18 / 18
おまけ
しおりを挟む
木下優香は気分が良かった。
正直、バカな亭主を持ったバカな嫁。
浮気一回くらいでなにマジになってんだろ。
「笑っちゃう」
神主とかレアだし、ちょっと面白かったけどあんなことで夫婦仲拗れるとか、どんだけ真面目なのって感じ。
鏡を見ながらメイクをする。
職場では上手い事やって、部長に媚び売ったらミスとかも全然許されるし。
適当に有望株が見つかったら、パパ活も面倒だしやめようかな。
そう思いながらスマホをチェックする。
あ、笑える。マジうける。おんなじ人気ブランドのバッグ三つ目だし、残り二つは売るし。
誕生日だって年に何回あると思ってんの笑う。
『ありがとう!忙しいのにごめんね。このバック凄く欲しかったんだ。本当に嬉しい一生大事にするね』
返信してから出勤する。
何度もスマホがブルってるけど、エンドレス返信とか面倒だし無視しといた。
「木下さん。ちょっと部長が呼んでるから」
そう言われて会議室に入る。
「失礼しますぅ」
なんか部長以外にもいるんだけど……役職おぢたち、コワッ。
「木下さん。これが君だって噂が出ていてね」
パソコンのモニターを見せられる。
動画だ……
「げぇ!」
ファミレスの……あの時の……神主の嫁との動画だ。
「顔は隠れているけど、これは木下さんだよね」
「え……と……。違います」
ここはしらばっくれるしかない。
「君、まさかパパ活とかしていないよね?」
「社内でもかなりの者が君の動画を知っている。名前や会社名までネットに上がっているそうだ」
「うちの社に問い合わせがきている。何件も苦情が寄せられているんだが」
「この動画の、モザイクがかかっていない物をこちらは入手したんだが、君じゃないのか?」
「はい……知りません」
「それは困ったな」
最悪だ。あんな目立つ場所で修羅場やるんじゃなかった。
誰だよ撮影してた奴、絶対訴えてやる。
席に戻るとみんなが私の方を見てひそひそ話している。ジロジロ嫌な目で見るお局。
若い営業の男性社員まで、すごい目で見てる。
何よ、昨日まで私に媚び売ってたくせに。
どいつもこいつも、手のひら返したみたいに何なのよ。
◇
当面の間自宅待機を命じられた。
実家の両親や友達からのメールもすごい勢いで入っている。
最悪だわ。
お腹すいたし、マジ詰んだわ。
ファミレスでヒロト言ってたっけ『神の祟りとかあるんじゃね』って。
うざすぎ。
でも、何が悪いの?ご飯奢っておもらっただけじゃん。別にだから何?って感じ。一応心配になったからネットで検索する。
『パパ活は、金銭の受け渡しがあっても、単にデートをしているだけなら違法ではありません。こうしたパパ活を取り締まる法律はないため、違法行為には該当しません』
ほら、違法じゃないし。笑える。
ホッとして、他の物も検索する。動画がピックアップに上がってる。
「うそ!……」
信じらんない、おぢとの行為中の動画がネットに流れてる。私の動画……
「うそ、やだ、マジで……」
どこのどいつだよ!隠し撮り?マジ?赦せない……
パソコンを立ち上げる。
「ピンポーン、ピンポーン、」
「木下さん、木下優香さん、いますよね?開けてもらえますか」
誰だよ!うざい。
必死にエゴサーチする。
「木下さーん、木下さん」
「うるさい!帰って!警察呼ぶよ!」
「木下さん。悪いねぇ、警察呼ばなくてもここに来てるんだよね」
急いで調べる。
私大丈夫だよね?
カタカタカタカタ……
詐欺罪 嘘をついてお金をだまし取ったら、10年以下の懲役と重い処分。
脅迫罪 相手の命や体、自由や名誉、財産に対して危害を加えると告知する。
2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
恐喝罪 相手を恐怖させる害悪の告知をして金品を支払わせた。10年以下の
懲役
ニュースが流れる。
「『本日、詐欺の疑いで逮捕されたのは東京都……マッチングアプリで知り合った男性から、金銭をだまし取るため』」
「いやぁぁあ!!なんでぇぇえぇ!!しらない!わたしじゃない!」
ピンポーン、ピンポーン……ピンポーン
ーーーーーーーーおわりーーーーーーーー
エントリーしていたらざまぁは入れなかったけど、おまけで入れておきます。
ではまた。
ありがとうございましたm(__)m
正直、バカな亭主を持ったバカな嫁。
浮気一回くらいでなにマジになってんだろ。
「笑っちゃう」
神主とかレアだし、ちょっと面白かったけどあんなことで夫婦仲拗れるとか、どんだけ真面目なのって感じ。
鏡を見ながらメイクをする。
職場では上手い事やって、部長に媚び売ったらミスとかも全然許されるし。
適当に有望株が見つかったら、パパ活も面倒だしやめようかな。
そう思いながらスマホをチェックする。
あ、笑える。マジうける。おんなじ人気ブランドのバッグ三つ目だし、残り二つは売るし。
誕生日だって年に何回あると思ってんの笑う。
『ありがとう!忙しいのにごめんね。このバック凄く欲しかったんだ。本当に嬉しい一生大事にするね』
返信してから出勤する。
何度もスマホがブルってるけど、エンドレス返信とか面倒だし無視しといた。
「木下さん。ちょっと部長が呼んでるから」
そう言われて会議室に入る。
「失礼しますぅ」
なんか部長以外にもいるんだけど……役職おぢたち、コワッ。
「木下さん。これが君だって噂が出ていてね」
パソコンのモニターを見せられる。
動画だ……
「げぇ!」
ファミレスの……あの時の……神主の嫁との動画だ。
「顔は隠れているけど、これは木下さんだよね」
「え……と……。違います」
ここはしらばっくれるしかない。
「君、まさかパパ活とかしていないよね?」
「社内でもかなりの者が君の動画を知っている。名前や会社名までネットに上がっているそうだ」
「うちの社に問い合わせがきている。何件も苦情が寄せられているんだが」
「この動画の、モザイクがかかっていない物をこちらは入手したんだが、君じゃないのか?」
「はい……知りません」
「それは困ったな」
最悪だ。あんな目立つ場所で修羅場やるんじゃなかった。
誰だよ撮影してた奴、絶対訴えてやる。
席に戻るとみんなが私の方を見てひそひそ話している。ジロジロ嫌な目で見るお局。
若い営業の男性社員まで、すごい目で見てる。
何よ、昨日まで私に媚び売ってたくせに。
どいつもこいつも、手のひら返したみたいに何なのよ。
◇
当面の間自宅待機を命じられた。
実家の両親や友達からのメールもすごい勢いで入っている。
最悪だわ。
お腹すいたし、マジ詰んだわ。
ファミレスでヒロト言ってたっけ『神の祟りとかあるんじゃね』って。
うざすぎ。
でも、何が悪いの?ご飯奢っておもらっただけじゃん。別にだから何?って感じ。一応心配になったからネットで検索する。
『パパ活は、金銭の受け渡しがあっても、単にデートをしているだけなら違法ではありません。こうしたパパ活を取り締まる法律はないため、違法行為には該当しません』
ほら、違法じゃないし。笑える。
ホッとして、他の物も検索する。動画がピックアップに上がってる。
「うそ!……」
信じらんない、おぢとの行為中の動画がネットに流れてる。私の動画……
「うそ、やだ、マジで……」
どこのどいつだよ!隠し撮り?マジ?赦せない……
パソコンを立ち上げる。
「ピンポーン、ピンポーン、」
「木下さん、木下優香さん、いますよね?開けてもらえますか」
誰だよ!うざい。
必死にエゴサーチする。
「木下さーん、木下さん」
「うるさい!帰って!警察呼ぶよ!」
「木下さん。悪いねぇ、警察呼ばなくてもここに来てるんだよね」
急いで調べる。
私大丈夫だよね?
カタカタカタカタ……
詐欺罪 嘘をついてお金をだまし取ったら、10年以下の懲役と重い処分。
脅迫罪 相手の命や体、自由や名誉、財産に対して危害を加えると告知する。
2年以下の懲役または30万円以下の罰金。
恐喝罪 相手を恐怖させる害悪の告知をして金品を支払わせた。10年以下の
懲役
ニュースが流れる。
「『本日、詐欺の疑いで逮捕されたのは東京都……マッチングアプリで知り合った男性から、金銭をだまし取るため』」
「いやぁぁあ!!なんでぇぇえぇ!!しらない!わたしじゃない!」
ピンポーン、ピンポーン……ピンポーン
ーーーーーーーーおわりーーーーーーーー
エントリーしていたらざまぁは入れなかったけど、おまけで入れておきます。
ではまた。
ありがとうございましたm(__)m
1,352
お気に入りに追加
667
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
恋人でいる意味が分からないので幼馴染に戻ろうとしたら‥‥
矢野りと
恋愛
婚約者も恋人もいない私を憐れんで、なぜか幼馴染の騎士が恋人のふりをしてくれることになった。
でも恋人のふりをして貰ってから、私を取り巻く状況は悪くなった気がする…。
周りからは『釣り合っていない』と言われるし、彼は私を庇うこともしてくれない。
――あれっ?
私って恋人でいる意味あるかしら…。
*設定はゆるいです。
誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
騎士の妻ではいられない
Rj
恋愛
騎士の娘として育ったリンダは騎士とは結婚しないと決めていた。しかし幼馴染みで騎士のイーサンと結婚したリンダ。結婚した日に新郎は非常召集され、新婦のリンダは結婚を祝う宴に一人残された。二年目の結婚記念日に戻らない夫を待つリンダはもう騎士の妻ではいられないと心を決める。
全23話。
2024/1/29 全体的な加筆修正をしました。話の内容に変わりはありません。
イーサンが主人公の続編『騎士の妻でいてほしい 』(https://www.alphapolis.co.jp/novel/96163257/36727666)があります。
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
酔っ払ってあやまちをおかしたらそれもう不倫そのものなのでは…
間違えたから浮気じゃないおk!ってなる?w
3 死神ではなく、死に神はあえてですか?
間違いですね、どうもありがとうございますm(__)m
一気読みさせていただきました。切ないけど最後が。。もう素敵❤それも最後の最後が、物語なのに夫婦だから神様が夫だったとわかるとこも素敵。
そして大ザマアも素敵でした!ほんとざまみろ!