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「メイベル様、今日、レイン様がいつも通りに迎えにいらしたのですが、サーシャ様は我が侯爵家の馬車で学院へ登校されました」
メイドのララが私の朝食を運びながらそう報告してくれた。
「え……と、それって、レインと一緒の馬車には乗らなかったってこと?」
「ええ。別々の馬車で行かれました」
「急に一緒に行かなくなったなんておかしいわね」
そんなにあからさまな行動に出たら、まるで不義があったと認めているようなものじゃない。
やはり、昨日の私の『キス』していた発言が影響していると思われる。
「レイン様はメイベル様の婚約者です。サーシャ様が妹だとはいえ、若い男女が密室で二人きりになるのはよくないと思います。今まで旦那様がお許しになっていたことがおかしかったのですわ。今までの行動は、メイベル様に対して大変失礼だったと思います」
ララは幼い頃から私付きのメイドとして傍にいた。家族よりも私に近いといっていい存在だから、いつも私の味方になってくれる。
「ララ。レインの気持ちがサーシャにあるのなら、私は彼と結婚したくない。たとえ政略結婚だとしても、我慢して一生添い遂げるなんて不幸でしかないわ。窓から落ちてそれに気が付いたの」
ララは沈痛な面持ちで何度も頷いた。
「そうなんですね。メイベル様の気持ちが一番大事です。私はお嬢様には幸せでいてもらいたいです。最初から別の人に気があるような婚約者だなんてあんまりですわ。やましいことが無いんだったら、今まで通り同じ馬車で登校されたと思います」
「婚約者としてレインには誠実であって欲しいと思っていた。けれど、サーシャを好きなら仕方がないわね。彼には正直に気持ちを伝えてほしいと思っているの。無理やり結婚してしまうのはよくないわ」
「今更体裁を取り繕うなんて、レイン様もどういうつもりなんでしょう。メイベル様には言えませんでしたけど、私はてっきりサーシャ様と婚約し直されると思っていました」
私もそう思っていた。この家に来ても、私に会いに来たわけではなかった。レインはいつもサーシャとお茶をしていた。
屋敷の使用人ですら気が付いていたのだから確かに今更だ。
「誰が見ても、彼の気持ちはサーシャにあったわ。サーシャも満更ではなかったでしょうから、そうなるはずよね」
開き直って、サーシャへの愛を確認し合う道には進まなかったのかしら?
「やはり、サーシャ様では侯爵家の跡取りとしてやっていくのが難しいからですかね。メイベル様を手放さないために、このまま結婚を強行されるのでしょうか?」
「その可能性はあるわね。けれど、どっちにしろ、私はこのままレインの婚約者でいたくないわ」
「ええ、もちろんです。あんな浮気者こちらから願い下げですわ!お嬢様にはもっと素晴らしいお相手が見つかります」
私は、婚約解消でも、破棄でも、白紙でもなんでもいいからさっさと彼との関係を終わらせたいと思っていた。
「なんとかして、早く婚約解消にならないかしら」
***
そのまま私は家でゆっくり3日間休養を取った。
何度か両親も部屋に様子を見に来たようだけど、ララに眠っているからと断ってもらった。
けれど、いつまでもベッドで寝ている訳にはいかない。
私もそろそろ行動を起こさなくてはならないと思った。
「お父様、執務の手伝いの件ですが、私が休んでいる間でも優秀な執事や現役のお父様がいらっしゃいますので、滞りなく進んでいるようですね」
「いや……その、メイベルがいなくては私の自由が利かない。領地へ足を運ばなくてはならないし事務関係の書類も溜まっている。数時間でも手伝ってくれたら助かるのだが」
「いいえ、お父様。この先のことを考えたら、手伝うのはレインの仕事ではないでしょうか?」
「どういう意味だ?」
レインは単純に、結婚後も私に侯爵家の仕事を丸投げしようと考えていた。
執務は大変だし難しい。
彼も頭は悪くないが、騎士として自分は自由にやっていきたいと思っているのは確かだ。
結婚後は仕事を私に任せて、自分は今まで通り遊び回りたいのだとしか思えない。
侯爵という爵位を手に入れ、大変な仕事は家に閉じ込めた妻にやらせようと考えていただけだろう。
「私は侯爵家の跡継ぎとして、今まで教育されてきました。けれど、レインはサーシャと結婚するでしょう。お互い想い合っていますから。そうなれば、侯爵家の仕事はレインとサーシャがする事になります。私は後を継がないですから」
「な、なにを言っているんだ!今まで、苦労して領地経営や執務を学んできただろう!私は幼い頃から、メイベルの教育に力を注いできた。その意味が分かるか?サーシャには無理だからだ」
サーシャが無理ならレインがすればいい。意味が分かるか?お父様。
「ですが、サーシャとレインは愛し合っているでしょう。私は婚約者ですが、今まで一度もレインから、婚約者らしい扱いを受けた記憶はありません。サーシャよりもずっと下にみられていました。婚約は解消して下さい」
「それはできない。お前も分かっているだろう。これは政略結婚だ、好きだからと言って結ばれる物ではない。貴族に生れた以上、政略結婚は当たり前の常識だ」
お父様には話が通じないと思った。
あんな事があったのに、まだレインとの婚約を続けろと言うのか。
私は二人の逢瀬を見、窓から落ちた。そして3日も意識が戻らなかったのに、それを知っているのに結婚をさせようとするのか。
「私は、二人の逢瀬を何度も見ているのですよ?実の妹に気があるレインと結婚しろというのですか?」
婚約者である私が寄り添い合う二人を見て、ショックを受けないと思っているのだろうか。
それくらい我慢しろと言っているのだろうか。
「レインはそんなつもりはないと言っていた。婚約者の交代も望んではいない。サーシャはお前の妹としてみていただけだと言っている。サーシャも無邪気なだけで悪意はない」
そんな馬鹿な話はない。
サーシャには悪気はなかった。
だから許さなくてはならないのか……
「私は何度も注意しました。妹だからといって、姉の婚約者と二人きりで会うのはおかしいと言いました。けれど、彼らはそれくらい良いだろうという考えでした」
「確かに、考えが甘かった。そこは否めない。だが、これからはそんな事がないよう気を付けると言っている。お前も、妹に嫉妬しているだけだろう。そんなくだらない事に拘ってどうする」
「今まで一度だって私は大切にされたことはありませんでした。ショッピングや祭り、イベント、茶会、カフェにも彼はサーシャを伴い参加していました。それを嫉妬だったというのなら、そうなのかもしれない。けれどもう、その段階はとうに過ぎていて、今はレインに近づくのも気持ちが悪い状態です。もう手遅れです」
お父様は言い返されるのに慣れていない。
その表情には、驚きと失望が入り混じっている。
「な……お前は、急になんでそんなことを言い出すのだ。今まで私に反論などしなかったではないか」
まさか私が口答えするなど、思ってなかったのだろう。
完全に理解不能という感覚が伝わる。
「今までは我慢していました。けれど、もう限界です。思っていたことを口に出さなかったから、こんなことになってしまいました。ですから、これからは自分のやりたいようにさせて頂きます」
このまま話し合っても埒が明かない。
「駄目だ。婚約は継続だ。解消はない。話はこれで終わりだ」
「……」
親が決める結婚が当たり前の時代だ。私の意志は関係ないのだろう。彼にとっては私の幸せなんてどうでもいいことなのかもしれない。
「承知しました。では、解消になるまで私は執務の手伝いを放棄します」
「……っ、なんだと!」
お父様は怒りのあまり苛立った様子で、拳でテーブルをドンと叩いた。
「お、お前は!貴族の令嬢としての気概が足りない!」
「その言葉、そっくりそのままサーシャに言えばいいのでは?」
私は決然とした表情で冷笑を浮かべ、その場から立ち去った。
自分の価値観や信念を守り抜く姿は、まるで千鶴そのもの。
今の私は、困難や危険に立ち向かう精神的強さを持っている。
私は鋼鉄の意志を持っている。
自らの行動に誇りを持ち、戦いにおいて実践する真の侍魂を持っている。
メイドのララが私の朝食を運びながらそう報告してくれた。
「え……と、それって、レインと一緒の馬車には乗らなかったってこと?」
「ええ。別々の馬車で行かれました」
「急に一緒に行かなくなったなんておかしいわね」
そんなにあからさまな行動に出たら、まるで不義があったと認めているようなものじゃない。
やはり、昨日の私の『キス』していた発言が影響していると思われる。
「レイン様はメイベル様の婚約者です。サーシャ様が妹だとはいえ、若い男女が密室で二人きりになるのはよくないと思います。今まで旦那様がお許しになっていたことがおかしかったのですわ。今までの行動は、メイベル様に対して大変失礼だったと思います」
ララは幼い頃から私付きのメイドとして傍にいた。家族よりも私に近いといっていい存在だから、いつも私の味方になってくれる。
「ララ。レインの気持ちがサーシャにあるのなら、私は彼と結婚したくない。たとえ政略結婚だとしても、我慢して一生添い遂げるなんて不幸でしかないわ。窓から落ちてそれに気が付いたの」
ララは沈痛な面持ちで何度も頷いた。
「そうなんですね。メイベル様の気持ちが一番大事です。私はお嬢様には幸せでいてもらいたいです。最初から別の人に気があるような婚約者だなんてあんまりですわ。やましいことが無いんだったら、今まで通り同じ馬車で登校されたと思います」
「婚約者としてレインには誠実であって欲しいと思っていた。けれど、サーシャを好きなら仕方がないわね。彼には正直に気持ちを伝えてほしいと思っているの。無理やり結婚してしまうのはよくないわ」
「今更体裁を取り繕うなんて、レイン様もどういうつもりなんでしょう。メイベル様には言えませんでしたけど、私はてっきりサーシャ様と婚約し直されると思っていました」
私もそう思っていた。この家に来ても、私に会いに来たわけではなかった。レインはいつもサーシャとお茶をしていた。
屋敷の使用人ですら気が付いていたのだから確かに今更だ。
「誰が見ても、彼の気持ちはサーシャにあったわ。サーシャも満更ではなかったでしょうから、そうなるはずよね」
開き直って、サーシャへの愛を確認し合う道には進まなかったのかしら?
「やはり、サーシャ様では侯爵家の跡取りとしてやっていくのが難しいからですかね。メイベル様を手放さないために、このまま結婚を強行されるのでしょうか?」
「その可能性はあるわね。けれど、どっちにしろ、私はこのままレインの婚約者でいたくないわ」
「ええ、もちろんです。あんな浮気者こちらから願い下げですわ!お嬢様にはもっと素晴らしいお相手が見つかります」
私は、婚約解消でも、破棄でも、白紙でもなんでもいいからさっさと彼との関係を終わらせたいと思っていた。
「なんとかして、早く婚約解消にならないかしら」
***
そのまま私は家でゆっくり3日間休養を取った。
何度か両親も部屋に様子を見に来たようだけど、ララに眠っているからと断ってもらった。
けれど、いつまでもベッドで寝ている訳にはいかない。
私もそろそろ行動を起こさなくてはならないと思った。
「お父様、執務の手伝いの件ですが、私が休んでいる間でも優秀な執事や現役のお父様がいらっしゃいますので、滞りなく進んでいるようですね」
「いや……その、メイベルがいなくては私の自由が利かない。領地へ足を運ばなくてはならないし事務関係の書類も溜まっている。数時間でも手伝ってくれたら助かるのだが」
「いいえ、お父様。この先のことを考えたら、手伝うのはレインの仕事ではないでしょうか?」
「どういう意味だ?」
レインは単純に、結婚後も私に侯爵家の仕事を丸投げしようと考えていた。
執務は大変だし難しい。
彼も頭は悪くないが、騎士として自分は自由にやっていきたいと思っているのは確かだ。
結婚後は仕事を私に任せて、自分は今まで通り遊び回りたいのだとしか思えない。
侯爵という爵位を手に入れ、大変な仕事は家に閉じ込めた妻にやらせようと考えていただけだろう。
「私は侯爵家の跡継ぎとして、今まで教育されてきました。けれど、レインはサーシャと結婚するでしょう。お互い想い合っていますから。そうなれば、侯爵家の仕事はレインとサーシャがする事になります。私は後を継がないですから」
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サーシャが無理ならレインがすればいい。意味が分かるか?お父様。
「ですが、サーシャとレインは愛し合っているでしょう。私は婚約者ですが、今まで一度もレインから、婚約者らしい扱いを受けた記憶はありません。サーシャよりもずっと下にみられていました。婚約は解消して下さい」
「それはできない。お前も分かっているだろう。これは政略結婚だ、好きだからと言って結ばれる物ではない。貴族に生れた以上、政略結婚は当たり前の常識だ」
お父様には話が通じないと思った。
あんな事があったのに、まだレインとの婚約を続けろと言うのか。
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「私は、二人の逢瀬を何度も見ているのですよ?実の妹に気があるレインと結婚しろというのですか?」
婚約者である私が寄り添い合う二人を見て、ショックを受けないと思っているのだろうか。
それくらい我慢しろと言っているのだろうか。
「レインはそんなつもりはないと言っていた。婚約者の交代も望んではいない。サーシャはお前の妹としてみていただけだと言っている。サーシャも無邪気なだけで悪意はない」
そんな馬鹿な話はない。
サーシャには悪気はなかった。
だから許さなくてはならないのか……
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「確かに、考えが甘かった。そこは否めない。だが、これからはそんな事がないよう気を付けると言っている。お前も、妹に嫉妬しているだけだろう。そんなくだらない事に拘ってどうする」
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