12 / 78
第一章 塩対応な二人
第12話 内緒、ですよ?
しおりを挟む
俺を探していた?
それにしたってこんなすぐに見つけられるのはおかしいだろ。この店のことは常連とは言わないまでも何度も来ているってのに。
まさかとは思うが、俺が気付かない間に仕掛けられていた?
頭とか腰付近も怪しいし、制服もあり得るな。手で触れられるところだけでもそれを取り除かなければ。
超小型のGPS発信機がついている――そんなことを思いながら自分の体を触りまくっていると、
「……何してるんですか?」
そう言いながら院瀬見が首をかしげている。
動きだけで判断すれば、純や下道のような男子ならすぐにでも勘違いするだろうが、俺の今の状況ではそうはならない。
「気にしなくていいぞ。体中がかゆいだけだし」
「まぁ、大体想像つきますけど、そんなことをしたって無駄ですよ?」
「すでに握り潰したのか?」
「何のことか分かりませんけど、そんな危ないことしてませんよ。そうじゃなくてわたしがここにいるのが不思議なんですよね?」
まさにそれが問題だ。ましてここは色んな意味でのマニアックなコーナー。少なくとも女子が立ち入るエリアじゃない。
「な、何でだ?」
隠し切れない動揺を見せている俺に対し、院瀬見は腰に手を置いて胸を張ってみせた。
「だってわたし、常連ですもん! 九賀さんたちはたまに来てるみたいですけど、わたしはしょっちゅう来てるので、男子が好きそうなコーナーくらい把握してるわけです」
目鼻立ちのはっきりした顔でドヤ顔をされるとさすがに落ち込むな。しかも姿勢もいいから思わず平伏しそうになりそうだったぞ。
「なるほど。それは分かったけど、俺に何か用があるのか?」
「いーえ、何も」
こいつ――単なるドヤ顔を見せに来ただけか?
「それならあいつらのところに戻っていいぞ。俺は……ん?」
そうかと思えば俺の前から院瀬見の姿が見えない。結局あいつは何をしに俺の前に来たのやら。しかし院瀬見を探すつもりもないので、このまま目当ての本を探す続きをするまでだ。
俺は再び上を向きながらピンポイントなところに目をやる。
すると、透明感のある白肌の手がそこに伸びて――
「――って、おい!」
「しー! ですよ?」
その仕草も反則だ。しかし、いつの間に踏み台に乗っていたんだこいつは。
「あっ、南が気にしてた本って写真集なんですね」
「…………いや」
「えーと、『魅力あふれるセクシーすぎる美脚を求めて』……え?」
決して俺だけが読むものではなく、幼馴染のアレの手土産にと一応気にしていた本でもあったわけだが、院瀬見の反応を見る限りではおそらく。
とはいえ、院瀬見にどう思われようと知ったことじゃないな。たとえ嫌われてもというより、元から好かれてもいないから何のダメージにもなるはずがない。
などと思っていると、それを手にして院瀬見が踏み台からゆっくりと降りてきた。顔を下に向けているせいか、表情は不明だ。
「まぁ、何だ。それが欲しかったのは事実だからな。高い所から取ってくれて感謝するぞ!」
ここは素直にお礼を言うのが筋だな。あとはこいつから本を受け取って会計に――
「――ふーん……うんうん、みんな美脚ですね」
「何でページ開いて勝手に見てんだ? 一応まだ買って無いんだぞ?」
「別にいやらしい本じゃないんですからいいじゃないですか」
買うことを確定したわけでも無いのにこいつ。
「悪いがそれは俺が買う予定の本だ。あまり手垢を付けられても……」
「いいえ、こんなの買う必要無いと思いますけど?」
まさか取り上げて、棚に戻した後に俺に説教でもするつもりか?
