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最終章 悪役令嬢は・・・
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倒れている私をモーガン先生は上からじっと見下ろすと、
「どうしてライナスは、あんたみたいな小娘に構っていたのかしら・・・?」
その目がビー玉の様で何の感情も感じられなくてゾッとした。
「ただ、へらへらしているだけで皆にちやほやされて、それでいい気になってる・・・まるであいつみたい。気に入らないわ。ほんと気に入らない・・・」
そう言うと、突然思いっきり靴の先でお腹を蹴られた。
「・・・っ!」
みぞおちに入ったせいか、息が詰まって頭がくらくらした。ここまでの暴力を受けたのは初めてだった。モーガンの私に対するヒリヒリする程の憎悪感じた。
「アリアナ!」
「やめて!」
ディーンとグローシアの叫び声が、耳鳴りのキーンと言う音の奥から聞こえた。
「う・・・」
痛いのに声も出せない。それに捕縛魔術のせいで身体を守る事も出来ない。
モーガンは再び近づくと、私の身体を踏みつけた。
「どうしてやろうかしら・・・?。あんたを見てるとあいつを思い出すのよ。簡単に殺すのが惜しいくらい・・・」
(あいつ・・・?。だれじゃい!?)
知らない奴の身代わりで八つ当たりされたら堪ったもんじゃない!
踏みつけられながらモーガン先生を睨みつけると、彼女の眉がピクっと動いた。
「・・・生意気ね。やっぱり殺してやろうかしら?」
(あ、失敗した・・・)
慌てて目を逸らしても後の祭りである。
モーガン先生は私に向かって手の平を向けた。その手の中に渦巻く空気のボールが出来始める。
(や、やばいやばいやばい・・・)
「よせっ!」
「アリアナーっ!」
ディーンとグローシアの声を、モーガン先生は軽く無視して、私に至近距離から衝撃波を打ちつけた。
ドガガンッっと言う今までで一番大きな爆発音が響いた。
(う、私・・・や、やられた・・・やられた?)
衝撃波を受けたはずなのに、全く痛くもなんともない。
(あれ?・・・嘘!もしかしてもう死んじゃってる!?)
恐る恐るそーっと片目を開けると、周りに薄いピンク色の光が私守る様に光っていた。
「え、何これ?シールド?」
だけどディーンのシールドの色ではない。
目線を上げると、モーガン先生は私の方では無く私の後ろを凝視していた。その顔つき・・・
「う・・・っ!」
私は悲鳴が出そうになるのを押さえた。
彼女の目は驚愕に見開かれている。なのにあふれ出る憎悪がまるで邪気の様で、私はさっきとは違う恐怖を覚えたのだ。
(・・・怖い・・・この人狂ってる・・・)
モーガン先生はもう私の事なんか目に入っていない様に、私の横を素通りして歩いて行く。
私は思わず振り返った。
(あっ・・・)
気付かない内に捕縛魔術が解けていた。
そしてそんな事より、振り返ったその先にもっと驚愕する事が待っていた。
なんと甲板の上に、洞窟で消えたイーサンとリリーが立っていたのだ。
「リリー!」
(良かった!無事だったんだ・・・)
私は嬉しさと安堵に涙が滲んだ。リリーもそんな私に微笑みを向ける。
だけどモーガン先生はゆらゆらと歩きながら、イーサンとリリーに近づいて行き、
「ライナス・・・どうしてリリー・ハートと一緒にいるの?こんな腐れ聖女もどきとっ!」
毒を込めた口調でそう言った。
「サグレメッサ、リーツは何処だ?」
イーサンはモーガン先生の問いには答えず、ただ一言そう聞いた。
「リーツ・・・?あんな出来損ない知らないわ。そんな事より、私をサグレメッサなんて呼ばないで。ちゃんと私の名を呼んで頂戴」
「・・・ヘンルーカの像を壊したのはお前か?」
イーサンがそう言うと、モーガン先生の肩がビクッと動いた。そして身体が小刻みに震え始める。
「うふ・・・ふふふふふ・・・ヘンルーカ?あの女・・・」
「・・・サグレメッサ」
イーサンの瞳が物騒な光を放ちながら細められると、モーガン先生は急に冷静な顔に戻ると両手を振った。
「そう・・・知られてしまったのね。・・・わたくしじゃないわ。あの像を壊したのはリーツよ。もう15,6年も前にね」
「何だと?」
「貴方の容れ物になりそこなって、自棄になったのかしらね。わたくしは止めたのよ。だって、あれが無ければ貴方を縛る物がなくなるもの」
媚を売る様にモーガンは言った。
「どうしてライナスは、あんたみたいな小娘に構っていたのかしら・・・?」
その目がビー玉の様で何の感情も感じられなくてゾッとした。
「ただ、へらへらしているだけで皆にちやほやされて、それでいい気になってる・・・まるであいつみたい。気に入らないわ。ほんと気に入らない・・・」
そう言うと、突然思いっきり靴の先でお腹を蹴られた。
「・・・っ!」
みぞおちに入ったせいか、息が詰まって頭がくらくらした。ここまでの暴力を受けたのは初めてだった。モーガンの私に対するヒリヒリする程の憎悪感じた。
「アリアナ!」
「やめて!」
ディーンとグローシアの叫び声が、耳鳴りのキーンと言う音の奥から聞こえた。
「う・・・」
痛いのに声も出せない。それに捕縛魔術のせいで身体を守る事も出来ない。
モーガンは再び近づくと、私の身体を踏みつけた。
「どうしてやろうかしら・・・?。あんたを見てるとあいつを思い出すのよ。簡単に殺すのが惜しいくらい・・・」
(あいつ・・・?。だれじゃい!?)
