30 / 284
第2章 悪役令嬢は巻き込まれたくない
5
しおりを挟む
「クリフの奴、どうしたんだろう?」
3日後の放課後、私達はノエルを含めて中庭のカフェで集まった。話題にあがるのはやはりクリフの事だ。
「ここんとこ、授業が終わったら、誰とも喋らずに帰ってしまうんだ。それにいつも一緒に昼食を食べるのに、最近は一人でどこかへ行ってしまう。朝会っても元気がないし、授業中もずっとぼんやりしていて・・・。」
ノエルとクリフは小さい頃からの幼馴染らしい。領地が隣で家も近かったので、家族ぐるみで仲が良いとのことだ
。
「確かに、最近はいつものクリフ様と違いますわ。いつもそんなに騒ぐ方ではございませんが、ご友人とは楽しそうにされてますのに・・・。」
ミリアも顔を曇らせる。レティシアも、
「私は今日、話しかけても無視されましたわ・・・私の声が小さかったからかもしれませんが・・・。」
「あら、私も無視されたわよ!声の問題じゃなくて、あっちの聞く気の問題よ。」
ジョージアとレティシアも彼とは子供頃からの付き合いだ。文句を言いながらも心配そうだ。正直、事情を知っている私としてはいたたまれない。
(あ~、事が事だけに、皆にクリフの事を話す訳にはいかないしなぁ・・・。)
皇太子暗殺計画の話なんて、おいそれと口には出せない。下手したら、こっちの身が危ない。
「そんなにご様子が違っていたのですか?。何か、お悩みがあるのでしょうか?誰か、何かクリフ様の事で心当たりは・・・?」
(ぐっ・・・)
リリーの言葉に、ますます私はいたたまれなくなる。
リリーはクラスが違うから、彼の様子を直接には見ていないのだ。
「先週まではいつも通りだったよ。土曜日も一緒に遊んだんだ・・・。あっ、でもあいつ、次の日の日曜日は朝早くから部屋に居なかったなぁ。乗馬に誘おうと思って訪ねたんだけど、朝食も食べずに出かけたらしくて、昼間も居なかったよ。」
「じゃあ、きっとその時に何かあったのですわ。」
(ええ、あったのよ、ミリア・・・。)
私は心の中でうなづいていた。
「アリアナ様はどう思われます?」
突然問われて、私は飲みかけていた紅茶が気管に入りそうになった。
「う、ぐ、あ、すみません。・・・わ、わたくしには分かりませんわ。」
皆は溜息と共に「そうですよねぇ」という表情になる。
「何か悩んでるなら、言ってくれれば良いのに。全く友達がいが無い奴だよ。」
「話せない事情があるのかもしれないわよ。それにクリフ様って昔からそういうところあるじゃない。」
「ジョーの言うとおりね。クリフ様って普段から自分の事はあまりお話にならないわ・・・。それに、いつもノエルの方がクリフ様に悩みを相談してばかりじゃない。あなたに相談するのは頼りないって思ってるんじゃないの?」
ミリアの言葉にノエルは落ち込んだ。ズンっと音が聞こえるようだ。レティシアそれを見ておろおろとしている。
(う~ん、この4人の力関係が良く分かるわ。)
私はリリーと顔を見合わせ苦笑し、場を取りなそうと、4人に向かって聞いた。
「クリフ様って昔からあまり喋らない方でしたの?」
(2部の中では喋らないどころじゃ無かったのよねぇ・・・、いつも暗い表情で誰とも関わろうとはしない。まぁ、超絶美形で憂いがあるってんで、ゲームでは人気のキャラではあった。でもって、クリフがたまに見せる優しさが、ギャップ萌えだったのよね~。)
「そうですねぇ・・・無口という程ではありませんわ、ノエルとは良く話してましたし、たまに興味のある事に関しては、良くお話しされますわ。ただ、年の割に達観しているというか・・・、色々冷めているような感じがしましたわ。」
「どういう事?」
ミリアは思い出すように、あごに右手を添え、眉間にしわを寄せた。
「随分前・・・まだ子供の頃ですが、クリフ様から聞いたことがあるのです。『自分は侯爵位を継げなくても仕方ない』って仰ってましたわ。私が、『ウォーレン侯爵家ではお子様はクリフ様お一人じゃないですか』って言ったら、『従弟のデイビッドが継げばいい』って。あの時は冗談かとも思いましたが・・・。」
(従弟のデイビッドって、もしかしてあのウザ声のことか・・・。でも、なんで?。その頃は出生の秘密を知って無かったろうに・・・。)
「ちょっとひねくれてるって感じ?。器用で、なんでも出来るのに、本気でやろうとはしないのよねぇ。そういうとこは、あまり好きじゃないわ。私とチェスやった時も、勝っても特に喜ばないし、負けても全然悔しがらないし。」
ジョージアはムスッとした表情でケーキを頬張った。そんなジョーを見てレティシアはクスクス笑った。
「ジョーは負けたら、凄く悔しがってたものねぇ。そうですねぇ・・・、いつもクールで冷めている印象でしたが優しい所もありましたわ。使用人の子供に文字を教えたり、ノエル様が叱られている時に庇ってらしたり・・・。」
「えっ?なんか皆、僕よりクリフに詳しくない?」
親友は僕なのにと、ノエルが不安そうな顔をしたが、3人は我関せずだ。ミリアは眉間にしわを寄せたまま、
「いずれにせよ、簡単に人に頼る方ではございませんわ。悩みがあっても話してくれるかどうか・・・。今はそっとしておいた方が良いかもしれませんよ。」
(そっか、やっぱり面倒くさくて、難しいキャラなんだ。)
ゲームのプレイヤーも苦労したけど、周りの人間も苦労してたってわけだ。だから、少しずつ周りから人が離れていったのかもしれない。だとしたら・・・、
「わたくしは、クリフ様が何でお悩みにせよ、一人にしてはいけないと思いますの。」
皆が私に顔を向ける。
「彼の今の状態を考えると、悩み事を無理に聞いても教えては下さらないでしょう。でも、だからと言って放っておくのは良くないと思いますの。きっとクリフ様はもっと心を閉ざしてしまいますわ。だから、嫌がられるかもしれませんが、皆で話しかけましょう。そしてなるべく一緒に居るようにしませんか?。そうすれば、彼の心もほぐれてくるかもしれません。少なくとも、孤独ではありませんわ。」
名づけて、「みんなでヒロイン作戦」である。
(いや、分かってる。分かってるわよ、ネーミングセンスが無いことは!)
でも、ゲームの時のリリーの役割を皆で代わって出来ないかと考えたのだ。一人一人の力は弱くても、数があればなんとかなるかもしれない。それにつねに集団でいれば、あの最悪バッドエンドの状態にはならない・・・と思う、多分・・・。
「そう・・・、そうですわね、アリアナ様。私達で出来る事はそれぐらいかもしれません!」
「私もなるべく話しかけるようにするわ。」
「明日からは、お昼も誘ってみましょう。」
ミリア達も私に賛成してくれた。
「私は違うクラスなので、なかなかお手伝いできませんけど、放課後は皆さんと頑張りますわ。」
「じゃ、僕は寮にいる時はなるべくあいつと一緒にいるようにするよ。」
リリー、ノエルも協力してくれる。ほんとに良い子達だ。
(今はこれくらいしかできない・・・。これで少しは改善すれば良いんだけど。)
3日後の放課後、私達はノエルを含めて中庭のカフェで集まった。話題にあがるのはやはりクリフの事だ。
「ここんとこ、授業が終わったら、誰とも喋らずに帰ってしまうんだ。それにいつも一緒に昼食を食べるのに、最近は一人でどこかへ行ってしまう。朝会っても元気がないし、授業中もずっとぼんやりしていて・・・。」
ノエルとクリフは小さい頃からの幼馴染らしい。領地が隣で家も近かったので、家族ぐるみで仲が良いとのことだ
。
「確かに、最近はいつものクリフ様と違いますわ。いつもそんなに騒ぐ方ではございませんが、ご友人とは楽しそうにされてますのに・・・。」
ミリアも顔を曇らせる。レティシアも、
「私は今日、話しかけても無視されましたわ・・・私の声が小さかったからかもしれませんが・・・。」
「あら、私も無視されたわよ!声の問題じゃなくて、あっちの聞く気の問題よ。」
ジョージアとレティシアも彼とは子供頃からの付き合いだ。文句を言いながらも心配そうだ。正直、事情を知っている私としてはいたたまれない。
(あ~、事が事だけに、皆にクリフの事を話す訳にはいかないしなぁ・・・。)
皇太子暗殺計画の話なんて、おいそれと口には出せない。下手したら、こっちの身が危ない。
「そんなにご様子が違っていたのですか?。何か、お悩みがあるのでしょうか?誰か、何かクリフ様の事で心当たりは・・・?」
(ぐっ・・・)
リリーの言葉に、ますます私はいたたまれなくなる。
リリーはクラスが違うから、彼の様子を直接には見ていないのだ。
「先週まではいつも通りだったよ。土曜日も一緒に遊んだんだ・・・。あっ、でもあいつ、次の日の日曜日は朝早くから部屋に居なかったなぁ。乗馬に誘おうと思って訪ねたんだけど、朝食も食べずに出かけたらしくて、昼間も居なかったよ。」
「じゃあ、きっとその時に何かあったのですわ。」
(ええ、あったのよ、ミリア・・・。)
私は心の中でうなづいていた。
「アリアナ様はどう思われます?」
突然問われて、私は飲みかけていた紅茶が気管に入りそうになった。
「う、ぐ、あ、すみません。・・・わ、わたくしには分かりませんわ。」
皆は溜息と共に「そうですよねぇ」という表情になる。
「何か悩んでるなら、言ってくれれば良いのに。全く友達がいが無い奴だよ。」
「話せない事情があるのかもしれないわよ。それにクリフ様って昔からそういうところあるじゃない。」
「ジョーの言うとおりね。クリフ様って普段から自分の事はあまりお話にならないわ・・・。それに、いつもノエルの方がクリフ様に悩みを相談してばかりじゃない。あなたに相談するのは頼りないって思ってるんじゃないの?」
ミリアの言葉にノエルは落ち込んだ。ズンっと音が聞こえるようだ。レティシアそれを見ておろおろとしている。
(う~ん、この4人の力関係が良く分かるわ。)
私はリリーと顔を見合わせ苦笑し、場を取りなそうと、4人に向かって聞いた。
「クリフ様って昔からあまり喋らない方でしたの?」
(2部の中では喋らないどころじゃ無かったのよねぇ・・・、いつも暗い表情で誰とも関わろうとはしない。まぁ、超絶美形で憂いがあるってんで、ゲームでは人気のキャラではあった。でもって、クリフがたまに見せる優しさが、ギャップ萌えだったのよね~。)
「そうですねぇ・・・無口という程ではありませんわ、ノエルとは良く話してましたし、たまに興味のある事に関しては、良くお話しされますわ。ただ、年の割に達観しているというか・・・、色々冷めているような感じがしましたわ。」
「どういう事?」
ミリアは思い出すように、あごに右手を添え、眉間にしわを寄せた。
「随分前・・・まだ子供の頃ですが、クリフ様から聞いたことがあるのです。『自分は侯爵位を継げなくても仕方ない』って仰ってましたわ。私が、『ウォーレン侯爵家ではお子様はクリフ様お一人じゃないですか』って言ったら、『従弟のデイビッドが継げばいい』って。あの時は冗談かとも思いましたが・・・。」
(従弟のデイビッドって、もしかしてあのウザ声のことか・・・。でも、なんで?。その頃は出生の秘密を知って無かったろうに・・・。)
「ちょっとひねくれてるって感じ?。器用で、なんでも出来るのに、本気でやろうとはしないのよねぇ。そういうとこは、あまり好きじゃないわ。私とチェスやった時も、勝っても特に喜ばないし、負けても全然悔しがらないし。」
ジョージアはムスッとした表情でケーキを頬張った。そんなジョーを見てレティシアはクスクス笑った。
「ジョーは負けたら、凄く悔しがってたものねぇ。そうですねぇ・・・、いつもクールで冷めている印象でしたが優しい所もありましたわ。使用人の子供に文字を教えたり、ノエル様が叱られている時に庇ってらしたり・・・。」
「えっ?なんか皆、僕よりクリフに詳しくない?」
親友は僕なのにと、ノエルが不安そうな顔をしたが、3人は我関せずだ。ミリアは眉間にしわを寄せたまま、
「いずれにせよ、簡単に人に頼る方ではございませんわ。悩みがあっても話してくれるかどうか・・・。今はそっとしておいた方が良いかもしれませんよ。」
(そっか、やっぱり面倒くさくて、難しいキャラなんだ。)
ゲームのプレイヤーも苦労したけど、周りの人間も苦労してたってわけだ。だから、少しずつ周りから人が離れていったのかもしれない。だとしたら・・・、
「わたくしは、クリフ様が何でお悩みにせよ、一人にしてはいけないと思いますの。」
皆が私に顔を向ける。
「彼の今の状態を考えると、悩み事を無理に聞いても教えては下さらないでしょう。でも、だからと言って放っておくのは良くないと思いますの。きっとクリフ様はもっと心を閉ざしてしまいますわ。だから、嫌がられるかもしれませんが、皆で話しかけましょう。そしてなるべく一緒に居るようにしませんか?。そうすれば、彼の心もほぐれてくるかもしれません。少なくとも、孤独ではありませんわ。」
名づけて、「みんなでヒロイン作戦」である。
(いや、分かってる。分かってるわよ、ネーミングセンスが無いことは!)
でも、ゲームの時のリリーの役割を皆で代わって出来ないかと考えたのだ。一人一人の力は弱くても、数があればなんとかなるかもしれない。それにつねに集団でいれば、あの最悪バッドエンドの状態にはならない・・・と思う、多分・・・。
「そう・・・、そうですわね、アリアナ様。私達で出来る事はそれぐらいかもしれません!」
「私もなるべく話しかけるようにするわ。」
「明日からは、お昼も誘ってみましょう。」
ミリア達も私に賛成してくれた。
「私は違うクラスなので、なかなかお手伝いできませんけど、放課後は皆さんと頑張りますわ。」
「じゃ、僕は寮にいる時はなるべくあいつと一緒にいるようにするよ。」
リリー、ノエルも協力してくれる。ほんとに良い子達だ。
(今はこれくらいしかできない・・・。これで少しは改善すれば良いんだけど。)
28
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。
櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。
兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。
ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。
私も脳筋ってこと!?
それはイヤ!!
前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。
ゆるく軽いラブコメ目指しています。
最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。
小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる