覚醒待ちの最弱冒険者はあらゆる不運を打ち破る

 魔王により壊滅させられた国に遠征していた聖者エリルは、壊滅都市で拾った呪いの腕輪を浄化目的で身に着ける。しかし暴発した魔法で腕輪を失くしたうえ、気づいたら自分の名前以外の全ての記憶を失った状態で見知らぬ王都の路地に倒れていた。
 それから月日が経ち、エリルは保護してくれた路地裏ギルドで召喚されて来た人たちを送還するという不思議な力を用いて生計を立てていた。
 しかし路地裏ギルドに出入りした兵士に興味を持たれ、王城に連れて行かれてしまう。そこで国王によって勇者送還を命じられ、かろうじて勇者の送還に成功するエリルだったが、魔力渦の歪みに巻き込まれる。意識を取り戻すエリルに対し、勝手に城に忍び込んだとして城から追い出されてしまうのだった。
「おれが少年に見えるだって? 冗談にしては……ま、まさか!?」

 不運にも聖者の記憶が失われ転生によって少年となったエリルは、最弱な自分を知りながら新たな人生を歩み始める。
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