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第2章 悪役令嬢は巻き込まれたくない
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このまま中に居たら、いずれ見つかってしまう。かといって、四阿の何処から出ても隠れる所は無いし・・・。
(こうなったら、二人が入ってきた瞬間に横から出て外壁に隠れるしか・・・。)
私はしゃがみ込んで、左側の出口のベンチの陰ギリギリに身を隠した。二人が入ってくる瞬間に外にでて隠れれば、見つからないようにできるかも。
「こんな裏庭の奥に来るのは、俺たちか、この間のガキぐらいさ。」
話し声と足音はどんどん近づいてくる。私は息をひそめた。そして、彼らが四阿に入って来たであろう瞬間に、私はしゃがんだままサッと外に出て、四阿の壁に貼りついた。これで覗きこまれない限り、見つかりはしないとだろう。
しかし、彼らがどこかに行かない限り、私は動けそうも無かった。
(うう、お願いだからこっち見たりしないでよ。)
じっと動かず、必死で息をひそめた。彼らは四阿のベンチに座ったようだ。
「おい、ほんとにやってくれるんだろうな?」
「なんのことです?」
「とぼけんなよ!お前らが皇太子の暗殺を・・・」
「しっ!声が大きいと言ったでしょう!?こういう話は校内でする事では無いですよ。それに、俺は単なる繋ぎだって言ったでしょう?紹介はしますけどね。俺は手は出さないですよ。」
皇太子の暗殺・・・その言葉を聞いて私の心臓は鼓動を速めた。
(やっぱり、そういう流れになってるんだ。それにしても、もう一人の話し相手は誰だろう?。闇の組織の一人?そんな奴がもう校内に入り込んでるって言うの?)
やっぱり、私達じゃ手に負えない、父に相談した方が良いのかも?と思った時だった。
「全く・・・あなたの声が大きすぎて、どうやらネズミが寄って来たようですよ。」
「何?」
(なにっ!?)
「盗み聞きが下手ですね。気配がバレバレだ。」
そう言って、立ち上がってこちらに向かってくる足音が聞こえた。
(や、ヤバい、ヤバい、ヤバい!)
私はとっさに立ち上がって逃げようと足を踏み出した。だが、
「えっ!?」
驚く速さで、私の前に回り込んできた人影に立ち止まるしかなかった。
(うそっ!早っ。)
ウザ声もやってきて、
「あっ!こ、こいつ、い、いや、聞いてたのか?今の話を!」
ウザい声で叫ぶ。
「誰?君は。」
私の目の前に立っているもう一人が、笑みを浮かべ、優しいともいえる声でそう聞いてくる。彼は私達と同じくらいの年の少年だった。漆黒の髪と濃い緑の瞳。ウザ声とは対照的に奇麗な顔をしている。目じりが少したれ気味で、笑うと優しげでさえあるのに、目の奥に油断のできない何かが潜んでいた。
私が黙っていると、ウザ声が
「や、やばいよ。こいつコールリッジの娘だぜっ。話を聞かれたとなったら・・・。」
「コールリッジ?へぇ、大貴族様じゃないか。」
少年の顔から笑みが消える。彼の目に一瞬凶暴な感情が見えた気がして、私は勝手に身体が震えてしまった。
(こいつ、ヤバい・・・)
学園の制服を着ているから、ここの生徒なんだろうけど、彼の周りに漂う雰囲気はどこか異質だった。この学園によく居る、ぽやぽやした貴族の坊ちゃんとは違う。剥き身の刃物を見る時のような、ヒリヒリした感覚を受けるのだ。
「あなた・・・誰?本当にここの生徒なの・・・?」
少年の表情は変わらない。
「お、おい、どうすんだよ!何とかしろよ。金払ってんだろ!」
(あ~、うるっさい、ウザ声!)
こっちは緊張で、喉が貼りついているというのに!
「とりあえず、眠ってもらおうかな?」
冷たい、感情の無い声だった。全身に鳥肌が走る。
(殺される!)
震える足を手で押さえて、私は走りだそうとした。でも、
「・・・あっ・・」
身体の向きを変えた瞬間、目の前が暗転した。
(こうなったら、二人が入ってきた瞬間に横から出て外壁に隠れるしか・・・。)
私はしゃがみ込んで、左側の出口のベンチの陰ギリギリに身を隠した。二人が入ってくる瞬間に外にでて隠れれば、見つからないようにできるかも。
「こんな裏庭の奥に来るのは、俺たちか、この間のガキぐらいさ。」
話し声と足音はどんどん近づいてくる。私は息をひそめた。そして、彼らが四阿に入って来たであろう瞬間に、私はしゃがんだままサッと外に出て、四阿の壁に貼りついた。これで覗きこまれない限り、見つかりはしないとだろう。
しかし、彼らがどこかに行かない限り、私は動けそうも無かった。
(うう、お願いだからこっち見たりしないでよ。)
じっと動かず、必死で息をひそめた。彼らは四阿のベンチに座ったようだ。
「おい、ほんとにやってくれるんだろうな?」
「なんのことです?」
「とぼけんなよ!お前らが皇太子の暗殺を・・・」
「しっ!声が大きいと言ったでしょう!?こういう話は校内でする事では無いですよ。それに、俺は単なる繋ぎだって言ったでしょう?紹介はしますけどね。俺は手は出さないですよ。」
皇太子の暗殺・・・その言葉を聞いて私の心臓は鼓動を速めた。
(やっぱり、そういう流れになってるんだ。それにしても、もう一人の話し相手は誰だろう?。闇の組織の一人?そんな奴がもう校内に入り込んでるって言うの?)
やっぱり、私達じゃ手に負えない、父に相談した方が良いのかも?と思った時だった。
「全く・・・あなたの声が大きすぎて、どうやらネズミが寄って来たようですよ。」
「何?」
(なにっ!?)
「盗み聞きが下手ですね。気配がバレバレだ。」
そう言って、立ち上がってこちらに向かってくる足音が聞こえた。
(や、ヤバい、ヤバい、ヤバい!)
私はとっさに立ち上がって逃げようと足を踏み出した。だが、
「えっ!?」
驚く速さで、私の前に回り込んできた人影に立ち止まるしかなかった。
(うそっ!早っ。)
ウザ声もやってきて、
「あっ!こ、こいつ、い、いや、聞いてたのか?今の話を!」
ウザい声で叫ぶ。
「誰?君は。」
私の目の前に立っているもう一人が、笑みを浮かべ、優しいともいえる声でそう聞いてくる。彼は私達と同じくらいの年の少年だった。漆黒の髪と濃い緑の瞳。ウザ声とは対照的に奇麗な顔をしている。目じりが少したれ気味で、笑うと優しげでさえあるのに、目の奥に油断のできない何かが潜んでいた。
私が黙っていると、ウザ声が
「や、やばいよ。こいつコールリッジの娘だぜっ。話を聞かれたとなったら・・・。」
「コールリッジ?へぇ、大貴族様じゃないか。」
少年の顔から笑みが消える。彼の目に一瞬凶暴な感情が見えた気がして、私は勝手に身体が震えてしまった。
(こいつ、ヤバい・・・)
学園の制服を着ているから、ここの生徒なんだろうけど、彼の周りに漂う雰囲気はどこか異質だった。この学園によく居る、ぽやぽやした貴族の坊ちゃんとは違う。剥き身の刃物を見る時のような、ヒリヒリした感覚を受けるのだ。
「あなた・・・誰?本当にここの生徒なの・・・?」
少年の表情は変わらない。
「お、おい、どうすんだよ!何とかしろよ。金払ってんだろ!」
(あ~、うるっさい、ウザ声!)
こっちは緊張で、喉が貼りついているというのに!
「とりあえず、眠ってもらおうかな?」
冷たい、感情の無い声だった。全身に鳥肌が走る。
(殺される!)
震える足を手で押さえて、私は走りだそうとした。でも、
「・・・あっ・・」
身体の向きを変えた瞬間、目の前が暗転した。
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