だが院瀬見は本を戻すどころか、突然周りを気にしだした。もっとも気にしたところで女性だらけの本屋なうえ、ここのコーナーに入ってくる客はほぼいないけど。
「……よし、いませんね」
「ん?」
「内緒、ですよ?」
「何が?」
院瀬見は返してくれない本をその辺に置き、両手をフリーにしたかと思えばその手を自分のスカートに移動させ、今にもスカートをつかむ雰囲気を出している。
そして、
「どうですか? わたしも美脚だと思いません?」
何をとち狂ったのか、俺に肌白なふくらはぎを見せてきた。足の感触は不本意にも触ったことがあるが、こうやって堂々と自慢されると言葉を失う。
「…………」
恥ずかしさはあるにしても、俺にこれを見せてどういう得になるのか。それともこれを見せて、後で弱みでもつかもうと企んでいるんじゃないよな。
「南はわたしの足に対して何も言えないんですか? 美少女選抜優勝者の生足なんてそう簡単に見られるものでもないんですよ? それともやっぱりプロが撮った写真集の方がいいんですか?」
「足に言ったって足は返事出来ないからな」
何て言えば正解なのか。しかし素直に褒めた場合、院瀬見も大概にしてひねくれてるからお金を要求してくる危険性がある。
俺は受け身状態で勝手に見せられたに過ぎないし、そもそも写真集を見ることが出来ていないわけだから、今は何も言わないでおくのがベストだ。
「またそういう"逃げ"で終わらせるんですね。まあいいです。この本を持ってとっとと会計しに行った方がいいですよ? 彼女たちを自由にさせているとはいえ、時間に限りがありますしここに探しに来るかもですから」
それもそうだな。俺はともかく、院瀬見を探し回ってこの場所に来てしまう可能性がありそうだ。
そう思っていたら案の定、院瀬見を呼ぶ九賀の声が聞こえてくる。その直後に、こっちの姿を見つけてすぐに駆け寄って来られてしまった。
「院瀬見さーん。探しましたよー! カフェの席も確保したのでそろそろ……何でフツメン会長がここにいるの? まさか院瀬見さんを――」
「ううん、九賀さん。南さんとは偶然ここで遭遇しただけなので、何も無かったですよ」
遭遇って、人をモンスター扱いか。
「でもここって、男性向けのコーナーになってるんじゃ……?」
九賀も案外鋭い奴だな。そうなると偶然にも俺と出会った院瀬見が何でここにいるんだって話になる。
院瀬見を見ると焦りの表情に変わっているし、上手く言葉が出てこないといったところか。
「それがどうかしたか? 九賀。紛れもなくここは男性が喜ぶ専門的な本が揃ってあるコーナーだ。俺はここで肌白で綺麗な足を見ただけに過ぎない!」
「――! 肌白……うんうん、やっぱりー」
「ケダモノにも程があるし正直気持ち悪すぎなんですけどー! 院瀬見さん、こいつ抜きでカフェいきましょーよ?」
何たる言われようだ。院瀬見の推し女だからってあんまりすぎるぞ。
院瀬見にも九賀のことをもっと教育してもら――何かにやけてるように見えるのは気のせいか?
「……コ、コホン。ううん、九賀さん。わたしがここに迷い込んだだけで、南さんには何の落ち度も無いと思いますので、このままみなさんのところに行きましょう」
「院瀬見さんがそう言うならー……でも、キモキモ会長とは距離を置かないと駄目ですからね! 私、先に行ってみんなに話してきますからー」
九賀は最後まで俺を睨みっぱなしだったな。しかも称号まで変わっていたぞ。
「院瀬見も先に行った方がいいんじゃないのか?」
「そ、そうですよね! それと南……」
「あん? まだ何か……いっってぇぇ!!」
ものの見事に院瀬見による不意打ち攻撃を喰らってしまった。まさか手の甲のわずかな皮膚をつねられるとか、完全な油断だ。
「いつかのお返し、ですっ! じゃあ、南は会計を済ませたらカフェに来てくださいね! 待ってますから」
お返しというと足を触ってしまった時のアレか?
それにしても気のせいか少しだけ俺に甘い――いや、気のせいだな。
それにしたってこんなすぐに見つけられるのはおかしいだろ。この店のことは常連とは言わないまでも何度も来ているってのに。
まさかとは思うが、俺が気付かない間に仕掛けられていた?
頭とか腰付近も怪しいし、制服もあり得るな。手で触れられるところだけでもそれを取り除かなければ。
超小型のGPS発信機がついている――そんなことを思いながら自分の体を触りまくっていると、
「……何してるんですか?」
そう言いながら院瀬見が首をかしげている。
動きだけで判断すれば、純や下道のような男子ならすぐにでも勘違いするだろうが、俺の今の状況ではそうはならない。
「気にしなくていいぞ。体中がかゆいだけだし」
「まぁ、大体想像つきますけど、そんなことをしたって無駄ですよ?」
「すでに握り潰したのか?」
「何のことか分かりませんけど、そんな危ないことしてませんよ。そうじゃなくてわたしがここにいるのが不思議なんですよね?」
まさにそれが問題だ。ましてここは色んな意味でのマニアックなコーナー。少なくとも女子が立ち入るエリアじゃない。
「な、何でだ?」
隠し切れない動揺を見せている俺に対し、院瀬見は腰に手を置いて胸を張ってみせた。
「だってわたし、常連ですもん! 九賀さんたちはたまに来てるみたいですけど、わたしはしょっちゅう来てるので、男子が好きそうなコーナーくらい把握してるわけです」
目鼻立ちのはっきりした顔でドヤ顔をされるとさすがに落ち込むな。しかも姿勢もいいから思わず平伏しそうになりそうだったぞ。
「なるほど。それは分かったけど、俺に何か用があるのか?」
「いーえ、何も」
こいつ――単なるドヤ顔を見せに来ただけか?
「それならあいつらのところに戻っていいぞ。俺は……ん?」
そうかと思えば俺の前から院瀬見の姿が見えない。結局あいつは何をしに俺の前に来たのやら。しかし院瀬見を探すつもりもないので、このまま目当ての本を探す続きをするまでだ。
俺は再び上を向きながらピンポイントなところに目をやる。
すると、透明感のある白肌の手がそこに伸びて――
「――って、おい!」
「しー! ですよ?」
その仕草も反則だ。しかし、いつの間に踏み台に乗っていたんだこいつは。
「あっ、南が気にしてた本って写真集なんですね」
「…………いや」
「えーと、『魅力あふれるセクシーすぎる美脚を求めて』……え?」
決して俺だけが読むものではなく、幼馴染のアレの手土産にと一応気にしていた本でもあったわけだが、院瀬見の反応を見る限りではおそらく。
とはいえ、院瀬見にどう思われようと知ったことじゃないな。たとえ嫌われてもというより、元から好かれてもいないから何のダメージにもなるはずがない。
などと思っていると、それを手にして院瀬見が踏み台からゆっくりと降りてきた。顔を下に向けているせいか、表情は不明だ。
「まぁ、何だ。それが欲しかったのは事実だからな。高い所から取ってくれて感謝するぞ!」
ここは素直にお礼を言うのが筋だな。あとはこいつから本を受け取って会計に――
「――ふーん……うんうん、みんな美脚ですね」
「何でページ開いて勝手に見てんだ? 一応まだ買って無いんだぞ?」
「別にいやらしい本じゃないんですからいいじゃないですか」
買うことを確定したわけでも無いのにこいつ。
「悪いがそれは俺が買う予定の本だ。あまり手垢を付けられても……」
「いいえ、こんなの買う必要無いと思いますけど?」
まさか取り上げて、棚に戻した後に俺に説教でもするつもりか?
だが院瀬見は本を戻すどころか、突然周りを気にしだした。もっとも気にしたところで女性だらけの本屋なうえ、ここのコーナーに入ってくる客はほぼいないけど。
「……よし、いませんね」
「ん?」
「内緒、ですよ?」
「何が?」
院瀬見は返してくれない本をその辺に置き、両手をフリーにしたかと思えばその手を自分のスカートに移動させ、今にもスカートをつかむ雰囲気を出している。
そして、
「どうですか? わたしも美脚だと思いません?」
何をとち狂ったのか、俺に肌白なふくらはぎを見せてきた。足の感触は不本意にも触ったことがあるが、こうやって堂々と自慢されると言葉を失う。
「…………」
恥ずかしさはあるにしても、俺にこれを見せてどういう得になるのか。それともこれを見せて、後で弱みでもつかもうと企んでいるんじゃないよな。
「南はわたしの足に対して何も言えないんですか? 美少女選抜優勝者の生足なんてそう簡単に見られるものでもないんですよ? それともやっぱりプロが撮った写真集の方がいいんですか?」
「足に言ったって足は返事出来ないからな」
何て言えば正解なのか。しかし素直に褒めた場合、院瀬見も大概にしてひねくれてるからお金を要求してくる危険性がある。
俺は受け身状態で勝手に見せられたに過ぎないし、そもそも写真集を見ることが出来ていないわけだから、今は何も言わないでおくのがベストだ。
「またそういう"逃げ"で終わらせるんですね。まあいいです。この本を持ってとっとと会計しに行った方がいいですよ? 彼女たちを自由にさせているとはいえ、時間に限りがありますしここに探しに来るかもですから」
それもそうだな。俺はともかく、院瀬見を探し回ってこの場所に来てしまう可能性がありそうだ。
そう思っていたら案の定、院瀬見を呼ぶ九賀の声が聞こえてくる。その直後に、こっちの姿を見つけてすぐに駆け寄って来られてしまった。
「院瀬見さーん。探しましたよー! カフェの席も確保したのでそろそろ……何でフツメン会長がここにいるの? まさか院瀬見さんを――」
「ううん、九賀さん。南さんとは偶然ここで遭遇しただけなので、何も無かったですよ」
遭遇って、人をモンスター扱いか。
「でもここって、男性向けのコーナーになってるんじゃ……?」
九賀も案外鋭い奴だな。そうなると偶然にも俺と出会った院瀬見が何でここにいるんだって話になる。
院瀬見を見ると焦りの表情に変わっているし、上手く言葉が出てこないといったところか。
「それがどうかしたか? 九賀。紛れもなくここは男性が喜ぶ専門的な本が揃ってあるコーナーだ。俺はここで肌白で綺麗な足を見ただけに過ぎない!」
「――! 肌白……うんうん、やっぱりー」
「ケダモノにも程があるし正直気持ち悪すぎなんですけどー! 院瀬見さん、こいつ抜きでカフェいきましょーよ?」
何たる言われようだ。院瀬見の推し女だからってあんまりすぎるぞ。
院瀬見にも九賀のことをもっと教育してもら――何かにやけてるように見えるのは気のせいか?
「……コ、コホン。ううん、九賀さん。わたしがここに迷い込んだだけで、南さんには何の落ち度も無いと思いますので、このままみなさんのところに行きましょう」
「院瀬見さんがそう言うならー……でも、キモキモ会長とは距離を置かないと駄目ですからね! 私、先に行ってみんなに話してきますからー」
九賀は最後まで俺を睨みっぱなしだったな。しかも称号まで変わっていたぞ。
「院瀬見も先に行った方がいいんじゃないのか?」
「そ、そうですよね! それと南……」
「あん? まだ何か……いっってぇぇ!!」
ものの見事に院瀬見による不意打ち攻撃を喰らってしまった。まさか手の甲のわずかな皮膚をつねられるとか、完全な油断だ。
「いつかのお返し、ですっ! じゃあ、南は会計を済ませたらカフェに来てくださいね! 待ってますから」
お返しというと足を触ってしまった時のアレか?
それにしても気のせいか少しだけ俺に甘い――いや、気のせいだな。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる