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第一章:生まれつきのスキル
8.彼女たち、努力させる!?
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神殿で賢者テミドに遭遇してしまった。
これ自体は驚くほどでもなかったが、果たして1人で何をしていたのかは気になる所。
あいつらは、Sランクパーティーとして3人で行動を共にしている。
荷物持ちとして無理やり連れていかれた時にも感じたが、賢者だけ独断で動いているようなそんな感じに見えた。
恐らく冒険者たちが崇め恐れているのは、勇者と聖女の2人。
短気な賢者とは考え方も違うだろうし、冷静に冷淡に攻撃を仕掛けて来るはず。
だからこそテミドを泳がした。
勇者たちがまだラクルの町周辺にいるのなら、やりようはある。
しかしすでに離れ、テミドだけ単独行動させていたのなら、おれとしても確実な強さを身につけておく必要がある。
ラクルに戻って来たし、まずは落ち着こう……そう思っていたがおれが思うよりも、
「まったく全く~ですよっ! 何なんですかあの男は!! アックさんにあんなことを言って、挙句の果てに攻撃をしようとしていたんですよ! 腹が立って仕方ないです!!」
「いや、何でルティが――」
「本当ですわね。あたしが見逃していたばかりに、アックさまに嫌な思いをさせてしまいましたわ」
「スキュラのせいじゃな……」
「マスターが止めなければ、妾だけでも動いたのに~!!」
「ご、ごめん!?」
――といった感じで、おれ以上に彼女たちの闘争本能に火がついてしまった。
ガチャで仲間になったわけではないとはいえ、スキュラが強そうなのは何となく分かるし、フィーサの剣としての強さもきっとすごいはず。
そうなると出来ることといえば、彼女たちを成長させつつおれの力を上げまくること。
勇者たちのレベルとどれくらいの開きがあるのかは、サーチスキルでもない限り調べようがない。
それを気にするよりも、成長しまくってあいつらに泣きを見せてもらう。
それが最短かつ、最強のやり方だろう。
「アックさん! わたしに考えがあるのですが、聞いてくれますか?」
「うん? それは?」
「アックさんをわたしの故郷にお連れして、灼熱温泉に浸かってもらうんですよ! そうすれば生まれ変わるんじゃないかと!!」
「故郷って、火山渓谷の……?」
「はいっっ!」
それは別の意味で生まれ変わりそうなんだが……。
レアガチャでルティを引いたのはいいが、ロキュンテはラクルと真逆の大地にある。
そこに行くのはどうやってってなるだろうし、時間をかけると勇者たちを調子に乗らせる恐れがありそうだ。
非現実的だろうな。
「ルティの気持ちは嬉しいけど、ロキュンテは遠い。だから、キミの努力は別の形で受け取るよ」
「はふぅぅ……そ、それならっ! もっと即効性のあるドリンクを作らせていただきます! 頑張りますよ~」
そういうとルティは樽を抱えて、どこかに走って行ってしまった。
最初の頃よりも愉快な彼女になってしまったが、それはそれで楽しいからいいか。
「マスターは決して弱くないの。だから妾が選んだんだよ! 怪力だけの小娘だと強さの底が上がらないから、マスターさえよければ妾が剣の特訓をしてあげるっ!」
「具体的にはどうやって?」
「たくさん倒すだけだよ! 剣はそういうものだもん。荷物持ちはよく分からないけど、マスターは決まった形じゃないんだよね?」
「ジョブのことかな?」
「うん、それそれ! それなら何でも覚えられるし、すごく強くなるよ! だから一緒に成長しよ?」
「倒す……そうか。そうだよな、ルティにつられて拳で何とかしようとしてたけど、魔法とか剣で強くなれるんなら、そっちの方が近いだろうしそうしようかな」
考えてみればスキュラは別として、ガチャで彼女たちを引き、駆け足で上がって来た気がするがその辺の敵と戦ってもいないし、ダンジョンにも潜っていない。
戦わないと成長しないなら、そうするしかないな。
「アックさま。それならば、魔法を覚えてみませんこと?」
「スキルが無くても覚えられるもの?」
「いえ、ガチャスキル……魔石を使いこなしているという時点で、魔力は十分に備わっておりますわ。アックさまはまだ何も知らない赤子のようなもの。可愛がって差し上げ……ではなく、素質は間違いなくありますわ」
魔石によるガチャスキルは、生まれつきのもの。
ただそれ以外のことをして来たことは無かっただけで、属性結晶を使えたことは意外だった。
聖女からの状態異常に耐えて生き延びたことも、自分の体に耐性がすでに出来上がったことを意味しているし、そうなれば次の段階は攻撃的な魔法を使えるようになるだけ。
それについてはスキュラは属性魔法に長けていそうだし、魔法は彼女に教わるとするか。
Sランクパーティーだとか関係ないくらい強くなって、必ず這い上がってやる。
「あぁ、楽しみだ」
「フフッ、それはあたしもですわ! あなたさまの最期まで、全て面倒を見て差し上げますわ」