知らない奴の身代わりで八つ当たりされたら堪ったもんじゃない!
踏みつけられながらモーガン先生を睨みつけると、彼女の眉がピクっと動いた。
「・・・生意気ね。やっぱり殺してやろうかしら?」
(あ、失敗した・・・)
慌てて目を逸らしても後の祭りである。
モーガン先生は私に向かって手の平を向けた。その手の中に渦巻く空気のボールが出来始める。
(や、やばいやばいやばい・・・)
「よせっ!」
「アリアナーっ!」
ディーンとグローシアの声を、モーガン先生は軽く無視して、私に至近距離から衝撃波を打ちつけた。
ドガガンッっと言う今までで一番大きな爆発音が響いた。
(う、私・・・や、やられた・・・やられた?)
衝撃波を受けたはずなのに、全く痛くもなんともない。
(あれ?・・・嘘!もしかしてもう死んじゃってる!?)
恐る恐るそーっと片目を開けると、周りに薄いピンク色の光が私守る様に光っていた。
「え、何これ?シールド?」
だけどディーンのシールドの色ではない。
目線を上げると、モーガン先生は私の方では無く私の後ろを凝視していた。その顔つき・・・
「う・・・っ!」
私は悲鳴が出そうになるのを押さえた。
彼女の目は驚愕に見開かれている。なのにあふれ出る憎悪がまるで邪気の様で、私はさっきとは違う恐怖を覚えたのだ。
(・・・怖い・・・この人狂ってる・・・)
モーガン先生はもう私の事なんか目に入っていない様に、私の横を素通りして歩いて行く。
私は思わず振り返った。
(あっ・・・)
気付かない内に捕縛魔術が解けていた。
そしてそんな事より、振り返ったその先にもっと驚愕する事が待っていた。
なんと甲板の上に、洞窟で消えたイーサンとリリーが立っていたのだ。
「リリー!」
(良かった!無事だったんだ・・・)
私は嬉しさと安堵に涙が滲んだ。リリーもそんな私に微笑みを向ける。
だけどモーガン先生はゆらゆらと歩きながら、イーサンとリリーに近づいて行き、
「ライナス・・・どうしてリリー・ハートと一緒にいるの?こんな腐れ聖女もどきとっ!」
毒を込めた口調でそう言った。
「サグレメッサ、リーツは何処だ?」
イーサンはモーガン先生の問いには答えず、ただ一言そう聞いた。
「リーツ・・・?あんな出来損ない知らないわ。そんな事より、私をサグレメッサなんて呼ばないで。ちゃんと私の名を呼んで頂戴」
「・・・ヘンルーカの像を壊したのはお前か?」
イーサンがそう言うと、モーガン先生の肩がビクッと動いた。そして身体が小刻みに震え始める。
「うふ・・・ふふふふふ・・・ヘンルーカ?あの女・・・」
「・・・サグレメッサ」
イーサンの瞳が物騒な光を放ちながら細められると、モーガン先生は急に冷静な顔に戻ると両手を振った。
「そう・・・知られてしまったのね。・・・わたくしじゃないわ。あの像を壊したのはリーツよ。もう15,6年も前にね」
「何だと?」
「貴方の容れ物になりそこなって、自棄になったのかしらね。わたくしは止めたのよ。だって、あれが無ければ貴方を縛る物がなくなるもの」
媚を売る様にモーガンは言った。
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