16 / 284
第1章 悪役令嬢は目立ちたくない
第15話 やっぱりイベント?
しおりを挟む
私は女生徒達に近づき、下から覗きこむように目線を合わせた。
「状況再現魔術ってご存知ですかぁ?物に染み付いた記憶を映像化する魔法なのです。それを使えばこの鋏が何に使われたか、直ぐに分かるんですよねぇ。今なら記憶も新しいでしょうし、簡単にできると思いますけど?」
女生徒達は顔を引きつらせている。
「あっ、それに強制自白魔術もありましたねぇ。あなた達程度の魔力の持ち主だと、抵抗できずに簡単に自白させられるかも?ふふ・・・かけられた側はちょっと苦しいらしいですけど、直ぐ終わると思いますわ。ああ、そう言えば!」
私は元祖悪役令嬢的な笑みを浮かべながら、クリフの方に顔を向けた。
「クリフ様、確かお得意でしたよね?」
「ああ、一度人に試してみたいと思っていたんだ。失敗するとまずい事になるみたいだけど・・・大丈夫、俺は多分上手いよ」
超美形の顔に私と同じく黒い笑みを浮かべながら、クリフは優しいとも言える声でそう言った。手のひらを上に向け、そこからバチバチと火花のようなものが青白く散っている。
(はは・・・クリフもよくやるわ。怖っ・・・)
女生徒達はもう顔面蒼白で震えている。いや私までちょっとゾクッと背中が寒くなってくる。
(・・・バッドエンドのクリフを思い出すじゃないの。顔が奇麗過ぎると怖さが増すんだなぁ・・・)
そんな事を考えていると、突然私とクリフの後ろから重々しい声が聞こえた。
「話は聞かせてもらったよ。クリフ君、後はこちらに任せなさい」
いつの間にか後ろに引率のマーシュ先生が立っていた。マーシュ先生は女生徒達の方に向き直ると眉をひそめた。
「どうやら事故の原因は君たちのようだね?君たちにはもう少し聞きたい事があるからこちらへ来なさい。クリフ君とアリアナさんも、後で話を聞かせてくれるかね?」
「は、はい、先生」
突然の先生登場に私は驚いて背筋を伸ばした。クリフはどうやら気付いていたらしく、涼しい顔をしてる。
女生徒達は私達の脅しが効いたのか、すっかり大人しくなって先生についていった。
マーシュ先生の担当は体育と礼儀作法で特に正義感の強い方だ。多分きっちり調べてお仕置きしてくれるだろう。
もしかしたら今までのリリーへの嫌がらせに関しても対処してくれるかもしれない。
先生に連れていかれる女生徒達を見ながら胸を撫で下ろしていると、クリフが私の横に並んで小声でつぶやいた。
「で、状況再現魔術とか強制自白魔術って何なんだい?」
「あら、クリフ様もお話に乗って下さったじゃありませんか?」
「僕が得意だって?」
「ええ、試してみたかったんですよね?」
そう言うとクリフは「ぶっ」と吹出した。笑いが止まらないのか目に涙まで浮かべている。
(そんなにおかしかったかな?クリフって案外笑い上戸だったんだ・・・)
さっき女生徒達に言ったのは全部はったりだ。
察しの良いクリフのおかげで、彼女達はすっかり上手く騙されてくれた。
(それにしてもアリアナが悪役令嬢をしなくても、しっかりその役目を果たしてくれる人がいるんだなぁ)
しかもやる事が悪い方にレベルアップしている気がした。・・・ゲーム設定って侮れないな。恐ろしい・・・
(でも今の暴れ馬イベントじゃ、リリーと攻略対象者との距離は縮まんないんじゃあ・・・?)
そう思って、私達のピクニックシートの方を見ると・・・、
(げっ!?)
無事に起き上がった馬と倒れたままの馬車越しに、ディーンと第二皇子のパーシヴァルが居るのが見えた。彼らはリリーの傍に居て何か話しかけている。事故に気付いて心配でやってきたのだろう。
「アリアナ嬢、シートに戻るかい?」
皆の方を見ている私に、クリフにはそう言ったが、
「わ、私デザートを取ってまいりますわ!クリフ様はどうぞお戻りになって」
「えっ?」
「で、ではではでは・・・。」
(あいつらに関わってたまるかい!)
