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侯爵家の玄関を出ると、馬車の前でレインは私を待っていた。
サーシャは30分も前に屋敷を出たようだった。
レインと鉢合わせるのを避ける為だろう。
「おはよう。その……」
気まずさ全開の出迎えだ。
唇を軽く噛んでいる様子で、彼の内心の葛藤が感じられる。
「おはようございます。レイン」
私は氷のように鋭く彼を一瞥する。
レインの手を借りずに馬車に乗り込むと、無言で席に座った。
馬車はゆっくりと学園へ向かって走り出した。
「体は、大丈夫?その……何度か見舞に言ったんだけど、いつも眠っていると言われたから」
「そう。サーシャはいたんじゃない?」
レインの全身から放たれる緊張感で車内の空気が張り詰める。
私の見舞いに来たのか、サーシャに会いに来たのかどっちが目的なのか。
レインは軽く咳払いをして、座席に置いていた小さな箱を私に手渡した。
「これ、その……快気祝いというか。可愛いブレスレットを見つけたから君にプレゼントしようと思って」
「ああ……」
急にプレゼントですって。
いらないわと言って窓から投げ捨てようかしら。
大人げないわね。けれど受け取る気もない。
「今まであまり……こういう物を渡したことがなかったなと思って」
「私はいりませんわ。サーシャにあげれば喜ぶと思いますので、渡しておきましょうか?」
「いや、それは君に……サーシャは、違うんだ……」
レインの声がわずかに震える。
情けない。
そんなに怖がるくらいなら、最初から迎えになんて来なければいいのに。
「私は大丈夫ですから、サーシャを守ってあげて下さい。涙ながらに私にいろいろ言い訳していましたから」
「だから、それは違うんだ。サーシャとはなんでもない。僕の婚約者はメイベル、君なんだから!」
「あら、覚えてらしたのね?私が婚約者だってこと」
私は、ふふ、と嫌味を含んだ冷たい微笑みを見せた。
騎士科で何を教わっているのやら、彼の脚が生まれたての子鹿みたいにプルプル震えている。
「馬車の中ではゆっくり話ができないから、放課後どこかでお茶でもしながら話せないだろうか?」
レインはそれでも一生懸命、なんとか言葉を発する。
虐めようとしている訳ではないのだけど、私が悪者みたいでしんどいわ。
「承知しましたわ。では、我が家で話しましょう。サーシャも交えて3人で話ができればいいですね。いつもはサーシャとあなたの二人だけでお茶してらしたから」
サーシャも帰っている時間だろうからちょうどいいわ。
私は婚約解消するから、二人で新しく婚約し直すように言いましょう。
「そ、その……申し訳ない。すまなかった」
レインは勢いよく頭を下げた。
ちょうど馬車が揺れたせいで、レインは馬車のドアに頭をぶつけ、ゴツンと鈍い音がした。
「なにに対しての謝罪でしょうか?私は怒ってなどいません。ただ、なぜ、レイン様はサーシャに婚約を申し込まないのか不思議なだけです」
「君という婚約者がいるんだ!なぜサーシャに申し込まなければならない」
「え?だって、二人とも抱き合っていましたよね?真実の愛を見付けられたのではないのですか?」
不思議だとでもいう様に、きょとんとした眼差しで、彼の青ざめる顔をじっくり観察した。
以前は、こんなにはっきり嫌味な態度を取ることはなかった。
言われたことに従い、自分の意見はよほどでないと口に出さない。
従順で、淑女の鑑と言われたメイベル。
周囲の出来事に興味を示すこともなく、ただ機械的に生きていた。
そんな私はもういない。
私には前とは違い、自信に満ちた態度で自らの道を切り開く決意がある。
周囲の反応に一喜一憂することなく、堂々と進んでいく。
今の私は千鶴だった。
***
侯爵家の応接室は、彫刻が施された重厚なソファーが中心に配置され、高位貴族や王家の方々の訪問があっても対応できるよう立派なつくりになっている。
壁には、美しいタペストリーと絵画が飾られ、天井にはシャンデリアが煌めいている。
メイドがティーポットからお茶を注ぎ、ティーカップを私たちの前に出した。
「お姉様、私は……その……お父様から、もうレイン様には会うなと言われています。ですからこういうことは困るんですが」
屋敷に帰って来ていたサーシャは、私に呼ばれて応接室へやって来た。
お父様は王宮に出仕していて、お母様は貴族の婦人会の集まりで出かけている。
「メイベルと話をしようと侯爵邸に寄ったんだけど、サーシャも呼ぶようメイベルに言われたんだ」
「レイン様、お姉様とお二人で、どうぞゆっくりお話しください」
サーシャは目をウルウルさせてレインを見つめる。
庇護欲をそそるその姿は誰が見ても守ってあげたくなるだろう。
この状況。邪魔者は完全に私である。
「サーシャにも関係ある大事な話だから、ここに呼んだのよ」
私はそういうと、美しい所作でお茶を飲んだ。
「いいえ、私は必要ないかと……」
「メイベル。まず、君は僕たちの仲を誤解している。その説明がしたいんだ」
「そうですわ、お姉様!」
「僕は婚約者として、君のことを僕なりに大切にしていた。仕事や学業の邪魔にならないよう、陰からそっと見守っていたつもりだ。図書室の手伝いの日も、君を送るため、作業が終わるまで待っていた。その時の様子をたまたまメイベルが見ただけで、サーシャとは普通に話をしていただけだ」
真剣な表情を崩さず、私の目を真っ直ぐに見つめ、レインは熱く語った。
「僕はメイベルを支えていたつもりだ。王都の街へ行くときも、いつも君を誘っていただろう?けれど、忙しくて時間が取れないと断られた。パーティーや、お茶会のパートナーも、タイミングが合わなかったから一緒に参加できなかった。理由があるのに、婚約者を蔑ろにしていたと取られたのは僕としても残念なことなんだ」
レインの信じてほしいと願う姿は、切実さと希望が入り混じっている。
けれど……
けれどね。
「この応接セットのソファーに、なぜ二人、横並びで座っているの?」
他にも椅子があるでしょう。
「……え?」
「……はっ!」
私が座っている椅子も一人掛けではないのだから、レインは私の横に座ることだってできますわよね。
目の前の光景に対して、呆れて指摘するのもどうかと思うけど、気づきは大切よね。
「恋人同士の座り方ですわね。なにも気にせず、すんなり腰を下せるサーシャの度胸に感心しますわ」
それに注意をしないレインにもだけど。
優雅さを兼ね備えた侯爵家の応接室。
大きな窓からは、上質なカーテンが優雅に垂れ下がり、柔らかな自然光が部屋を照らしていた。
サーシャは30分も前に屋敷を出たようだった。
レインと鉢合わせるのを避ける為だろう。
「おはよう。その……」
気まずさ全開の出迎えだ。
唇を軽く噛んでいる様子で、彼の内心の葛藤が感じられる。
「おはようございます。レイン」
私は氷のように鋭く彼を一瞥する。
レインの手を借りずに馬車に乗り込むと、無言で席に座った。
馬車はゆっくりと学園へ向かって走り出した。
「体は、大丈夫?その……何度か見舞に言ったんだけど、いつも眠っていると言われたから」
「そう。サーシャはいたんじゃない?」
レインの全身から放たれる緊張感で車内の空気が張り詰める。
私の見舞いに来たのか、サーシャに会いに来たのかどっちが目的なのか。
レインは軽く咳払いをして、座席に置いていた小さな箱を私に手渡した。
「これ、その……快気祝いというか。可愛いブレスレットを見つけたから君にプレゼントしようと思って」
「ああ……」
急にプレゼントですって。
いらないわと言って窓から投げ捨てようかしら。
大人げないわね。けれど受け取る気もない。
「今まであまり……こういう物を渡したことがなかったなと思って」
「私はいりませんわ。サーシャにあげれば喜ぶと思いますので、渡しておきましょうか?」
「いや、それは君に……サーシャは、違うんだ……」
レインの声がわずかに震える。
情けない。
そんなに怖がるくらいなら、最初から迎えになんて来なければいいのに。
「私は大丈夫ですから、サーシャを守ってあげて下さい。涙ながらに私にいろいろ言い訳していましたから」
「だから、それは違うんだ。サーシャとはなんでもない。僕の婚約者はメイベル、君なんだから!」
「あら、覚えてらしたのね?私が婚約者だってこと」
私は、ふふ、と嫌味を含んだ冷たい微笑みを見せた。
騎士科で何を教わっているのやら、彼の脚が生まれたての子鹿みたいにプルプル震えている。
「馬車の中ではゆっくり話ができないから、放課後どこかでお茶でもしながら話せないだろうか?」
レインはそれでも一生懸命、なんとか言葉を発する。
虐めようとしている訳ではないのだけど、私が悪者みたいでしんどいわ。
「承知しましたわ。では、我が家で話しましょう。サーシャも交えて3人で話ができればいいですね。いつもはサーシャとあなたの二人だけでお茶してらしたから」
サーシャも帰っている時間だろうからちょうどいいわ。
私は婚約解消するから、二人で新しく婚約し直すように言いましょう。
「そ、その……申し訳ない。すまなかった」
レインは勢いよく頭を下げた。
ちょうど馬車が揺れたせいで、レインは馬車のドアに頭をぶつけ、ゴツンと鈍い音がした。
「なにに対しての謝罪でしょうか?私は怒ってなどいません。ただ、なぜ、レイン様はサーシャに婚約を申し込まないのか不思議なだけです」
「君という婚約者がいるんだ!なぜサーシャに申し込まなければならない」
「え?だって、二人とも抱き合っていましたよね?真実の愛を見付けられたのではないのですか?」
不思議だとでもいう様に、きょとんとした眼差しで、彼の青ざめる顔をじっくり観察した。
以前は、こんなにはっきり嫌味な態度を取ることはなかった。
言われたことに従い、自分の意見はよほどでないと口に出さない。
従順で、淑女の鑑と言われたメイベル。
周囲の出来事に興味を示すこともなく、ただ機械的に生きていた。
そんな私はもういない。
私には前とは違い、自信に満ちた態度で自らの道を切り開く決意がある。
周囲の反応に一喜一憂することなく、堂々と進んでいく。
今の私は千鶴だった。
***
侯爵家の応接室は、彫刻が施された重厚なソファーが中心に配置され、高位貴族や王家の方々の訪問があっても対応できるよう立派なつくりになっている。
壁には、美しいタペストリーと絵画が飾られ、天井にはシャンデリアが煌めいている。
メイドがティーポットからお茶を注ぎ、ティーカップを私たちの前に出した。
「お姉様、私は……その……お父様から、もうレイン様には会うなと言われています。ですからこういうことは困るんですが」
屋敷に帰って来ていたサーシャは、私に呼ばれて応接室へやって来た。
お父様は王宮に出仕していて、お母様は貴族の婦人会の集まりで出かけている。
「メイベルと話をしようと侯爵邸に寄ったんだけど、サーシャも呼ぶようメイベルに言われたんだ」
「レイン様、お姉様とお二人で、どうぞゆっくりお話しください」
サーシャは目をウルウルさせてレインを見つめる。
庇護欲をそそるその姿は誰が見ても守ってあげたくなるだろう。
この状況。邪魔者は完全に私である。
「サーシャにも関係ある大事な話だから、ここに呼んだのよ」
私はそういうと、美しい所作でお茶を飲んだ。
「いいえ、私は必要ないかと……」
「メイベル。まず、君は僕たちの仲を誤解している。その説明がしたいんだ」
「そうですわ、お姉様!」
「僕は婚約者として、君のことを僕なりに大切にしていた。仕事や学業の邪魔にならないよう、陰からそっと見守っていたつもりだ。図書室の手伝いの日も、君を送るため、作業が終わるまで待っていた。その時の様子をたまたまメイベルが見ただけで、サーシャとは普通に話をしていただけだ」
真剣な表情を崩さず、私の目を真っ直ぐに見つめ、レインは熱く語った。
「僕はメイベルを支えていたつもりだ。王都の街へ行くときも、いつも君を誘っていただろう?けれど、忙しくて時間が取れないと断られた。パーティーや、お茶会のパートナーも、タイミングが合わなかったから一緒に参加できなかった。理由があるのに、婚約者を蔑ろにしていたと取られたのは僕としても残念なことなんだ」
レインの信じてほしいと願う姿は、切実さと希望が入り混じっている。
けれど……
けれどね。
「この応接セットのソファーに、なぜ二人、横並びで座っているの?」
他にも椅子があるでしょう。
「……え?」
「……はっ!」
私が座っている椅子も一人掛けではないのだから、レインは私の横に座ることだってできますわよね。
目の前の光景に対して、呆れて指摘するのもどうかと思うけど、気づきは大切よね。
「恋人同士の座り方ですわね。なにも気にせず、すんなり腰を下せるサーシャの度胸に感心しますわ」
それに注意をしないレインにもだけど。
優雅さを兼ね備えた侯爵家の応接室。
大きな窓からは、上質なカーテンが優雅に垂れ下がり、柔らかな自然光が部屋を照らしていた。
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