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第8章 悪役令嬢は知られたくない
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ジョーとケイシーは国の憲兵に追われる事になった。
(失敗だ・・・)
考えが甘かった。例の黒フードの男は、転移した後にジョーとケイシーに接触したのかもしれない。
(グスタフの山小屋でぐずぐずしている内に・・・)
仕方なかったとは言え、しくじったと言う気持ちが消えない。
中庭のテーブル席に集まった私達。
ディーンもグローシアのは無しを聞いてショックを受けたようだ。
彼はまだ疲労の色が濃い。
(本当なら休んでいて欲しいくらいなんだけど・・・)
「昨日までは、全くいつのも二人でした。変わった様子は無かったです。なのに・・・」
グローシアが唇を噛みしめる。
「不覚でした」と頭を下げるので、
「ううん、一人で良く頑張ってくれたよ。多分、ジョーとケイシーは昨日か今日のうちに、重ねて精神魔術をかけられたのだと思う」
黒フードは北の森に転移した後、気を失った私達を振り落として学園に転移したのだろう。
「一度精神魔術をかけられると、次からもかかり易くなるみたいだから、ジョーとケイシーはずっと目を付けられていたんだと思う」
「だが、どうしてモーガン先生を病院から連れ去ったのだろう?」
(もしかしたら、私達は何か大きく思い違いをしているじゃないだろうか?)
私は今回の事を順に考えてみた。
「黒いフードの人物は、私達が闇の神殿に行く事を最初は知らなかったはず。でも、何かでそれを知ったあいつは、神殿の神官達を全滅させてから私達にイーサンをけしかけた」
「イーサンを!?」
洞窟での出来事を知らないグローシアは驚いた声で私とディーンを交互に見た。
「うん。多分狙いはトラヴィス殿下。闇の組織はずっと、トラヴィス殿下の暗殺を目論んでたから。それを依頼したのがどこの国なのかは分からないけど・・・」
闇の神殿にあったイーサンの大事な物・・・恐らくヘンルーカの像を壊したのがトラヴィスだとイーサンに吹き込んで、彼にトラヴィスを殺させようとしたのだ。
「だけどどうして神官達を殺したのだ・・・?。仲間だったのだろう?」
ディーンが首を傾げる。
「生き残った神官は黒いフードの人物を『裏切り者』って呼んでました。あいつの正体を知ってるんです。何らかの理由で私達に自分の正体を知られたくなかったのかも?。それと、ヘンルーカの像が壊されたのが、ずっと昔である事をイーサンに知られる訳にはいかなかった」
「イーサンに殿下を殺させるためか」
「はい。トラヴィス殿下は強い方です。本気で戦って勝てるのはイーサンぐらいです」
(ゲーム設定ではそうなっていたもんね)
しかし、どう言う理由にせよ仲間を平気で殺せる黒フードは、とんでもなく恐ろしい奴だ。
「だけど、イーサンの誤解をディーンが解いたので黒フードの思惑は外れた。だから自分でトラヴィス殿下を弑そうと試みたのでしょう」
あの時のトラヴィスはイーサンとの戦いで魔力を消耗し過ぎていた。それに私達を守る為にシールドを張らなければいけなかった。
しかも唯一光の魔術を使えるリリーはイーサンと点転移してしまったのだ。
黒フードは魔力増幅の宝玉を持っていたから、勝てると思ったのだろう。
(ふん。思惑が外れて残念だったね)
黒フードは怪我をしていた。結構なダメージだったはずだ。しかもどうやって自分が反撃にあったのか、その理由も分からなかったはず。
「黒フードはシールドで弾き飛ばされた後、私達を恐れて逃げたんです。そうしてモーガン先生を急いで取り返した・・・何故だと思います?」
「モーガン先生は、あいつに精神魔術で操られていたんのでは無かったのか?」
ディーンの言葉に私は頷いた。
「イーサンはモーガン先生に気を付けろって私に言いました。黒フードの正体も知っていた筈なのに。イーサンにはモーガン先生の方が危険に見えたんです。多分、モーガン先生が正気を失っていたのは芝居か、もしくはワザとそういう魔術をかけて貰っていたんですよ!」
つまりモーガン先生は限りなく黒幕に近い。今は黒フードも一緒にいるのだろう。
ジョーとケイシーは今、どんでも無く危険な状態だと言う事だ。
(どうする?・・・この世界で際立って強いのは攻略者達だ。でも今ここに居るのはディーンだけ。しかもディーンは相当疲れているし、どうやってジョー達を助ける?)
トラヴィス達が戻って来れるのは、早くても明後日頃だろう。それまでに私達に何が出来る?