私はクリフを置いて、さっさと料理が並べてあるテーブルの方へ向かった。
デザートを取ってもディーンとパーシヴァルが何処かに行かない限り、戻るわけにはいかない。
私はテーブルの傍で人の陰に隠れながら、立ったままデザートを頬張った。
ちらちら様子を伺っていたのだが、彼らは本格的にピクニックシートに座り込んでいて移動しそうにない。
(何やってんのよっ!?いくらリリーのそばに居たいからって他の組の場所に居座るなんて図々しい。おかげで私が戻れないじゃないか!)
リリーはと言うと彼らの相手をしながらも、時々キョロキョロと辺りを見回している。もしかして私を探しているんだろうか?
(そうだよね・・・リリーは私と話がしたくて来たんだもん。せっかく友達になって一緒にお昼を食べてたのにさ・・・。あの4人組女生徒、まじ許せぬ)
そう思いながらどんどんデザートを口に入れる。うん、さすが学園お抱えシェフが作っただけある。どのお菓子もめっちゃ美味!
「さっきも言ったけど、よくそんな小さい体にそんなに詰め込めるな・・・」
突然後ろから声をかけられてびっくりし、頬張ったタルトを一気に飲み込んでしまった。振り向くとクリフの美しい顔が呆れたようにこちらを見下ろしてる。
「んぐっ!・・・ク、ク、クリフ様、どうしてここに!?皆の所に戻られたのじゃ?」
「さっきからずっと居るけど?あっちは人が増えてて面倒くさそうだから」
「だ、だからって付いて来なくても・・・」
(あなたが一緒だと目立つじゃないの!)
長身で超絶美形のクリフだ。目印が立っているようなものなのだ。
はたっと嫌な予感がしてリリーの方を見ると、どうやら彼女は私達に気が付いたらしい。ディーン達に何か言うとこちらに向かって走ってきた。
(いやいや、絶対奴らも付いて来るって!)
「ク、クリフ様!私、ボートの方へ行って参りますわ!」
「お、おいアリアナ嬢!?いったい・・・」
私は急いでクッキーを一つとって口の中に放り込んだ。そして悪いと思ったけどクリフを無視して、ボート乗り場へと一気に走った。
「状況再現魔術ってご存知ですかぁ?物に染み付いた記憶を映像化する魔法なのです。それを使えばこの鋏が何に使われたか、直ぐに分かるんですよねぇ。今なら記憶も新しいでしょうし、簡単にできると思いますけど?」
女生徒達は顔を引きつらせている。
「あっ、それに強制自白魔術もありましたねぇ。あなた達程度の魔力の持ち主だと、抵抗できずに簡単に自白させられるかも?ふふ・・・かけられた側はちょっと苦しいらしいですけど、直ぐ終わると思いますわ。ああ、そう言えば!」
私は元祖悪役令嬢的な笑みを浮かべながら、クリフの方に顔を向けた。
「クリフ様、確かお得意でしたよね?」
「ああ、一度人に試してみたいと思っていたんだ。失敗するとまずい事になるみたいだけど・・・大丈夫、俺は多分上手いよ」
超美形の顔に私と同じく黒い笑みを浮かべながら、クリフは優しいとも言える声でそう言った。手のひらを上に向け、そこからバチバチと火花のようなものが青白く散っている。
(はは・・・クリフもよくやるわ。怖っ・・・)
女生徒達はもう顔面蒼白で震えている。いや私までちょっとゾクッと背中が寒くなってくる。
(・・・バッドエンドのクリフを思い出すじゃないの。顔が奇麗過ぎると怖さが増すんだなぁ・・・)
そんな事を考えていると、突然私とクリフの後ろから重々しい声が聞こえた。
「話は聞かせてもらったよ。クリフ君、後はこちらに任せなさい」
いつの間にか後ろに引率のマーシュ先生が立っていた。マーシュ先生は女生徒達の方に向き直ると眉をひそめた。
「どうやら事故の原因は君たちのようだね?君たちにはもう少し聞きたい事があるからこちらへ来なさい。クリフ君とアリアナさんも、後で話を聞かせてくれるかね?」
「は、はい、先生」
突然の先生登場に私は驚いて背筋を伸ばした。クリフはどうやら気付いていたらしく、涼しい顔をしてる。
女生徒達は私達の脅しが効いたのか、すっかり大人しくなって先生についていった。
マーシュ先生の担当は体育と礼儀作法で特に正義感の強い方だ。多分きっちり調べてお仕置きしてくれるだろう。
もしかしたら今までのリリーへの嫌がらせに関しても対処してくれるかもしれない。
先生に連れていかれる女生徒達を見ながら胸を撫で下ろしていると、クリフが私の横に並んで小声でつぶやいた。
「で、状況再現魔術とか強制自白魔術って何なんだい?」
「あら、クリフ様もお話に乗って下さったじゃありませんか?」
「僕が得意だって?」
「ええ、試してみたかったんですよね?」
そう言うとクリフは「ぶっ」と吹出した。笑いが止まらないのか目に涙まで浮かべている。
(そんなにおかしかったかな?クリフって案外笑い上戸だったんだ・・・)
さっき女生徒達に言ったのは全部はったりだ。
察しの良いクリフのおかげで、彼女達はすっかり上手く騙されてくれた。
(それにしてもアリアナが悪役令嬢をしなくても、しっかりその役目を果たしてくれる人がいるんだなぁ)
しかもやる事が悪い方にレベルアップしている気がした。・・・ゲーム設定って侮れないな。恐ろしい・・・
(でも今の暴れ馬イベントじゃ、リリーと攻略対象者との距離は縮まんないんじゃあ・・・?)
そう思って、私達のピクニックシートの方を見ると・・・、
(げっ!?)
無事に起き上がった馬と倒れたままの馬車越しに、ディーンと第二皇子のパーシヴァルが居るのが見えた。彼らはリリーの傍に居て何か話しかけている。事故に気付いて心配でやってきたのだろう。
「アリアナ嬢、シートに戻るかい?」
皆の方を見ている私に、クリフにはそう言ったが、
「わ、私デザートを取ってまいりますわ!クリフ様はどうぞお戻りになって」
「えっ?」
「で、ではではでは・・・。」
(あいつらに関わってたまるかい!)
私はクリフを置いて、さっさと料理が並べてあるテーブルの方へ向かった。
デザートを取ってもディーンとパーシヴァルが何処かに行かない限り、戻るわけにはいかない。
私はテーブルの傍で人の陰に隠れながら、立ったままデザートを頬張った。
ちらちら様子を伺っていたのだが、彼らは本格的にピクニックシートに座り込んでいて移動しそうにない。
(何やってんのよっ!?いくらリリーのそばに居たいからって他の組の場所に居座るなんて図々しい。おかげで私が戻れないじゃないか!)
リリーはと言うと彼らの相手をしながらも、時々キョロキョロと辺りを見回している。もしかして私を探しているんだろうか?
(そうだよね・・・リリーは私と話がしたくて来たんだもん。せっかく友達になって一緒にお昼を食べてたのにさ・・・。あの4人組女生徒、まじ許せぬ)
そう思いながらどんどんデザートを口に入れる。うん、さすが学園お抱えシェフが作っただけある。どのお菓子もめっちゃ美味!
「さっきも言ったけど、よくそんな小さい体にそんなに詰め込めるな・・・」
突然後ろから声をかけられてびっくりし、頬張ったタルトを一気に飲み込んでしまった。振り向くとクリフの美しい顔が呆れたようにこちらを見下ろしてる。
「んぐっ!・・・ク、ク、クリフ様、どうしてここに!?皆の所に戻られたのじゃ?」
「さっきからずっと居るけど?あっちは人が増えてて面倒くさそうだから」
「だ、だからって付いて来なくても・・・」
(あなたが一緒だと目立つじゃないの!)
長身で超絶美形のクリフだ。目印が立っているようなものなのだ。
はたっと嫌な予感がしてリリーの方を見ると、どうやら彼女は私達に気が付いたらしい。ディーン達に何か言うとこちらに向かって走ってきた。
(いやいや、絶対奴らも付いて来るって!)
「ク、クリフ様!私、ボートの方へ行って参りますわ!」
「お、おいアリアナ嬢!?いったい・・・」
私は急いでクッキーを一つとって口の中に放り込んだ。そして悪いと思ったけどクリフを無視して、ボート乗り場へと一気に走った。
29
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。
櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。
兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。
ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。
私も脳筋ってこと!?
それはイヤ!!
前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。
ゆるく軽いラブコメ目指しています。
最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。
小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる