12 / 174
11
しおりを挟む
「きょうちゃん!!」
部屋を出るとちょうど隣から葵達も出てきたみたいで、葵が抱きついてきた。
「うわ、びっくりした。
タイミングばっちりだね。」
葵を抱きとめながら笑いかける。
すると、じーっと俺の後ろを見上げる葵。
「そうだった、同じ部屋の要だよ。
こっちは幼なじみの葵ね。」
「よろしくね!」
「ああ。よろしく。」
「じゃあ挨拶も済んだことだし、食堂行くか!」
元気な光の声につられながらみんなで歩き出す。
1階に降り、食堂に入るとまだ少し早かったみたいでチラホラと人がいるくらいだ。
混みそうだからと早めに来て良かった。
光に連れられるがままついていくと、食券を買うところがあった。
「ここで食べたいものを押したらここにカードキーをスキャンするんだ。そしたら食券が出てくるから、食券をあっちにあるキッチンに持っていけばすぐ出てくる仕組みだよ。
ちなみに朝と夜合わせて1日2食は無料!
学園の食堂より味は落ちるって言われてるけど、俺はこっちはこっちで好きなんだぁ」
そう言いながら光はカレーライスの食券を買う。
結局、葵はオムライス、俺はハンバーグ定食、要はラーメンとチャーハンを頼んでいた。
要に聞くと1食では足りないらしい。
それぞれキッチンで受け取って空いている4人席に座る。
先程からチラチラと視線を感じる。
多分この3人と一緒にいるからだろうな。
3人は特に気にしてなさそうだから、もう慣れてるのかな。
「いただきます。」
目の前の素朴なハンバーグを食べる。
「しそ入ってた!!」
ただのおろしハンバーグかと思いきや、隠れたしそがいた。
しそがあるだけでより一層味に深みが増すのでこれは大きなポイントだ。
思わず嬉しくてにこにこしながら食べ進める。
ふと視線を感じ周りを見ると、
3人がみんな俺の事を見ていた。
「え、どうかした?なんかついてる?」
「、、あ、いや。美味そうに食うなと思って。」
とすぐに目を逸らした要が答える。
「相変わらず美味しそうに食べるね!
ねえ、ちょっとちょーだいっ!」
葵が口を大きく開けてあーん!と言うので、
1口大に切ったハンバーグをあげる。
「んー!ほんとだ!しそが入ってて美味しいね!」
共感してくれたことが嬉しくて、また笑顔で葵を見つめる。
「えー!そんなに美味しいなら俺も俺も!!」
光も便乗してきたので、また1口大に切って大きく開いた口につっこむ。
「確かにうまいな!じゃあ俺のカレーもあげるよ!」
スプーンをぐいっと近づけてきたので、そのまま躊躇なく食べた。
「んん、カレーも美味しい。」
思わず微笑むと、光が固まってしまった。
ほのかに頬が赤い気がする。
どうしたのかと見つめていると、
「きょうちゃんきょうちゃん!
ぼくのオムライスも美味しいよー!」
と今度は葵がオムライスの乗ったスプーンを差し出してきた。
また迷いなく食べる。
「オムライスも美味しい。ここのは全部美味しいのかな。」と関心していると、
「ん。」
目の前にまたも差し出されるスプーン。
食べていいの?と差出人の要を見つめると、無言で見つめ返してくる。
おそるおそるぱくり。
「チャーハンパラパラだぁ。」
好みのチャーハンにまたも笑顔になる。
色んなごはんが食べられて幸せだ。
そんなやり取りを食堂に居た全ての人達に見られていたなんてこの時の俺はまだ知らない。
部屋を出るとちょうど隣から葵達も出てきたみたいで、葵が抱きついてきた。
「うわ、びっくりした。
タイミングばっちりだね。」
葵を抱きとめながら笑いかける。
すると、じーっと俺の後ろを見上げる葵。
「そうだった、同じ部屋の要だよ。
こっちは幼なじみの葵ね。」
「よろしくね!」
「ああ。よろしく。」
「じゃあ挨拶も済んだことだし、食堂行くか!」
元気な光の声につられながらみんなで歩き出す。
1階に降り、食堂に入るとまだ少し早かったみたいでチラホラと人がいるくらいだ。
混みそうだからと早めに来て良かった。
光に連れられるがままついていくと、食券を買うところがあった。
「ここで食べたいものを押したらここにカードキーをスキャンするんだ。そしたら食券が出てくるから、食券をあっちにあるキッチンに持っていけばすぐ出てくる仕組みだよ。
ちなみに朝と夜合わせて1日2食は無料!
学園の食堂より味は落ちるって言われてるけど、俺はこっちはこっちで好きなんだぁ」
そう言いながら光はカレーライスの食券を買う。
結局、葵はオムライス、俺はハンバーグ定食、要はラーメンとチャーハンを頼んでいた。
要に聞くと1食では足りないらしい。
それぞれキッチンで受け取って空いている4人席に座る。
先程からチラチラと視線を感じる。
多分この3人と一緒にいるからだろうな。
3人は特に気にしてなさそうだから、もう慣れてるのかな。
「いただきます。」
目の前の素朴なハンバーグを食べる。
「しそ入ってた!!」
ただのおろしハンバーグかと思いきや、隠れたしそがいた。
しそがあるだけでより一層味に深みが増すのでこれは大きなポイントだ。
思わず嬉しくてにこにこしながら食べ進める。
ふと視線を感じ周りを見ると、
3人がみんな俺の事を見ていた。
「え、どうかした?なんかついてる?」
「、、あ、いや。美味そうに食うなと思って。」
とすぐに目を逸らした要が答える。
「相変わらず美味しそうに食べるね!
ねえ、ちょっとちょーだいっ!」
葵が口を大きく開けてあーん!と言うので、
1口大に切ったハンバーグをあげる。
「んー!ほんとだ!しそが入ってて美味しいね!」
共感してくれたことが嬉しくて、また笑顔で葵を見つめる。
「えー!そんなに美味しいなら俺も俺も!!」
光も便乗してきたので、また1口大に切って大きく開いた口につっこむ。
「確かにうまいな!じゃあ俺のカレーもあげるよ!」
スプーンをぐいっと近づけてきたので、そのまま躊躇なく食べた。
「んん、カレーも美味しい。」
思わず微笑むと、光が固まってしまった。
ほのかに頬が赤い気がする。
どうしたのかと見つめていると、
「きょうちゃんきょうちゃん!
ぼくのオムライスも美味しいよー!」
と今度は葵がオムライスの乗ったスプーンを差し出してきた。
また迷いなく食べる。
「オムライスも美味しい。ここのは全部美味しいのかな。」と関心していると、
「ん。」
目の前にまたも差し出されるスプーン。
食べていいの?と差出人の要を見つめると、無言で見つめ返してくる。
おそるおそるぱくり。
「チャーハンパラパラだぁ。」
好みのチャーハンにまたも笑顔になる。
色んなごはんが食べられて幸せだ。
そんなやり取りを食堂に居た全ての人達に見られていたなんてこの時の俺はまだ知らない。
94
お気に入りに追加
548
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。


塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる