無頓着な彼は。

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「続いての種目は障害物リレーです。
参加する生徒は入場してください。」

アナウンスに従って葵と並んで入場する。

クラスから2名ずつの参加だ。

なんか比較的小さくて可愛い子が多い気がする。
俺、場違いかな、？


「それでは1年生1組目、スタートラインに並んでください。」

指示されるがままスタートラインに並ぶ。


「位置について、よーい、、」

パーン！


ピストルの合図と共にダッシュする。
運動が好きな事もあり、今のところ1位だ。

と、すぐ縦長いテントのような物がある。

これに入れってことか、と中に入る。
どうやら簡易的な試着室のようだ。


横に紙袋が置いてある。

中を見て、思わずため息が出た。

「はぁ、まじか。これ着ろってことだよな、、」

中に入っていたのは女の子用の制服だった。
この学校の制服に合わせて作られているみたいだ。

シャツとリボンとスカートとカーディガン、それと靴下まで揃えられている。

しょうがなく着替えたがスカートが膝上でこの状態で走るのきついんだけど、、

しかも着替えている最中に気づいたもうひとつの紙袋。
そこにはツインテールのカツラが入っていた。

これ被れってことか、、

壁に小さな鏡が貼ってあるので見ながら調整する。

まあ、髪型のお陰で女の子に見えなくもないけど、、

ああ、出たくない。


ふぅ。

意を決して外に出た。


もう何も考えずひたすらに前を見ながら走る。

平均台も秒で渡り切り、

バランスボールに乗って飛び進み、

網の中も絡まりやすいツインテールを束ねて手で持ち四つん這いで必死に進む。

まさに猪突猛進！そのままゴールだけを見つめて走り切り、気づいたら1位だった。


「おめでとうございます！
見事1位を獲得したのは春白恭さんです！
いや、それにしても、、可愛い！！可愛すぎます！
萌え袖、萌え袖ですか、、この学校女子がいたんですね！！
バランスボールとか網とかもう、、えろ、いや、もう良かったです。
どうですか？1位を取れた感想は？？」

テンションが高すぎるその人にマイクを向けられた。

「う、いや、、まあ、1位を取れて良かったです。
あのもう恥ずかしいんでこの辺で、、。」

「うっ！！！くはぁ！！
至近距離は危険です、、
ありがとうございました！！」

またテンション高々に去っていった。

あの着替えたいんですけど、と近くの指示を出していた生徒に尋ねたが終わるまではダメだそうで仕方なくこのまま待機する。

よく見ると他の参加した生徒もナースやらゴスロリやらメイドやらとにかくみんな女装している。

だから似合うような可愛い子が多かったのか、、。


まだ無難？に制服だっただけマシなのか、、。


履きなれないスカートという事もあり、みんなきゃー！！と中々進めず最後の一人がゴールするまで結構時間がかかった。


次は葵だ。
葵は可愛いからなんでも似合うだろ。
ちょっと楽しみだなぁと葵を見つめる。


「では続いて1年生2組目、スタートラインに並んでください。」

「位置について、よーい、、」

パーン！

ピストル音が鳴り響き、一斉にスタートした。