「あ、ありがとう……」
ラクルを離れて別の町か、国に行ってみるかな。
これ自体は驚くほどでもなかったが、果たして1人で何をしていたのかは気になる所。
あいつらは、Sランクパーティーとして3人で行動を共にしている。
荷物持ちとして無理やり連れていかれた時にも感じたが、賢者だけ独断で動いているようなそんな感じに見えた。
恐らく冒険者たちが崇め恐れているのは、勇者と聖女の2人。
短気な賢者とは考え方も違うだろうし、冷静に冷淡に攻撃を仕掛けて来るはず。
だからこそテミドを泳がした。
勇者たちがまだラクルの町周辺にいるのなら、やりようはある。
しかしすでに離れ、テミドだけ単独行動させていたのなら、おれとしても確実な強さを身につけておく必要がある。
ラクルに戻って来たし、まずは落ち着こう……そう思っていたがおれが思うよりも、
「まったく全く~ですよっ! 何なんですかあの男は!! アックさんにあんなことを言って、挙句の果てに攻撃をしようとしていたんですよ! 腹が立って仕方ないです!!」
「いや、何でルティが――」
「本当ですわね。あたしが見逃していたばかりに、アックさまに嫌な思いをさせてしまいましたわ」
「スキュラのせいじゃな……」
「マスターが止めなければ、妾だけでも動いたのに~!!」
「ご、ごめん!?」
――といった感じで、おれ以上に彼女たちの闘争本能に火がついてしまった。
ガチャで仲間になったわけではないとはいえ、スキュラが強そうなのは何となく分かるし、フィーサの剣としての強さもきっとすごいはず。
そうなると出来ることといえば、彼女たちを成長させつつおれの力を上げまくること。
勇者たちのレベルとどれくらいの開きがあるのかは、サーチスキルでもない限り調べようがない。
それを気にするよりも、成長しまくってあいつらに泣きを見せてもらう。
それが最短かつ、最強のやり方だろう。
「アックさん! わたしに考えがあるのですが、聞いてくれますか?」
「うん? それは?」
「アックさんをわたしの故郷にお連れして、灼熱温泉に浸かってもらうんですよ! そうすれば生まれ変わるんじゃないかと!!」
「故郷って、火山渓谷の……?」
「はいっっ!」
それは別の意味で生まれ変わりそうなんだが……。
レアガチャでルティを引いたのはいいが、ロキュンテはラクルと真逆の大地にある。
そこに行くのはどうやってってなるだろうし、時間をかけると勇者たちを調子に乗らせる恐れがありそうだ。
非現実的だろうな。
「ルティの気持ちは嬉しいけど、ロキュンテは遠い。だから、キミの努力は別の形で受け取るよ」
「はふぅぅ……そ、それならっ! もっと即効性のあるドリンクを作らせていただきます! 頑張りますよ~」
そういうとルティは樽を抱えて、どこかに走って行ってしまった。
最初の頃よりも愉快な彼女になってしまったが、それはそれで楽しいからいいか。
「マスターは決して弱くないの。だから妾が選んだんだよ! 怪力だけの小娘だと強さの底が上がらないから、マスターさえよければ妾が剣の特訓をしてあげるっ!」
「具体的にはどうやって?」
「たくさん倒すだけだよ! 剣はそういうものだもん。荷物持ちはよく分からないけど、マスターは決まった形じゃないんだよね?」
「ジョブのことかな?」
「うん、それそれ! それなら何でも覚えられるし、すごく強くなるよ! だから一緒に成長しよ?」
「倒す……そうか。そうだよな、ルティにつられて拳で何とかしようとしてたけど、魔法とか剣で強くなれるんなら、そっちの方が近いだろうしそうしようかな」
考えてみればスキュラは別として、ガチャで彼女たちを引き、駆け足で上がって来た気がするがその辺の敵と戦ってもいないし、ダンジョンにも潜っていない。
戦わないと成長しないなら、そうするしかないな。
「アックさま。それならば、魔法を覚えてみませんこと?」
「スキルが無くても覚えられるもの?」
「いえ、ガチャスキル……魔石を使いこなしているという時点で、魔力は十分に備わっておりますわ。アックさまはまだ何も知らない赤子のようなもの。可愛がって差し上げ……ではなく、素質は間違いなくありますわ」
魔石によるガチャスキルは、生まれつきのもの。
ただそれ以外のことをして来たことは無かっただけで、属性結晶を使えたことは意外だった。
聖女からの状態異常に耐えて生き延びたことも、自分の体に耐性がすでに出来上がったことを意味しているし、そうなれば次の段階は攻撃的な魔法を使えるようになるだけ。
それについてはスキュラは属性魔法に長けていそうだし、魔法は彼女に教わるとするか。
Sランクパーティーだとか関係ないくらい強くなって、必ず這い上がってやる。
「あぁ、楽しみだ」
「フフッ、それはあたしもですわ! あなたさまの最期まで、全て面倒を見て差し上げますわ」
「あ、ありがとう……」
ラクルを離れて別の町か、国に行ってみるかな。
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