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第5章 悪役令嬢は絡まれたくない
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「マ、マーリンさん!。突然何を言い出すのですか!?」
マリオット先生は驚いて、持っていた出席簿を床に落とした。
「お、おっと・・・。と、とにかくマーリンさん。クラスの編成に不正なんかありませんよ。」
先生の眼鏡は出席簿を拾った拍子にズレてしまっている。
「では、何故、魔力の無い方が、上級クラスに入れたのですか!?。」
「そ、それは・・・いえ、その話はまた授業の後にしましょう。」
ズレた眼鏡を直しつつ、先生はくるりと黒板の方を向いた。それでも、マーリンは追撃の手を緩めない。
「いいえ、先生。納得できませんわ。私達は上級クラスに入る為に、毎日努力してきました。この上級クラスは身分の上下関係無く、学問の成績と魔力、魔術の才を持つものだけが入れるクラスの筈です。その伝統を、権力の力で崩した方がいるのですわっ!」
「マーリンさん・・・。」
マリオット先生は、すっかり困ってしまったようだ。
(この先生、優秀な方なんだけど、ちょっと優し過ぎて優柔不断な所があるんだよなぁ。でも、そういう所が可愛いって、評判だったっけ。私はちょっと苦手で、あんまり攻略してないんだけど・・・。)
私達より、8歳くらい年上のはずだ。グスタフよりはマシだが、生徒に手を出しちゃいかんと思うんだよね。まぁ、最終的に恋愛関係になるのは、卒業の時だけどさ。
それよりも、今はマーリンの事である。
彼女の文句の相手は、間違いなく私だ。先生に進言してる形だが、ほんとは私にぶつけてきているのだ。
(しょうがないなぁ・・・。)
私はゆっくり立ち上がった。
「先生。マーリンさんが仰っているは、わたくしの事だと思います。」
「ちょ、ちょっとアリアナさん。」
マリオット先生はますます慌てたようで、顔中に汗をかいている。
「そ、そんな事は無いですよ!。あなたは最優秀成績者で表彰されたほど、素晴らしい成績を修めています。上級クラスに入るのは当然ですよ。」
「でも、マーリンさんの仰った方の様に、わたくしは魔力がゼロですから。」
そう言うと、クラスはますます騒然となった。「魔力がゼロ?」「貴族のくせに?」「なんで上級クラスなの?」という声も聞こえてくる。
「ちょ、ちょっと皆さん、静かに!。良いですか、上級クラスは何も、魔力が無いと入れないわけではありません。魔力が弱くとも、他に抜きんでた才能を持つ者が、過去に在籍していた事もあります。アリアナさんの場合は、1年生のテスト全てで満点であった事が、それにあたります。これは学園創立以来の事ですから、充分上級クラスに値します。」
マリオット先生の説明に、クラスの人達は一応、納得したように静かになった。でも、マーリンはそうでは無いようで、
「先生、私はそれに関しても疑問に思っています。」
「・・・?。え?。」
マリオット先生はぽかんとした顔で、マーリンを見つめている。なるほど、こういう感じが、この先生の可愛い所だのだろう。見た目はイケメンで格好良く、出来る雰囲気なのに、ちょっと抜けている所がギャップなのだ。
だが、マーリンにはその魅力は通用しなかったようで、一層目を吊り上げ、私を指さした。
「このアリアナさんが、そんなに成績が良いなんて信じられません!。ぜ~ったい、何か不正があったのですわっ!」
そして、キッと私の方を睨みつけたのだ。
「なっ!?」
私は思わす声を上げてしまった。
(な、な、なんだってぇ~~~~~!?)
いくら私だって、テストの成績を疑われるのは許せなかった。
(ちょっと・・・、良くも言ってくれちゃったわね・・・。私のあの成績が不正だってぇ~?)
もともと出来るとはいえ、私があの成績維持するのに、どんだけ頑張ったか!。血の滲むような努力を知らない癖に、この女・・・。しかも卑怯な事が嫌いなこの私が不正!?
寛大な私にも、触れるとヤバい逆鱗はあるのだ。
「マーリンさん。」
あくまで静かな声、静かなトーン。でも、私の周りの空気が冷え切ったのが分かったのか、マーリンは一瞬ひるんだ顔をした。でも、再び私を睨みつける。
私はそんな彼女に微笑みかけた。はい、もちろん氷の微笑でございます。
「マーリンさん。あなた、私がテストで不正をしたと仰いますの?」
「そ、そうよ!。私が前に会ったあなたは、顔が可愛いだけの、短気で高慢な馬鹿女だったわ!。そんなあなたが、あんな成績取れる訳無いじゃない!。」
(ん?この子、前のアリアナを知ってるんだ。なるほど、だからか。)
とはいえ、私だって手加減しないからね!
