19 / 25
第19話 レジェンダロア国境で
しおりを挟む
「ええ、おかげさまでよく眠れましたし休むことが出来ましたわ」
「良かった~! セリアがこのまま目を覚まさずにいたらどうなっちゃうんだろうって心配してたよ」
「ふふっ、そんなことにはなりませんわ。それより、開通することが出来るって聞きましたわ。おめでとう、エドナちゃん」
「うんっ! ありがとう、セリア! 一緒に移動出来るから嬉しいよ」
一夜明けてセリアがようやく目を覚ました。普段は一つの部屋で寝泊まりしているメンバーも、セリアを休ませることにした後の二人が気を利かせてセリアだけ別の部屋にしていた。
そんなセリアのことが気になったエドナだけがセリアの横で眠ることを許されていたのだが。
「はい、コーヒーだよ」
「ありがたく頂きますわね」
前世でも良く飲んでいたコーヒーが、味こそ異なるもののこの世界でもあることを知ってエドナは密かに喜んでいた。
しかし中身の年齢はともかく見た目の年齢のことがあるせいか、お店ではコーヒーを飲むことを許してくれなかったようだ。
「それ、どんな味なの?」
「気になる?」
「う、うん」
可能なら一口くらい飲んでみたい。そう思ってセリアを眺めていると。
「それじゃあ、内緒に。はい、飲んでみて」
視線に気づいたのか、セリアは微笑みながらエドナにコーヒーの入ったカップを渡してくれた。
「…………甘いね~」
色に黒さを残しながら、味は想像していたものよりもずっと甘かった。
「わたくしが眠っていたから気を利かせてくれたかもしれないわね」
「それもそっか。今日は出発出来るんだよね?」
「ええ。問題無いわね」
優しく微笑むセリアにエドナも笑顔を見せていると、騒がしく部屋のドアが開かれた。
「よぉし、セリア! もう大丈夫そう? 行ける? 行くよね~?」
などと、勢い任せでライラがまくし立てる。
「……ええ。随分お元気そうですけれど、そんなに気まずいのです?」
「な、何のことか、私にはさっぱりだなぁ。とにかく、リズは先に外で待ってるから私も先に行くよ。エドナとセリアは食事してからでもいいから! じゃあお先に~」
ライラの妙に高いテンションを見てなのか、セリアが気にかけることを言っていた。
「ねえねえ、ライラっていつもどおりじゃなかった?」
「いつもあんなですけれど、今日これから向かう国境転送があるところは、ライラにとって行きづらいところなの。だからから元気というか何というか」
「ふぅん……」
あの様子を見る限りだと、ライラの故郷とかを通りそう。そんなことを予想しながら、エドナは宿の食事を済ませてセリアと一緒に外に向かった。
「お待たせしましたわ」
「おはよ~、リズ! ライラも」
「おはよう。セリアも問題なさそう」
「おかげさまでこの通りですわ! お姉さまも元気そうでなによりですわね」
いつもの挨拶を済ませて国境所があるところに進もうとすると、ヤッタム村からどこかに向かって冒険者たちが駆けていくのが見える。
何かあったと言わんばかりな光景に、エドナは思わず通り過ぎようとしている男性冒険者に声をかけた。
「何かあったの~?」
「……ん? キミはギルドにいた子か。それなら教えても平気か。それにライラパーティーもいるようだしな」
冒険者はライラたちに目をやって頷きを見せる。
「あん? 私らがいるからって何が平気なんだ? そもそも村のギルドにいた私らに声をかけないでどこかに走っていくのはどうなのさ!」
ヤッタム村から外へ出る時は少なくとも、そんな騒ぎが起きているようには見えなかった。しかしこの数分の間に、急を要する何らかの知らせが来たのであればそれは仕方がないかもしれない。
「全くですわね。わたくしたちにも分かるように説明して頂かないと!」
「同じく……」
すっかり元気を取り戻したセリアもライラと同様に、冒険者に詰め寄る。
「す、すまない。キミらが出て行ったその後に緊急の知らせが届いたんだ」
「……で、その中身は?」
よほど頭にきたのか、ライラが詰め寄ると。
「レ、レジェンダロア国境付近で巨人族が出たんだ。国境所が使えなくなる恐れがあるってことで慌てて向かってるんだ。キミらも転送移動をしに行くんじゃないのか?」
巨人族なんているんだ。
とんでもなく大きい獣人って意味なんだろうけど、問題はそれじゃなくて国境移動が出来なくなることだよね。
「巨人族~? 何であいつらが下に降りて来てんのさ! あいつらはレジェンダロアの山にいるはずなのに」
ライラは知っているかのようにして冒険者に言い放っている。
「それは俺も分からん。だが、近頃各地の魔物が活発化しているんだ。その影響を受けてのことだと思う。とにかく、キミらも急いだほうがいい!」
そう言うと、男性冒険者は一足先に国境方面に走って行く。
「――全く、退屈させないというか何というか。とにかくエドナが転送を使えるようになったんだ。私らも急ぐよ!」
「もちろんですわ!」
「急ぐ」
エドナをがっかりさせたくないのか、ライラたちは前だけ向いて急いで向かう。ヤッタム村から道なりに西進すると、その先に巨大な建造物が見えてくる。
「もうすぐ国境警備兵がいる櫓が見えてくるよ! もしすでに抗戦状態だったら、リズは兵士や他の連中のサポートを! セリアは私と巨人族のところへ!」
「承知しましたわ!」
「理解」
「エドナは――様子を見ながら私らについてきて」
「うん、わかった~」
ただ事じゃない、そんな気配を感じながらライラたちと共に国境櫓に向かって急ぐ。
「こ、これは……どういうことですの?」
「驚いたね、まさかゴブリンまでもが参戦しているだなんて。この辺はゴブリンが少ないはずなのに」
驚くライラとセリアの視線の先を見てみると、巨人族に混じってゴブリンの集団が櫓を襲っている。巨人族は高くそびえ立つ石造りの櫓を壊しにかかり、ゴブリンたちは冒険者を相手に邪魔をしている状態だ。
「……ったく、リズ! は、もう行ったね。それなら、エドナは櫓の中を目指して!」
すでに櫓の一部は巨人族によって壊されている。それに気づいたのか、ライラはエドナに一人で向かうように言ってきた。
「えっ? 巨人族とゴブリンは?」
「私らで何とかするよ。だからエドナは中を守る警備兵に話して先に転送して! レジェンダロア国境からの転送先は――とにかく急いで!」
「う、うん。ライラ、それにセリアも気を付けてね!」
宿でかなり眠っていたセリアのことを思えばあまり無理はさせたくない。そう思うエドナだが、先に行ってと言われればその言葉通りにするしかないわけで。
それでもセリアのことが気になって彼女の顔を見つめるが。
「心配しないで。無事にエドナちゃんと再会するってことをお約束いたしますわ。ですので、お先に行ってらっしゃい!」
そう言ってセリアはエドナの肩に手を置いて反対に元気づけてくれた。
そこまで信頼されたら行くしかない。そう思ったエドナは他には目もくれず、櫓の入口とされる扉に向かって走りだした。
国境警備兵を含め、ヤッタム村から応援に駆けつけた冒険者たちはゴブリンの妨害を防ぎつつ、巨人族に向けて矢を放ち続けている。
リズの姿も見えるが、彼女は手傷を負った冒険者や近づいて来ようとするゴブリンに向けて、状態異常系の魔法を唱えているようだ。
本来リズは治癒を専門とする神官になる。しかし、こういった緊急事態には攻撃性の魔法も撃てるのだとか。
「えーと、入口入口……あっ、もしかして岩で見えにくくなってる黒い扉かな?」
エドナが櫓の入口を見つけ、そのまま中へと向かおうとすると。
「ゴブブ……ニンゲンココニ――ゴブッ!? テッタイ、テッタイ!!」
――といった感じで、エドナの姿を見てすぐにいなくなるゴブリンの姿があった。
「ん~? いま何か話しかけられた? 気のせいだよね」
ゴブリンが迫って来ていたことに気づかずに、エドナは櫓の中に入る。そこには外の様子を気にかける警備兵が二人と、装置前で監視する警備兵の姿があった。
「あ、あの~……転送していいですか~?」
エドナは転送前にいた警備兵に声をかける。
「うわぁっ!? って、驚かせないでくれよ。転送? そこの床の上に乗れば移動出来るよ。冒険者たちが逃がしてくれたんだろう? それなら急ぎなよ」
いきなり現れたわけじゃないんだけど、こんな状況だからしょうがないかな。
「ありがとう~! あの、どこに飛ぶことになるんですか?」
「レジェンダロアからは北方のトレニア帝国の近くに飛ぶことになるね」
「そこって魔法学園がある……?」
まさかこんな早くに向かえることになるなんて。ライラたちのことだから、もしかしたら十二歳になるまで遠回りして色々旅をさせてくれるとは思うけど。
「おっ、よく知ってるね。近いとはいえ、いくつか山を越えたりする必要があるし、確か海を渡る必要があったかな……まぁ、とにかくそこの台座の上に乗れば移動出来るから」
警備兵の人に教えられ、転送の台座に乗ったその時だった。
「う、うわーーー!!!」
声がした方を見ると、外から攻撃を繰り返していた巨人族が装置のあるここまで攻撃の手を伸ばしていた。
「冒険者の女の子! 早く行くんだー!!」
「は、はいっ、みなさんもどうか気をつけ――あっ」
魔力の流れを確認させ、装置を起動させようとしていた警備兵が慌てて装置を動かしてエドナを転送。エドナはお礼も言えずに、トレニア帝国の国境所に転送された。
「……あれ? 誰もいない……トレニア帝国の国境所だよね?」
転送装置が不完全だったのか、それともレジェンダロア国境所で不具合があったのか、エドナはひと気の無い国境所に転送されていた。
「良かった~! セリアがこのまま目を覚まさずにいたらどうなっちゃうんだろうって心配してたよ」
「ふふっ、そんなことにはなりませんわ。それより、開通することが出来るって聞きましたわ。おめでとう、エドナちゃん」
「うんっ! ありがとう、セリア! 一緒に移動出来るから嬉しいよ」
一夜明けてセリアがようやく目を覚ました。普段は一つの部屋で寝泊まりしているメンバーも、セリアを休ませることにした後の二人が気を利かせてセリアだけ別の部屋にしていた。
そんなセリアのことが気になったエドナだけがセリアの横で眠ることを許されていたのだが。
「はい、コーヒーだよ」
「ありがたく頂きますわね」
前世でも良く飲んでいたコーヒーが、味こそ異なるもののこの世界でもあることを知ってエドナは密かに喜んでいた。
しかし中身の年齢はともかく見た目の年齢のことがあるせいか、お店ではコーヒーを飲むことを許してくれなかったようだ。
「それ、どんな味なの?」
「気になる?」
「う、うん」
可能なら一口くらい飲んでみたい。そう思ってセリアを眺めていると。
「それじゃあ、内緒に。はい、飲んでみて」
視線に気づいたのか、セリアは微笑みながらエドナにコーヒーの入ったカップを渡してくれた。
「…………甘いね~」
色に黒さを残しながら、味は想像していたものよりもずっと甘かった。
「わたくしが眠っていたから気を利かせてくれたかもしれないわね」
「それもそっか。今日は出発出来るんだよね?」
「ええ。問題無いわね」
優しく微笑むセリアにエドナも笑顔を見せていると、騒がしく部屋のドアが開かれた。
「よぉし、セリア! もう大丈夫そう? 行ける? 行くよね~?」
などと、勢い任せでライラがまくし立てる。
「……ええ。随分お元気そうですけれど、そんなに気まずいのです?」
「な、何のことか、私にはさっぱりだなぁ。とにかく、リズは先に外で待ってるから私も先に行くよ。エドナとセリアは食事してからでもいいから! じゃあお先に~」
ライラの妙に高いテンションを見てなのか、セリアが気にかけることを言っていた。
「ねえねえ、ライラっていつもどおりじゃなかった?」
「いつもあんなですけれど、今日これから向かう国境転送があるところは、ライラにとって行きづらいところなの。だからから元気というか何というか」
「ふぅん……」
あの様子を見る限りだと、ライラの故郷とかを通りそう。そんなことを予想しながら、エドナは宿の食事を済ませてセリアと一緒に外に向かった。
「お待たせしましたわ」
「おはよ~、リズ! ライラも」
「おはよう。セリアも問題なさそう」
「おかげさまでこの通りですわ! お姉さまも元気そうでなによりですわね」
いつもの挨拶を済ませて国境所があるところに進もうとすると、ヤッタム村からどこかに向かって冒険者たちが駆けていくのが見える。
何かあったと言わんばかりな光景に、エドナは思わず通り過ぎようとしている男性冒険者に声をかけた。
「何かあったの~?」
「……ん? キミはギルドにいた子か。それなら教えても平気か。それにライラパーティーもいるようだしな」
冒険者はライラたちに目をやって頷きを見せる。
「あん? 私らがいるからって何が平気なんだ? そもそも村のギルドにいた私らに声をかけないでどこかに走っていくのはどうなのさ!」
ヤッタム村から外へ出る時は少なくとも、そんな騒ぎが起きているようには見えなかった。しかしこの数分の間に、急を要する何らかの知らせが来たのであればそれは仕方がないかもしれない。
「全くですわね。わたくしたちにも分かるように説明して頂かないと!」
「同じく……」
すっかり元気を取り戻したセリアもライラと同様に、冒険者に詰め寄る。
「す、すまない。キミらが出て行ったその後に緊急の知らせが届いたんだ」
「……で、その中身は?」
よほど頭にきたのか、ライラが詰め寄ると。
「レ、レジェンダロア国境付近で巨人族が出たんだ。国境所が使えなくなる恐れがあるってことで慌てて向かってるんだ。キミらも転送移動をしに行くんじゃないのか?」
巨人族なんているんだ。
とんでもなく大きい獣人って意味なんだろうけど、問題はそれじゃなくて国境移動が出来なくなることだよね。
「巨人族~? 何であいつらが下に降りて来てんのさ! あいつらはレジェンダロアの山にいるはずなのに」
ライラは知っているかのようにして冒険者に言い放っている。
「それは俺も分からん。だが、近頃各地の魔物が活発化しているんだ。その影響を受けてのことだと思う。とにかく、キミらも急いだほうがいい!」
そう言うと、男性冒険者は一足先に国境方面に走って行く。
「――全く、退屈させないというか何というか。とにかくエドナが転送を使えるようになったんだ。私らも急ぐよ!」
「もちろんですわ!」
「急ぐ」
エドナをがっかりさせたくないのか、ライラたちは前だけ向いて急いで向かう。ヤッタム村から道なりに西進すると、その先に巨大な建造物が見えてくる。
「もうすぐ国境警備兵がいる櫓が見えてくるよ! もしすでに抗戦状態だったら、リズは兵士や他の連中のサポートを! セリアは私と巨人族のところへ!」
「承知しましたわ!」
「理解」
「エドナは――様子を見ながら私らについてきて」
「うん、わかった~」
ただ事じゃない、そんな気配を感じながらライラたちと共に国境櫓に向かって急ぐ。
「こ、これは……どういうことですの?」
「驚いたね、まさかゴブリンまでもが参戦しているだなんて。この辺はゴブリンが少ないはずなのに」
驚くライラとセリアの視線の先を見てみると、巨人族に混じってゴブリンの集団が櫓を襲っている。巨人族は高くそびえ立つ石造りの櫓を壊しにかかり、ゴブリンたちは冒険者を相手に邪魔をしている状態だ。
「……ったく、リズ! は、もう行ったね。それなら、エドナは櫓の中を目指して!」
すでに櫓の一部は巨人族によって壊されている。それに気づいたのか、ライラはエドナに一人で向かうように言ってきた。
「えっ? 巨人族とゴブリンは?」
「私らで何とかするよ。だからエドナは中を守る警備兵に話して先に転送して! レジェンダロア国境からの転送先は――とにかく急いで!」
「う、うん。ライラ、それにセリアも気を付けてね!」
宿でかなり眠っていたセリアのことを思えばあまり無理はさせたくない。そう思うエドナだが、先に行ってと言われればその言葉通りにするしかないわけで。
それでもセリアのことが気になって彼女の顔を見つめるが。
「心配しないで。無事にエドナちゃんと再会するってことをお約束いたしますわ。ですので、お先に行ってらっしゃい!」
そう言ってセリアはエドナの肩に手を置いて反対に元気づけてくれた。
そこまで信頼されたら行くしかない。そう思ったエドナは他には目もくれず、櫓の入口とされる扉に向かって走りだした。
国境警備兵を含め、ヤッタム村から応援に駆けつけた冒険者たちはゴブリンの妨害を防ぎつつ、巨人族に向けて矢を放ち続けている。
リズの姿も見えるが、彼女は手傷を負った冒険者や近づいて来ようとするゴブリンに向けて、状態異常系の魔法を唱えているようだ。
本来リズは治癒を専門とする神官になる。しかし、こういった緊急事態には攻撃性の魔法も撃てるのだとか。
「えーと、入口入口……あっ、もしかして岩で見えにくくなってる黒い扉かな?」
エドナが櫓の入口を見つけ、そのまま中へと向かおうとすると。
「ゴブブ……ニンゲンココニ――ゴブッ!? テッタイ、テッタイ!!」
――といった感じで、エドナの姿を見てすぐにいなくなるゴブリンの姿があった。
「ん~? いま何か話しかけられた? 気のせいだよね」
ゴブリンが迫って来ていたことに気づかずに、エドナは櫓の中に入る。そこには外の様子を気にかける警備兵が二人と、装置前で監視する警備兵の姿があった。
「あ、あの~……転送していいですか~?」
エドナは転送前にいた警備兵に声をかける。
「うわぁっ!? って、驚かせないでくれよ。転送? そこの床の上に乗れば移動出来るよ。冒険者たちが逃がしてくれたんだろう? それなら急ぎなよ」
いきなり現れたわけじゃないんだけど、こんな状況だからしょうがないかな。
「ありがとう~! あの、どこに飛ぶことになるんですか?」
「レジェンダロアからは北方のトレニア帝国の近くに飛ぶことになるね」
「そこって魔法学園がある……?」
まさかこんな早くに向かえることになるなんて。ライラたちのことだから、もしかしたら十二歳になるまで遠回りして色々旅をさせてくれるとは思うけど。
「おっ、よく知ってるね。近いとはいえ、いくつか山を越えたりする必要があるし、確か海を渡る必要があったかな……まぁ、とにかくそこの台座の上に乗れば移動出来るから」
警備兵の人に教えられ、転送の台座に乗ったその時だった。
「う、うわーーー!!!」
声がした方を見ると、外から攻撃を繰り返していた巨人族が装置のあるここまで攻撃の手を伸ばしていた。
「冒険者の女の子! 早く行くんだー!!」
「は、はいっ、みなさんもどうか気をつけ――あっ」
魔力の流れを確認させ、装置を起動させようとしていた警備兵が慌てて装置を動かしてエドナを転送。エドナはお礼も言えずに、トレニア帝国の国境所に転送された。
「……あれ? 誰もいない……トレニア帝国の国境所だよね?」
転送装置が不完全だったのか、それともレジェンダロア国境所で不具合があったのか、エドナはひと気の無い国境所に転送されていた。
11
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。


少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる