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荒い呼吸と共にうなり声をあげ、私は天蓋付きのベッドの上から飛び起きた。
夢……いいえ違うわ。
さっきまで学院の図書室にいたはずだけど、違う……私は……私は日本にいた。
夢の中で、見ず知らずの他人の記憶が頭の中に入ってきた。
どちらが現実か分からない混乱の中、突然目が覚めた。
冷たい汗が背中を伝って流れる。
私は前世を思い出した。
前世、私は武士が政治を行う世に生きた女剣士だった。
私は武家の妻『千鶴』で、薙刀術の修行を積み、薙刀の名手としても知られていた。
なんなら薙刀の免許皆伝を受けていた。
いや、そんな信じられないことってあるのだろうか。
まったく今の時代と違い、私は日本では堂々と生きていた。はっきりものを言い、しっかりと自分を持っていた。
旦那様に付き添い戦いに同行し、いくつもの武功を挙げていた。
それがいつの間にかこの時代に生を受け、メイベル・ラッシュになっている。
さっきまでは確かに、メイベル・ラッシュとして生きた記憶しかなかった。
図書室で、窓から落ちて……もしかして、その時にあっけなく死んでしまった?
いや、死んでいない。だって生きているから……原因はよくわからない。
けれど、前世だか何だか分からない記憶が私のものとなった。
***
「お嬢様!気が付かれたのですね!良かった。すぐに旦那様をお呼びいたします」
メイドのララが涙を浮かべながら、走って部屋を出て行った。
「……」
ああ……多分、怪我をしたんだ。
それでベッドに寝かされている。
確認のため腕を動かしてみる。上掛けをはいで、体のどこかに傷を負っていないかを確認した。
何処も怪我はない、足も動かせる。大丈夫なようだ。
頭に触れると、包帯が巻かれていた。
「頭を打ったのね」
「メイベル!」
「お嬢様!」
「お姉様」
勢いよく部屋に家族がなだれ込んできた。
皆に心配をかけたようだ。
「ごめんなさい。よく覚えてなくて……」
「お姉様は、窓から落っこちたのよ!1階だったから大丈夫だったけど、でも、3日も目が覚めなかったの」
サーシャが心配そうに眉を寄せて私に説明した。
ああ、私、3日も意識がなかったんだと思った。
その間にあの夢を見たんだ?意識がない状態の頭中に何故だか分からないけど、千鶴の記憶が入ってきた。
「すぐに医師がやってくる。どこか痛いところはないか?」
「ええ、大丈夫ですわ。お父様」
「なぜ、窓から乗り出したの?危険だわ。どれだけ心配したか……」
お母様は、私の手を握り優しく撫でた。
家族にこんなに心配してもらった事なんてなかった気がする。
熱を出しても、みんな私に付き添ってはくれなかった。
今回はなぜ?
疑問が頭をよぎった。
「そ、その……お姉様は、もしかして何か見たりしましたか?」
なんだか心配そうにサーシャが私に訊ねた。
「なにか?窓から落ちた時のこと?」
何かって、もしかしてサーシャとレインの逢瀬を私が見た事を言っているのかしら?
急に頭痛がして、私は頭を押さえた。
「いえ、何か……気になるものを見たから、窓から身を乗り出したのかしらと……思って……」
(冷静に今後の展開を見据えて発言するべきよ)メイベルだったら何も言わないだろう。
(けれど、家族で何か隠している気がする)心の中にいる千鶴がそう疑問を投げかける。
その内なる対話が、興奮を押しとどめ、冷静な対応を促してくれる。
「ああ、そうね。確かにあの時、サーシャとレインが林の中で隠れて口づけを交わしているのを見たわ」
そうだ、二人はキスをしていた。いいえ、本当はそこまで見てはいない。
ちょっとカマをかけてみた。
他のことに紛れさせて、誘導し、真相を話させる。千鶴がよく使う戦法だった。
「えっ……口づけ?」
「なっ!」
お父様が慌てて、サーシャを見た。
お母様も青ざめて、泡を吹いた魚のように口をパクパクとさせている。
メイドのララはサーシャを二度見する。
「いいえ!そんな……そんなことしていませんわ!」
わなわなと震えだし、サーシャは叫んだ。
途中で笑い出しそうになったけれど、私は何とか堪える。
「サーシャ!なんてことを!」
「いいえ、そんなことあるはずないでしょう?メイベルの見間違いよ?」
お母様は少し挙動不審になった。
「そうなのかしら……?でも、二人でいつもベタベタしているわよね。私と3人でいるより2人きりで部屋に閉じこもっている事の方が多いでしょう?」
わざとすっとぼけてそう言った。
「お姉様!そんなことないわ!」
「え?でも……学院でも皆が知っている事実だし……」
両親はその場で固まってしまった。
その時、トントンとドアがノックされ、ちょうど呼ばれた医師が部屋の中に入ってきた。
「し、しん、診察をしてもらいなさい。その間、私たちは部屋を出ていよう。さぁ、サーシャ、お母さんと一緒に隣の部屋へ行こう」
お父様は、医師を見ると私にそう告げた。
メイドのララは部屋の中で控えているし、医師だけ残して部屋を出ても問題ないと思ったのだろう。
きっと、この間、お父様はサーシャに事情を聞くはずだ。
サーシャとレインがキスをしていた事を確認しに別室へ行くのだ。
私は大げさに物事を表現したりはしない。それは家族の皆が知っている。
黙っていることはあっても、嘘は言わないし、紛らわしい言い回しもしない。
だから、サーシャとレインのキスは紛れもない事実となる。
私の口から報告される事、それが正しい情報だ。
いくらサーシャが否定しても、疑いの目で見られるのは間違いない。
「ララ、お医者様の診察が終わったら少し休みたいの。一人にしてくれたらありがたいわ」
「お嬢様、食事と水分は摂らなければなりませんので、それだけは用意させてください」
私がララにそう話すのを医師が聞いて、困ったように眉を上げた。
「お嬢様。まだ、診察は終わっていませんよ」
医師に注意され、私たちは静かになった。
大きな傷はないようだ。頭を打った影響で、3日ほど意識は戻らなかったようだけど、記憶もしっかりあるし問題はないだろうと医師の診断が下った。
しばらくの間は、大事を取って学院は休むようにと告げられる。
「先生、私、少しゆっくりしたいです。家族がいるといろいろ心配して質問してくるので……」
沈んだ顔つきで私が言うと。
「侯爵様には私から伝えておくので、メイベル様は休んで下さい。眠ると良いです」
医師は優しくそう言ってくれた。
あまり騒がないように両親に伝えてくれるらしい。
これからの計画を練るために、今は時間が必要だ。
そう考えて私はベッドに体を横たえた。
夢……いいえ違うわ。
さっきまで学院の図書室にいたはずだけど、違う……私は……私は日本にいた。
夢の中で、見ず知らずの他人の記憶が頭の中に入ってきた。
どちらが現実か分からない混乱の中、突然目が覚めた。
冷たい汗が背中を伝って流れる。
私は前世を思い出した。
前世、私は武士が政治を行う世に生きた女剣士だった。
私は武家の妻『千鶴』で、薙刀術の修行を積み、薙刀の名手としても知られていた。
なんなら薙刀の免許皆伝を受けていた。
いや、そんな信じられないことってあるのだろうか。
まったく今の時代と違い、私は日本では堂々と生きていた。はっきりものを言い、しっかりと自分を持っていた。
旦那様に付き添い戦いに同行し、いくつもの武功を挙げていた。
それがいつの間にかこの時代に生を受け、メイベル・ラッシュになっている。
さっきまでは確かに、メイベル・ラッシュとして生きた記憶しかなかった。
図書室で、窓から落ちて……もしかして、その時にあっけなく死んでしまった?
いや、死んでいない。だって生きているから……原因はよくわからない。
けれど、前世だか何だか分からない記憶が私のものとなった。
***
「お嬢様!気が付かれたのですね!良かった。すぐに旦那様をお呼びいたします」
メイドのララが涙を浮かべながら、走って部屋を出て行った。
「……」
ああ……多分、怪我をしたんだ。
それでベッドに寝かされている。
確認のため腕を動かしてみる。上掛けをはいで、体のどこかに傷を負っていないかを確認した。
何処も怪我はない、足も動かせる。大丈夫なようだ。
頭に触れると、包帯が巻かれていた。
「頭を打ったのね」
「メイベル!」
「お嬢様!」
「お姉様」
勢いよく部屋に家族がなだれ込んできた。
皆に心配をかけたようだ。
「ごめんなさい。よく覚えてなくて……」
「お姉様は、窓から落っこちたのよ!1階だったから大丈夫だったけど、でも、3日も目が覚めなかったの」
サーシャが心配そうに眉を寄せて私に説明した。
ああ、私、3日も意識がなかったんだと思った。
その間にあの夢を見たんだ?意識がない状態の頭中に何故だか分からないけど、千鶴の記憶が入ってきた。
「すぐに医師がやってくる。どこか痛いところはないか?」
「ええ、大丈夫ですわ。お父様」
「なぜ、窓から乗り出したの?危険だわ。どれだけ心配したか……」
お母様は、私の手を握り優しく撫でた。
家族にこんなに心配してもらった事なんてなかった気がする。
熱を出しても、みんな私に付き添ってはくれなかった。
今回はなぜ?
疑問が頭をよぎった。
「そ、その……お姉様は、もしかして何か見たりしましたか?」
なんだか心配そうにサーシャが私に訊ねた。
「なにか?窓から落ちた時のこと?」
何かって、もしかしてサーシャとレインの逢瀬を私が見た事を言っているのかしら?
急に頭痛がして、私は頭を押さえた。
「いえ、何か……気になるものを見たから、窓から身を乗り出したのかしらと……思って……」
(冷静に今後の展開を見据えて発言するべきよ)メイベルだったら何も言わないだろう。
(けれど、家族で何か隠している気がする)心の中にいる千鶴がそう疑問を投げかける。
その内なる対話が、興奮を押しとどめ、冷静な対応を促してくれる。
「ああ、そうね。確かにあの時、サーシャとレインが林の中で隠れて口づけを交わしているのを見たわ」
そうだ、二人はキスをしていた。いいえ、本当はそこまで見てはいない。
ちょっとカマをかけてみた。
他のことに紛れさせて、誘導し、真相を話させる。千鶴がよく使う戦法だった。
「えっ……口づけ?」
「なっ!」
お父様が慌てて、サーシャを見た。
お母様も青ざめて、泡を吹いた魚のように口をパクパクとさせている。
メイドのララはサーシャを二度見する。
「いいえ!そんな……そんなことしていませんわ!」
わなわなと震えだし、サーシャは叫んだ。
途中で笑い出しそうになったけれど、私は何とか堪える。
「サーシャ!なんてことを!」
「いいえ、そんなことあるはずないでしょう?メイベルの見間違いよ?」
お母様は少し挙動不審になった。
「そうなのかしら……?でも、二人でいつもベタベタしているわよね。私と3人でいるより2人きりで部屋に閉じこもっている事の方が多いでしょう?」
わざとすっとぼけてそう言った。
「お姉様!そんなことないわ!」
「え?でも……学院でも皆が知っている事実だし……」
両親はその場で固まってしまった。
その時、トントンとドアがノックされ、ちょうど呼ばれた医師が部屋の中に入ってきた。
「し、しん、診察をしてもらいなさい。その間、私たちは部屋を出ていよう。さぁ、サーシャ、お母さんと一緒に隣の部屋へ行こう」
お父様は、医師を見ると私にそう告げた。
メイドのララは部屋の中で控えているし、医師だけ残して部屋を出ても問題ないと思ったのだろう。
きっと、この間、お父様はサーシャに事情を聞くはずだ。
サーシャとレインがキスをしていた事を確認しに別室へ行くのだ。
私は大げさに物事を表現したりはしない。それは家族の皆が知っている。
黙っていることはあっても、嘘は言わないし、紛らわしい言い回しもしない。
だから、サーシャとレインのキスは紛れもない事実となる。
私の口から報告される事、それが正しい情報だ。
いくらサーシャが否定しても、疑いの目で見られるのは間違いない。
「ララ、お医者様の診察が終わったら少し休みたいの。一人にしてくれたらありがたいわ」
「お嬢様、食事と水分は摂らなければなりませんので、それだけは用意させてください」
私がララにそう話すのを医師が聞いて、困ったように眉を上げた。
「お嬢様。まだ、診察は終わっていませんよ」
医師に注意され、私たちは静かになった。
大きな傷はないようだ。頭を打った影響で、3日ほど意識は戻らなかったようだけど、記憶もしっかりあるし問題はないだろうと医師の診断が下った。
しばらくの間は、大事を取って学院は休むようにと告げられる。
「先生、私、少しゆっくりしたいです。家族がいるといろいろ心配して質問してくるので……」
沈んだ顔つきで私が言うと。
「侯爵様には私から伝えておくので、メイベル様は休んで下さい。眠ると良いです」
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