「ねぇ、グローシア、他に情報は無い?。憲兵達はモーガン先生の行き先を掴んでたりするのかしら?」
「さすがに一介の生徒にそこまで教えてくれませんでした。実はジョー達がモーガン先生を連れ出したと言う情報も、姿と気配を隠す魔術で手に入れたのです!」
グローシアは少しドヤ顔で小鼻を膨らませた。
(おいおい、大きな声で言うんじゃ無いよ)
私は周りを気にして、キョロキョロしてしまう。
(そうか・・・確かにトラヴィス抜きで私達だけじゃ捜索には参加させて貰えないだろうし・・・)
出来れば憲兵に捕まる前にジョーとケイシーの二人を助けてあげたいのだが・・・。
(ん?でも・・・・)
「うん・・・使えるかも!?」
私はディーンとグローシアにひそひそと秘密の案を話し始めた。
(失敗だ・・・)
考えが甘かった。例の黒フードの男は、転移した後にジョーとケイシーに接触したのかもしれない。
(グスタフの山小屋でぐずぐずしている内に・・・)
仕方なかったとは言え、しくじったと言う気持ちが消えない。
中庭のテーブル席に集まった私達。
ディーンもグローシアのは無しを聞いてショックを受けたようだ。
彼はまだ疲労の色が濃い。
(本当なら休んでいて欲しいくらいなんだけど・・・)
「昨日までは、全くいつのも二人でした。変わった様子は無かったです。なのに・・・」
グローシアが唇を噛みしめる。
「不覚でした」と頭を下げるので、
「ううん、一人で良く頑張ってくれたよ。多分、ジョーとケイシーは昨日か今日のうちに、重ねて精神魔術をかけられたのだと思う」
黒フードは北の森に転移した後、気を失った私達を振り落として学園に転移したのだろう。
「一度精神魔術をかけられると、次からもかかり易くなるみたいだから、ジョーとケイシーはずっと目を付けられていたんだと思う」
「だが、どうしてモーガン先生を病院から連れ去ったのだろう?」
(もしかしたら、私達は何か大きく思い違いをしているじゃないだろうか?)
私は今回の事を順に考えてみた。
「黒いフードの人物は、私達が闇の神殿に行く事を最初は知らなかったはず。でも、何かでそれを知ったあいつは、神殿の神官達を全滅させてから私達にイーサンをけしかけた」
「イーサンを!?」
洞窟での出来事を知らないグローシアは驚いた声で私とディーンを交互に見た。
「うん。多分狙いはトラヴィス殿下。闇の組織はずっと、トラヴィス殿下の暗殺を目論んでたから。それを依頼したのがどこの国なのかは分からないけど・・・」
闇の神殿にあったイーサンの大事な物・・・恐らくヘンルーカの像を壊したのがトラヴィスだとイーサンに吹き込んで、彼にトラヴィスを殺させようとしたのだ。
「だけどどうして神官達を殺したのだ・・・?。仲間だったのだろう?」
ディーンが首を傾げる。
「生き残った神官は黒いフードの人物を『裏切り者』って呼んでました。あいつの正体を知ってるんです。何らかの理由で私達に自分の正体を知られたくなかったのかも?。それと、ヘンルーカの像が壊されたのが、ずっと昔である事をイーサンに知られる訳にはいかなかった」
「イーサンに殿下を殺させるためか」
「はい。トラヴィス殿下は強い方です。本気で戦って勝てるのはイーサンぐらいです」
(ゲーム設定ではそうなっていたもんね)
しかし、どう言う理由にせよ仲間を平気で殺せる黒フードは、とんでもなく恐ろしい奴だ。
「だけど、イーサンの誤解をディーンが解いたので黒フードの思惑は外れた。だから自分でトラヴィス殿下を弑そうと試みたのでしょう」
あの時のトラヴィスはイーサンとの戦いで魔力を消耗し過ぎていた。それに私達を守る為にシールドを張らなければいけなかった。
しかも唯一光の魔術を使えるリリーはイーサンと点転移してしまったのだ。
黒フードは魔力増幅の宝玉を持っていたから、勝てると思ったのだろう。
(ふん。思惑が外れて残念だったね)
黒フードは怪我をしていた。結構なダメージだったはずだ。しかもどうやって自分が反撃にあったのか、その理由も分からなかったはず。
「黒フードはシールドで弾き飛ばされた後、私達を恐れて逃げたんです。そうしてモーガン先生を急いで取り返した・・・何故だと思います?」
「モーガン先生は、あいつに精神魔術で操られていたんのでは無かったのか?」
ディーンの言葉に私は頷いた。
「イーサンはモーガン先生に気を付けろって私に言いました。黒フードの正体も知っていた筈なのに。イーサンにはモーガン先生の方が危険に見えたんです。多分、モーガン先生が正気を失っていたのは芝居か、もしくはワザとそういう魔術をかけて貰っていたんですよ!」
つまりモーガン先生は限りなく黒幕に近い。今は黒フードも一緒にいるのだろう。
ジョーとケイシーは今、どんでも無く危険な状態だと言う事だ。
(どうする?・・・この世界で際立って強いのは攻略者達だ。でも今ここに居るのはディーンだけ。しかもディーンは相当疲れているし、どうやってジョー達を助ける?)
トラヴィス達が戻って来れるのは、早くても明後日頃だろう。それまでに私達に何が出来る?
「ねぇ、グローシア、他に情報は無い?。憲兵達はモーガン先生の行き先を掴んでたりするのかしら?」
「さすがに一介の生徒にそこまで教えてくれませんでした。実はジョー達がモーガン先生を連れ出したと言う情報も、姿と気配を隠す魔術で手に入れたのです!」
グローシアは少しドヤ顔で小鼻を膨らませた。
(おいおい、大きな声で言うんじゃ無いよ)
私は周りを気にして、キョロキョロしてしまう。
(そうか・・・確かにトラヴィス抜きで私達だけじゃ捜索には参加させて貰えないだろうし・・・)
出来れば憲兵に捕まる前にジョーとケイシーの二人を助けてあげたいのだが・・・。
(ん?でも・・・・)
「うん・・・使えるかも!?」
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