてくれそうな夕先輩の後ろに隠れた。

「ほら、恭が怖がってるから。
大智も携帯しまえ。」

「ちぇ、まあ沢山撮れたからいっか!」

「大丈夫か?」
そう微笑みながら頭をぽんぽんしてくれた。

癒される。

「ありがとうございます。」
俺も微笑みながらそう言った。

「お、おう。」
そういいながら少し頬を染めながら視線を逸らす。
確かに今日は少し暑い。


「実は集まってもらったのはこれから生徒会メンバーでリレーがあるからなんです。」

「え?」
初耳のその言葉に驚く。

「生徒会メンバー対それぞれの委員長達で争うんだよ~!毎年盛り上がるんだ~!
きょうちゃん初めてでしょ?
驚かそうと思って!」
そうイタズラが成功したような笑顔で大智先輩が言った。

「驚いてます、、でも楽しそうですね!」

「でしょ?」「でしょ?」
「「今年は何の仮装かなー??」」

「え、仮装?」
また聞き捨てならない言葉が聞こえた。

「このリレーに参加する全員、仮装する決まりなんだよ。」

「今年はアラビアンだよ~!
衣装はもう決まってるから!そこのドアから隣の部屋に行って着替えて着て!」

大智先輩にぐいぐい押されながら隣の部屋へ行く。

紙袋がいくつか並んでおり、名前が書かれている。

自分の名前が書かれた紙袋を取り言われた通り着替える事にした。


、、、開けてびっくり。
紫色でテロテロの生地、装飾も付いていてとにかくキラキラギラギラしている。

出してみると、
これってベリーダンスみたいな格好なのでは?
あれ、また女装?

案の定生地が薄いし少ない。

パンツスタイルではあるので先程の制服よりは断然走りやすそうだが、お腹が出ていて恥ずかしい。

レースのようなものがズボンにひらひらくっついている。

ロングヘアのカツラが入っているので、これに付け替えろって事なのか。
しょうがなく被り、これを頭に。とメモが貼られたレースが付いたカチューシャのようなものをつける。
これで合っているのか不安だがとりあえず紙袋は空になった。

みんなこんな感じなのかな、、
一緒なら恥ずかしくないか。と思い直し、みんなが待つ隣の部屋へと向かった。

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