マリオット先生は驚いて、持っていた出席簿を床に落とした。
「お、おっと・・・。と、とにかくマーリンさん。クラスの編成に不正なんかありませんよ。」
先生の眼鏡は出席簿を拾った拍子にズレてしまっている。
「では、何故、魔力の無い方が、上級クラスに入れたのですか!?。」
「そ、それは・・・いえ、その話はまた授業の後にしましょう。」
ズレた眼鏡を直しつつ、先生はくるりと黒板の方を向いた。それでも、マーリンは追撃の手を緩めない。
「いいえ、先生。納得できませんわ。私達は上級クラスに入る為に、毎日努力してきました。この上級クラスは身分の上下関係無く、学問の成績と魔力、魔術の才を持つものだけが入れるクラスの筈です。その伝統を、権力の力で崩した方がいるのですわっ!」
「マーリンさん・・・。」
マリオット先生は、すっかり困ってしまったようだ。
(この先生、優秀な方なんだけど、ちょっと優し過ぎて優柔不断な所があるんだよなぁ。でも、そういう所が可愛いって、評判だったっけ。私はちょっと苦手で、あんまり攻略してないんだけど・・・。)
私達より、8歳くらい年上のはずだ。グスタフよりはマシだが、生徒に手を出しちゃいかんと思うんだよね。まぁ、最終的に恋愛関係になるのは、卒業の時だけどさ。
それよりも、今はマーリンの事である。
彼女の文句の相手は、間違いなく私だ。先生に進言してる形だが、ほんとは私にぶつけてきているのだ。
(しょうがないなぁ・・・。)
私はゆっくり立ち上がった。
「先生。マーリンさんが仰っているは、わたくしの事だと思います。」
「ちょ、ちょっとアリアナさん。」
マリオット先生はますます慌てたようで、顔中に汗をかいている。
「そ、そんな事は無いですよ!。あなたは最優秀成績者で表彰されたほど、素晴らしい成績を修めています。上級クラスに入るのは当然ですよ。」
「でも、マーリンさんの仰った方の様に、わたくしは魔力がゼロですから。」
そう言うと、クラスはますます騒然となった。「魔力がゼロ?」「貴族のくせに?」「なんで上級クラスなの?」という声も聞こえてくる。
「ちょ、ちょっと皆さん、静かに!。良いですか、上級クラスは何も、魔力が無いと入れないわけではありません。魔力が弱くとも、他に抜きんでた才能を持つ者が、過去に在籍していた事もあります。アリアナさんの場合は、1年生のテスト全てで満点であった事が、それにあたります。これは学園創立以来の事ですから、充分上級クラスに値します。」
マリオット先生の説明に、クラスの人達は一応、納得したように静かになった。でも、マーリンはそうでは無いようで、
「先生、私はそれに関しても疑問に思っています。」
「・・・?。え?。」
マリオット先生はぽかんとした顔で、マーリンを見つめている。なるほど、こういう感じが、この先生の可愛い所だのだろう。見た目はイケメンで格好良く、出来る雰囲気なのに、ちょっと抜けている所がギャップなのだ。
だが、マーリンにはその魅力は通用しなかったようで、一層目を吊り上げ、私を指さした。
「このアリアナさんが、そんなに成績が良いなんて信じられません!。ぜ~ったい、何か不正があったのですわっ!」
そして、キッと私の方を睨みつけたのだ。
「なっ!?」
私は思わす声を上げてしまった。
(な、な、なんだってぇ~~~~~!?)
いくら私だって、テストの成績を疑われるのは許せなかった。
(ちょっと・・・、良くも言ってくれちゃったわね・・・。私のあの成績が不正だってぇ~?)
もともと出来るとはいえ、私があの成績維持するのに、どんだけ頑張ったか!。血の滲むような努力を知らない癖に、この女・・・。しかも卑怯な事が嫌いなこの私が不正!?
寛大な私にも、触れるとヤバい逆鱗はあるのだ。
「マーリンさん。」
あくまで静かな声、静かなトーン。でも、私の周りの空気が冷え切ったのが分かったのか、マーリンは一瞬ひるんだ顔をした。でも、再び私を睨みつける。
私はそんな彼女に微笑みかけた。はい、もちろん氷の微笑でございます。
「マーリンさん。あなた、私がテストで不正をしたと仰いますの?」
「そ、そうよ!。私が前に会ったあなたは、顔が可愛いだけの、短気で高慢な馬鹿女だったわ!。そんなあなたが、あんな成績取れる訳無いじゃない!。」
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